見出し画像

肥後守を買いました

 肥後守ひごのかみと言う昔ながらの折りたたみナイフがあります。肥後守は安価で簡素な作りのナイフで、鉛筆を削ったりするために昔の子供達はみんな普通に持っていました。鉛筆削り機の普及や刃物追放運動などの影響で需要が無くなり、現在では永尾かね駒製作所と言う所だけが作り続けています。

 そんな肥後守ですが、現在では一周回ってコレクターズアイテムとなり、海外の愛好家にも好評との事です。世の中何が起こるか分かりません。

 私はキャンプ用品を物色していて、たまたまこれを発見し衝動買いしました。届いた物がこちらです。


 黒鞘の大サイズ(100ミリ)ですが普通の肥後守とちょっと違います。


 刃型が日本刀のような剣型になっています。このタイプは知らなかったので興味本位で買ってみました。

 肥後守は無印良品などでも売られていて、大体千円前後から買えるのですが、こちらは炭素鋼を軟鉄に挟み込んだ白紙割込しろがみわりこみと言う製法で作られているのと、刃型が特殊な為、ちょっと高めの価格になっています。

 日本刀型の刃型はここ10年ぐらいの世界的なトレンドで、海外では「タントーポイント」と呼ばれる短刀の切っ先形状を取り入れたナイフが多く出回っています。この肥後守も恐らく海外市場を視野に入れた製品なのでしょう。タントーポイントは切っ先に力が集中する為、刺突の際に効果的なんだそうですが、海外じゃそんな頻繁にナイフを突き刺す状況があるんですかね。

 しかし、もともと安価な実用品なので作りはそれなりです。日本刀のような刃型ですが真似ただけなので切っ先の作りなどが日本刀の作法で作られていません。何よりグラインダー研ぎなので鎬地しのぎじやいばが凹型にえぐれてしまっています。また、黒塗りの鞘は地金の真鍮に大きな傷があり、修正せずに塗装しているので傷が透けて見えています。 まあ、想定内なので研ぎ直してどこまで修正出来るか楽しみです。

 今回買ったのはコレクション用では無くキャンプでの実用品なので納得行く形で使えるよう色々手を入れていこうと思います。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?