メリーさんは「本当は」いつ娼婦になったのか
改めて基本的な部分を検証したい。
メリーさんはいつ娼婦になったのだろうか?
人の口に上る物語によるならば、それは終戦後すぐの段階だという。
しかし映画「ヨコハマメリー」や中村監督の本でも明らかにされているとおり(そして拙著『白い孤影』でも取材話を書いているが)、彼女の故郷は岡山県の山里である。
故郷に留まっていれば、食うには困らなかったはずだ。
岡山県北部の中核都市・津山辺りならばまだしも、彼女の故郷までは進駐軍も足を伸ばさない。
つまり彼ら相手の娼婦、当時のいい方で言う「