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地域活性化の成功事例まとめ 第1弾 島根県海士町

はじめまして。

大学2年の矢野優介です。
長野県木島平村、栄村、北海道京極町で活動しています!


このホリエモンの言葉を知り、

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「たしかに」と思ったので、知識を増やそうと日々奮闘中です。


そこで、まずは

いわゆる地域活性化で成功とされている地域の事例をまとめてみました。

しかし、そもそも地域活性化ってなんでしょう?

地域の経済やコミュニティなどを活性化させること。村おこしやまちづくりなど。(はてなキーワード「地域活性化」より)

うーん...なんだかよくわからない。

検索しても「地域活性化とはこういうこと!」
という明確な定義ってなかなか載ってない。

なので、とりあえず、世間で注目されている地域を見てみよう!
というのがこの記事です。

自分の学習の振り返りができるようにまとめているのですが、
せっかくなので記事化しました。


第1弾は島根県隠岐郡海士町!離島です!


記事の最後には、海士町に関する記事リンクをまとめました。
そちらもご覧ください!


先に結論を述べておくと、


・行政の身を切る改革によって、
 財源を確保するとともに住民に覚悟を見せたこと

・客観的に"町の強み"を見つめ直し、その強みを生かす
 ブランド化戦略によって、外貨を獲得できる仕組みを作ったこと

・闇雲に移住者を募るのではなく、交流の機会を創出し、
 やるきのある若者が活躍できる環境を整えたこと


以上が、個人的には、海士町の成功の原因であると考えています。

以下詳細!

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海士町とは

海産物が豊富。

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湧き水も豊富で稲作も盛ん。半農半漁の島。

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ただ、

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ご覧のとおりの、離島。

もちろんコンビニはない。

本土からフェリーで片道3時間。


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かつて、承久の乱に敗れた後鳥羽上皇はこの島で生涯を終えたそう。

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(Wikipedia「後鳥羽天皇」より)


2003年の海士町の状況 
〜破綻寸前〜

長年にわたって海士町を支え続けてきた産業、それは

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「公共事業」


ただ、その負の遺産として地方債が増加

さらには、地方交付金の大幅な減額。


2003年には、町は財政再建団体への転落を目前にしていた。
”財政再建団体”とは赤字額が膨れ上がった、破綻状態にある自治体のこと。

夕張市が陥った”あれ”である。


要するに、海士町は破綻寸前だった。記事によるとその借金は105億。

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テトリスで例えるとこんな状況であろう。

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早急な対策が求められる。


近隣自治体との合併が浮上した。


そこで2002年から町長を務める山内道雄氏は、
住民による徹底的な話し合いを実施した。
島の14の地区で住民集会を開催し、合併するかどうかを話し合ったという。


結果は海士町単独での存続。

ただ、町は100億円もの借金を抱えている。
状況は、絶望的だ。


そこで、町長がまず取り組んだのは

自らの給与カット。


その決意は他の行政職員にも伝わった。

管理職、一般職員、町議、教育委員も16%から30%、
それぞれカットし、2億円の人件費削減に成功した。

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身を削って削り出した予算を使って町が取り組んだのは


ブランド化 による ”外貨獲得” 


外貨獲得とはつまり、島の外からのお金の獲得である。

町は、5億円をかけて「CASシステム」という、
鮮度を保ったまま海産物を出荷できるを最新技術を導入した。

「5億」である。
導入にあたっては、批判も多かったそう。

しかし、イカ、岩牡蠣等のブランド化に成功し、
2012年度には売上高2億円、595万円の黒字決算となり、
4期連続で黒字が続いている。

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(※画像は海士町の岩牡蠣ではありません)


他にも「島じゃ常識」というキャッチコピーが印象的な
カレーにサザエを入れる、島の習慣を元に開発した”さざえカレー

肉質は松阪牛並みの評価を受けた”隠岐牛”もある。
隠岐特有の”急峻な崖地での放牧”が、足腰の強くおいしい肉質牛を育てる。

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そしてもう一つ、
海士町が地域活性のモデルと呼ばれているのには理由がある

それは、


Iターンでの移住者が非常に多いこと

である。


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僕は初め、海士町を”異常にIターンが多い島”として知った。

町の人口が約2400人。
なんと、その人口の10%以上をIターン者が占めている。
しかも、20代から40代にかけての若い世代が多いそう。


どうしてこんなにも、Iターンが多いのか。


その理由として最初に紹介するのが


高校魅力化プロジェクト


海士町には、島前高校という地域の唯一の高校がある。

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(Wikipedia「隠岐島前高校」より)

しかし、入学者数は、平成2008年度には平成1998年の半分以下に激減し、統廃合の危機に直面していた。

高校の消滅が、UIターンの減少や、流出者の増加につながることは確実。


こうした状況を受け、
「島前高校魅力化プロジェクト」が2008年から始まった。

難関大学を目指す「特別進学コース」や
地域のリーダーを育てる「地域創造コース」などを新設、
島外からの“留学生”に旅費や食費を補助する制度を作り、「島留学」を銘打った。

この取り組みは評判を呼び、入学希望者数はV字回復。
2012年度からは異例の学級増。

島留学には県外からの入学希望者が殺到し、今では倍率2倍以上。


Iターン希望する若者にとって、子育ての環境が整っていることは
大きなポイントだろう。

それだけでなく、魅力を紹介することで
直接、高校生まで引き込んでしまった。


もう一つの取り組みが

商品開発研修生制度

研修生は島内で約4ヶ月間、給与をもらいながら、水産資源の加工や販売などの業務を経験する。その中で、島外出身者の視点を生かしながら、ヒット商品の開発を目指す。


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すでに、研修生の発案により、商品化に至ったケースもあるそう。

