私たちのピクミン、還暦おめでとう
今日は元職場の同僚Pのお誕生日でした。建国記念日がお誕生日なので毎年、彼女のことを思いますが、今年は還暦という特別な誕生日なので、Aさんと2人で会いに行くことにしました。Pの近所の美味しいケーキ屋さんのカフェの喫茶で会う約束をしました。
せっかくなので、少し早めにAさんと落ち会いPへのプレゼントを購入し、バスの時間までコメダ珈琲で軽いランチを取りました。
・・・
Pの実家近くまでバスに乗り出発しました。地図を片手にケーキ屋さんを目指しました。その店は昔マイカーでよく行ったお店です。バス停から30分近く歩いて行きました。
店にたどり着くと、少し様子が変わっていました。店内の喫茶コーナーは消えていました。ちょうどパティシエが立っていたので、声をかけました。
「喫茶コーナーは8年間に無くなりました。」
どうやら私はこのお店に8年以上前に来たきりでした。「すみません。お誕生日のお祝いに来たのですが、どこかに話ができるお店はないでしょうか?」
「近くにコメダ珈琲がありますよ。」と親切に道を教えてくれました。
本日2度目のコメダ珈琲か・・・まあコメダ珈琲は好きだから別にいいけど。
・・・
そこへ「知ってる?喫茶室が無くなったのよ。」と話しながらPが近づいてきました。
「それ今知ったけど、あんた地元のくせに情報が遅過ぎ!」と私とAさんが毒を吐きました。
3人でコメダ珈琲に行き、小さな声でお誕生日の歌を歌いプレゼントを渡しました。ケーキを運んでくれたウェイトレスさんに「還暦のお誕生日なんです!」と余計なことを言いました。でも私とAさん以外から「おめでとう」の言葉をもらいPは照れながらも嬉しそうでした。
ひとしきりPの近況を聞きました。Pは非正規で働きながら20年近く両親の介護をしています。介護サービスを受けながら、毎日、実家に通っているのです。だから私たちはPの実家の近くのお店に呼び出したのです。
そして私とAさんの近況報告をしました。
Aさんは夫や夫の実家の家仕舞いをしていました。転職して定年退職まで働き、いまは半分ボランティアで友だちのカフェを手伝っています。10倍ぐらい毒を吐きながら、その100倍ぐらい人のお世話をしています。
私は会うたび違うことをしていて、いつも新しいことにチャレンジしているのが、信じられないと言いました。
知り合って20年以上になりますが、3人ともまったく変わっていませんでした。
ちなみにPのPはピクミンのことです。CMから聞こえる物悲しい曲と、その弱々しいピクミンを見ると、私たちはPを思い出すのです。気弱で争いを避け文句も言わず穏やかに生きている人です。誰もゲームをしないのであくまでCMの印象だけですが。
昔と違うのは、3人とも膝が痛いだの、持病がどうとかそんな話で盛り上がったことです。
・・・
たっぷり喋ったあと、また来年も会いたいねと話しました。最後にPが申し訳なさそうに
「あの・・・じつは私今日で59歳なの。還暦は来年なの。」
私とAさんは絶句しました。それ早くいってよーーーーーーーーーー
「・・・数え年なら還暦だから間違いはないよ・・・」気弱なピクミンが小さな声で言いました。
会計をすませたところで、先ほどのウェイトレスさんが「お誕生日おめでとうございます。来年もお待ちしております。」とお見送りをしてくれました。
ありがとうコメダ珈琲さん。来年はピクミンの本当の還暦祝いに、またきますね。
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