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むかしと大して変わらないこと

こないだCOFFEE TO BOOKSで購入した古書、獅子文六著の「愚者の楽園」の読んでいる。この本は昭和40年くらいに読売新聞の夕刊で連載されていたコラムをまとめたもの。

著者の還暦祝いの話があったので、当時の著者は60代で、東京オリンピック前に次々建築されていく大型ホテルの話とかもあるので、東京オリンピック前後に連載されていたのだともわかる。

そうした時代に当時の60代の人が読売新聞に連載していたものを読んでいるだけでも興味深いのだが、個人が生活や世情に感じることは、時代を経てもそう大差ないな。

紡がれる言葉や話題からは著者なり当時の人っぽい教養を感じるが、各コラムに書かれている主題は、NHKの受信料や当時の若者などへ苦言じみたものが多い。著者のキャラクターによるところもあるのだろうが、まあなんと言うか、わかりやすい苦言で、今でも同じようなことをそのまま言う人がたくさんいるのだろうと感じる話が多かった。まだ読みかけだけど。

個々がその時代に生み出すものは変わっていくが、いろいろな事象の捉え方や感じ方はそう簡単には変化しないのかもしれないな。

しかし、新聞の購買層が高齢化しているって話は大分前から言われているが、この本を読んでいると購買層はともかく、新聞紙面の作り方は元々年長者向けのものだったじゃないかと思ってしまう。

まあ子どもの頃の新聞って、書いてあることが理解できない奴なんて知るか、読めるようになることが大人になることのハードルの1つだ。。みたいな空気を発していた気がする。

古い本を読むのも案外面白い。

#日記 #古書


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