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ゼミ生お薦め本

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大学3年生が特に脈絡もなく「お薦め!」と感じる本をぼちぼち載せています。一冊ごとに推薦者の思いと個性が見え隠れするところがすてきです。
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記事一覧

【ゼミ生お薦め本】『運転者一未来を変える過去からの使者一』

著者紹介 喜多川 泰 概要  この本は、主人公の男性が、営業で契約をたくさん打ち切られ、家庭も上手くいかずに人生のどん底にいる中、人生の転機となる場所に連れて行くのが仕事という1人のタクシー運転手と出会い、「運」が好転する物語です。  生きている上で、「運がいい」「運が悪い」と考えたことがあると思います。しかし、「運は〈良い〉〈悪い〉で表現するものではなく、〈貯める〉〈使う〉で表現するもの」とタクシー運転手は考えます。  「運が悪い」「ついてない」と思っている人も、前向きに

【ゼミ生お薦め本】『共感資本社会を生きる―共感が「お金」になる時代の新しい生き方』

著者   高橋 博之(たかはし ひろゆき)   新井 和宏(あらい かずひろ) 本の概要  現代社会において日本はさまざまな社会課題を抱えるなか、その本質は「選択」ができないことが大きく影響する、という言葉からこの本はスタートしています。理想の社会とは第1に選択肢があり、第2に選択できる環境、能力があるということです。  日本社会が抱える課題について、今後の日本は「共感」を大事にし、共感が資本(お金)になるような社会、共感資本社会を展開する必要があると

【ゼミ生お薦め本】『チーズはどこへ消えた?』

著者 スペンサージョンソン Spencer Johnson, M.D. 概要  この物語に登場するのは二匹のネズミ「スニッフ」「スカリー」と二人の小人「ヘム」と「ホー」。二匹と二人は私達が人生で求めるもの、仕事、家族や恋人、自由や健康などそういうものを象徴している「チーズ」を「迷路」で探し求める物語です。この「迷路」とはチーズを追い求める場所を表しており、会社や地域かもしれません。  この「迷路」の中で「チーズ」を追い求める中での二匹と二人のそれぞれがとる行動の違いは、私た

【ゼミ生お薦め本】『6人の嘘つきな大学生』

著者  浅倉 秋成    本の概要  誰しもが経験する「就活」の話です。いくつもの選考を勝ち抜き、大手企業の最終面接当日、事件が起こります。日本社会で起こりうる「就活問題」が鮮やかに描かれ、日本人にとって「就活」というものがどのような存在なのか、就活生の立場での見解、人事の立場での見解を読み取ることができます。最終面接当日で起きたありとあらゆる伏線が徐々に回収されていき、理解しやすくも恐怖心を抱かせる物語です。    目次 Employment examination-就職

【ゼミ生お薦め本】『誰が国語力を殺すのか』

著者 石井光太 概要  現在、若者たちの中で国語力が著しく低下している。それは注意報ではなく警報レベルまで達している。なにが原因となっているのか、そしてそこから引き起こされる問題を取り上げ、最後には状況を打破できるような効果的な事例が紹介されている。 目次 序章 第一章 誰が殺されているのか―格差と国語力 第二章 学校が殺したのか―教育崩壊 第三章 ネットが悪いのか―SNS言語の侵略 第四章 一九万人の不登校児を救え―フリースクールでの再生 第五章 ゲーム世界からの子供を

【ゼミ生お薦め本】『世界と私のAtoZ』

著者データ 竹田 ダニエル(タケダ ダニエル)  1997年生まれ、カリフォルニア州出身、在住。そのリアルな発言と視点が注目され、あらゆるメディアに抜擢されているZ世代の新星ライター。「カルチャー ×アイデンティティ×社会」をテーマに執筆。「音楽と社会」を結びつける活動を行い、日本と海外のアーティストを繋げるエージェントとしても活躍。初の著書となる本書は、文芸誌『群像』での連載中からSNSを中心に大きな話題を呼んだ。 目次 はじめに 「大人の求めるZ世代像」への違和感 第

【ゼミ生お薦め本】『表参道のセレブ犬とカバーニャ要塞の野良犬』

著者プロフィール 若林正恭 1987年、東京生まれ。ケイ・ダッシュステージ所属。春日俊彰とお笑いコンビ・ナイスミドルを結成。その後、オードリーと改名する。バラエティ番組を中心にテレビ・ラジオなど活躍の場を広げる。他の著書に『社会人大学人見知り学部卒業見込み』『ナナメの夕暮れ』。 目次 Ruta1 ニューヨーク  Ruta2キューバ大使館  El primer dia 1日目  El segundo dia 2日目  El tercer dia 3日目  El cuart

