プロジェクト・ヘイル・メアリー
ここはどこ、わたしはだれ?
「めぞん一刻」で、五代君の教育実習先の先生が、机を出席簿でバンバンたたいて吐いた台詞(どうでもいいw)
の状態から、物語は始まるのだが、
なんと、本の表紙に宇宙船が描かれているではないか!
しかも帯封には「大宇宙にたったひとり」のキャッチコピー!
これで前半数十ページが損した気分になる。
そう、これは「ファーストコンタクト」の小説なのだ。
宇宙空間で出会う宇宙人というと、文明が地球人より進んでいるのが普通だが、本書に登場する宇宙人は、地球人と比較して進んでいる部分と遅れている部分が混じり合っている。
本書では、なぜそのような文明の差違が生じたかまで、科学的に説明する。
これだけでも、壮大な構想なのだが、本書はこれに、主人公がどうして今、地球からはるか離れた宇宙空間にひとりでいるのか、その謎解きが加わる。
主人公は記憶がまったくない状態から、徐々に記憶が蘇ってくるのだ。
宇宙空間でのファーストコンタクトの描写と同時に、主人公の記憶が蘇る過程で、地球上での主人公の立ち位置が徐々に明らかになってくる。
そのバランスがまた絶妙なのだ。
主人公とファーストコンタクトした「ロッキー」の前に次々と立ちはだかる全ての問題を同時解決するのは不可能と思われる中、物語はあっと驚く結末を迎える。
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