ただ、この制度は定住を求める制度、ではないそう。
まずは、海士町で生活する機会を提供される
しかし、そこから先は自由、だという。

移住を検討する人には、まずこの制度に参加してもらい、定住は求めない。

しかし、じっくりと海士町の魅力を伝え、海士町のファンになってもらい、最終的に定住してもらう。

移住者の
「人生を左右する決断なので、じっくりと考えたい」

という目線に、しっかりと立てていると感じる。


このような取り組みの効果もあってか、
一流大学の卒業者や、海士町には、
一流企業でキャリアを持つ20代から40代の現役世代が
続々とIターンしている。

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また、海士町を語る上で欠かせないのが

”巡りの環” 

である。

巡りの環とは、
京都大学・大学院卒でトヨタ自動車でエンジニアをしていた阿部裕志さん、
同志社大卒で東京のITベンチャーに勤めていた信岡良亮さんらが
立ち上げた

島根県隠岐國・海士町を舞台に
「これからの新しい生き方」を学ぶ学校づくり

を目的に

海士町がこれからの社会のモデルとなるための「地域づくり事業」
社会のモデルとしての海士町から学ぶための「教育事業」
海士町で学んだことを社会全体に伝えるための「メディア事業」

に取り組んでいる海士町にある株式会社。(巡りの環HPより引用)

具体的には

“地域課題を解決するために地域内外の関係者と協力関係を築き、一緒に未来へ向かう橋渡しをおこなう人材”=「地域コーディネーター」を養成するプログラム

(田舎パイプ 田舎仕掛け人 株式会社 巡の環代表取締役 阿部 裕志 より引用)

を実施し、企業や大学などから数百人の参加者を集めている。
このほかにも島外・島内で精力的に様々な事業に取り組んでいるそう。

今後、注目していきたい。

巡りの環のホームページはこちら



まとめ

海士町は

・行政の身を切る改革によって、
 財源を確保するとともに住民に覚悟を見せたこと

・客観的に"町の強み"を見つめ直し、その強みを生かす
 ブランド化戦略によって、外貨を獲得できる仕組みを作ったこと

・闇雲に移住者を募るのではなく、
 交流の機会を創出し、やるきのある若者が活躍できる環境を整えたこと

により、絶望的な状況を乗り越え、
現在では、地域活性化のモデルとまで呼ばれるようになった。

と僕は考えます。

詳しく知りたい方は、
下に参考にした記事をまとめましたので、ご覧ください。



栄村にお世話になっている「むらいくプロジェクト」
ではこんな記事を書きました!
よかったらこちらもぜひ〜
「絶望のヌーディストリバー 〜切明温泉〜」
https://note.mu/muraiku_project/n/n12abb4979fc2


〜2021/9/19 追記〜

===
2019年卒として株式会社リクルートに就職しました。
中古車販売メディア『カーセンサー』の広告営業を2年3ヶ月担当した後、
「20代の間に思い切った挑戦をしたい」という思いで、2021年6月末に退職。
現在は「25歳からはじめる余生」をテーマに個人事業主として活動しています。

この度、退職後の日々の記録を行うブログを開設しました!

矢野ブログ ~25歳からはじめる余生~
https://yanoyusuke.com

新卒入社から2年3ヶ月で退職して”思うまま”に生きたらどうなるのか。

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参考文献まとめ(すべて2016.8.28閲覧)

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「Iターン」と地域活性化——海士町の挑戦
・海士町について、一通り理解できる

【最強の離島】まちづくりの代表格「海士町」が歩んだ30年の歴史
・トーク形式でとても読みやすい記事

島根県海士町に人が集まる秘密とは? 「役場は住民総合サービス会社」という山内道雄町長の改革
・要点がまとまっていて、記事作成にあたって最も参考にしました
・島のスローガン「ないものはない」についての内容が深イイ

日本最先端の「離島」に進化!海士町の秘密
・一つ一つのプロジェクトについて詳しく載っている、時間のある方はぜひ

【島根県海士町】移住希望の若者よ「プレイヤーを目指せ。もうプランは十分だ」
・Iターンで海士町の観光協会の職員になった方が思いを語る

離島で起業し、自分たちの未来をつくる!「巡の環」代表・阿部裕志さんが海士町で見つけた、ブレない未来のつくり方
・巡りの環の代表である阿部さんの価値観に触れられる記事
・巡りの環の根本の思いに触れられる

海士町 信岡良亮さん(株式会社巡の環) インタビュー
・巡りの環代表の信岡さんが巡りの環を立ち上げた経緯と、巡りの環の取り組みに触れられる

「ないものはない」~海士町に学ぶ地域再生の取り組み
・シンプルで読みやすい
・海士町の定住戦略と巡りの環に関する内容が充実している

田舎パイプ こんな離島・海士町に人が集まる理由は?
・巡りの環の方の記事
・海士町のIターンに対する姿勢についての内容が充実している

危機感の共有が生んだ攻めの一手――海士町・島前高校魅力化プロジェクトが見据えるまちづくり(前編)
・「高校魅力化プロジェクト」についてかなり詳しく載っている記事
・後編もあります

田舎パイプ 田舎仕掛け人 株式会社 巡の環代表取締役 阿部 裕志
・巡りの環の代表阿部さんが巡りの環の具体的なプロジェクト内容について説明している

都市と農村のいい関係をつくりたい 信岡 良亮 | 東洋経済オンライン 
・巡りの環代表の信岡さんが、移住に至った経緯についての内容が充実している


Wikipedia「島根県立隠岐島前高等学校」

島根県観光写真ギャラリー
・画像でお世話になりました



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