【ゼミ生お薦め本】『苦しかったときの話をしようか ビジネスマンの父が我が子のために書きためた「働くことの本質」』

著者プロフィール森岡毅(もりおか つよし) 1972年生まれ。神戸大学経営学部卒。1996年、P&G入社。日本ヴィダルサスーン、北米パンテーンのブランドマネージャー、ウエラジャパン副代表等を経て2010年にUSJ入社。革新的なアイデアを次々と投入し、窮地のUSJをV字回復させた。その後、2017年にUSJを退社し、マーケティング精鋭集団「刀」を設立。現在は沖縄テーマパークの構想に着手している。 本の目次・はじめに 残酷な世界の“希望”とは何か? ・第1章  やりたいことがわ

【ゼミ生お薦め本】『ランドセルが教えてくれたこと~世界一やさしい社会貢献の教科書~』

著者プロフィール中谷昌文(なかたに よしふみ) 1967年生まれ。広島県出身の社会貢献活動家、実業家。貧困家庭や児童養護施設の子供たちへランドセルを配る活動で知られている。さらに、営利目的ではない「社会に貢献できるビジネスモデル」の国内外への発信や、若手起業家の育成などにも注力している。 本の目次1「マイヒストリー【社会貢献活動家・中谷昌文が生まれるまで】」 2「社会貢献活動家の私が考える【子どもを取り巻く問題と改善法】」 3「子どもたちの未来を作る【タイガーマスク運動・ラ

【ゼミ生お薦め本】『絶望の国の幸福な若者たち』

著者プロフィール古市憲寿(ふるいち のりとし) 1985年生まれ。東京都出身の社会学者。慶応義塾大学SFC研究所上席所員。 本の目次と概要第1章 若者の誕生と終焉  戦前や戦時中、高度経済成長期周辺や現代の若者論についてかなりたくさん紹介している。若者論の類は「私が若いころは頑張っていたのに今の若者はけしからん」とするタイプ、「若者は味方である」とするタイプ、「若者がよくわからない」とするタイプなど、同じようなことを言い続けている分野であることを著者は強調している。 第2

【ゼミ生お薦め本】『そろそろ「社会運動」の話をしよう』

著者プロフィール田中優子(たなか ゆうこ) 1952年生まれ。神奈川県横浜市出身。社会学、江戸時代の文学・生活文化、アジア比較文化等が専門。自身も学生時代を過ごした法政大学で教授を務め、2014年には同大学の第19代総長となった。 本の概要この本の趣旨は、自分とは遠い世界で、「他人ゴト」であると感じてしまう様々な社会問題やそれに立ち向かう人々を取り上げ、どうすれば自分と近い世界だと感じることができるのか、「自分ゴト」に転換できるのかを読み手に考えさせることです。 執筆、編

【ゼミ生お薦め本】『プロジェクト・ファザーフッドーアメリカで最も凶悪な街で「父」になること』

著者と本書の主旨著者:ジョルジャ・リープ 訳:宮﨑真紀 本書には、「プロジェクト・ファザーフッド」を通じ、貧困と暴力のはびこる町で「父親たち」が地域の問題に立ち向かっていく様が人類学者でソーシャルワーカーの筆者によって記録されている。 本の目次ワッツ/父親としての傷/地元/あんたも俺たちを見放すのか?/ブラザーズ/虐待/リーリー/ファザーフッド/父親っ子/ベビー・ママ/働くお父さん/雇用創出/ビッグ・ママ/光明が差す/チェックメイト/〈ネーション〉/地域のヒーロー/ツイン

【ゼミ生お薦め本】『むかしむかしあるところにウェルビーイングがありました』

著者 石川喜樹 吉田尚記 概要  近年ウィルビーイングは日本政府やWHOが目指すべきものとして掲げたりしているため、多くの人が目にすることが多くなった。しかし、ウィルビーイングという考え方が語られている書籍の約8割は、欧米から輸入したままのウィルビーイングの考え方だということをご存じでしょうか。  そのなかで、日本でのウィルビーイングとは何かを日本の昔からある伝統的なものから、日本人の元々ある感性に着目して考察したこの本はとてもユニークで興味深かったです。 目次 1

【ゼミ生お薦め本】『暇と退屈の倫理学』増補新版

著者國分功一郎 概要 多くの人は暇の中で「退屈」という感覚を覚えます。日々仕事や学問に没頭する中で生まれる暇を、社会に存在するあらゆるツールを駆使して「気晴らし」をする。そんな日常が時々「退屈」に思えるのです。かといって人間は動植物のように生に没入して生き続けることはできません。「退屈」から逃れることができないのならば、人間として生きるということは苦しいことなのでしょうか。  この本では、暇と退屈についてさまざまな学問分野の視点から観察、批判、考察するとともに、私たちが暇と