見出し画像

いい歳からの草野球の面白味

週末、古い友達に誘われて十数年ぶりに草野球に顔を出した。

息子とキャッチボールをすることはあっても使うボールはいつもドッチボールサイズだし、体を動かすことも多少はあっても、どことなく手加減をすることばかりで全力で動く機会がなかった。

それなりにでかくなった息子を抱っこして山を下ったことがきっかけで痛めた膝は数年前に水を溜め、コロナ初期の運動不足も影響して、しばらくまともに走れなかった時期があったり、この10年の間に進んだ老眼も、別に普段の生活や軽い運動には困らないが、10年も野球をやってないと、打球や送球がちゃんと捕れんのかとちょっと不安だったりした。

そんなわけで、打てる守れる以前に走る見るという、より根本的なところに不安を抱えながら、日曜に早起きして家から大分遠い野球場に赴いたわけだか、結果として、自分が想定していたこととは違う側面で大分楽しめてしまった。

今回、誘ってくれた当人を除き、チームを構成する人について何も聞かずに参加した。同級生にも声をかけているとは何となく聞いてはいたけど、具体的に誰が来るのかは聞かず、その場の空気に身を任せて楽しむつもりでいた。

何せ、基本的な身体操作に不安があったので、ある程度まともに野球ができるなら他に望むものもなかったので、、、いや、そこが不安だったから他のことは気にならなかったとも言える。

現地で友達と合流し、少しずつ人が集まってきてから気づいたことだか、まず自分より年下がいない(いたらすみません)。年上ばかり。それも、結構上の世代の人たちな感じがする(違ったらほんとすみません)。

少年野球の教え子たちがいるからと聞いていた気もしたが、後から聞いた話では、どうもそれは別のチームのことだったようだ。

それを感じたあたりから、なにやら脳内で時間がさかのぼったような気分になった。まだ自分が後輩の側だったころ。大学一年生、二年生、社会人成り立ての20代のころに野球やその他スポーツの部活動に参加していたころだろうか。後輩っつーか、下っ端だったころとでも言うか。

もちろん当時とは違う。草野球チームは野球を軸にしたコミュニティみたいなもので、学生時代の部活動や会社組織のような強固な上下関係もなければ、自分は初参加なので関係性も低い。

ただ、おそらくみんな野球部に所属していたことのある人たちなのだろう。それも、自分より前の世代の。そこから大人になり、社会人として、人として生き、野球を楽しむために集まっている。そこがなんとなく良い空気を作り出していて、そうだな、当時の体育会系部活動の良い部分だけ抜き出したような世界を作っている。後から振り返るとそんな気がした。

喜ばしいことに、思ったよりは体は動いた。それなりの筋肉痛が待ってはいたけど。

そのおかげか、場の空気がそうさせたのか、身に染みついたものなのか、自然といろいろ体が動く。プレーは久々すぎるのでそれなりだが、ファウルボールを拾いに行ったり、バットを下げたり、試合終了後にトンボをかけたり、そうした細々としたすべてに。

そんな自分がちょっと面白い。こんなことの全てが、案外好きだったのかもしれないな。

草野球に限らず、歳を重ねてから楽しむスポーツには少なからずそんなところがあるのかもしれない。野球なら野球、サッカーならサッカーでも、そのスポーツに関わる何かに関わるだけでもけっこ楽しい。

楽しさを感じるポイントはそれぞれ異なるけど、そのスポーツをやりたいってとこだけはみんな同じだから人が集まる。なかなか面白い。

まあ、ほんのカケラしか体験していないので、この先どうなるかはわからないが、この年代から始める草野球も案外面白いのかもしれない。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?