【奈良】聖林寺-大神神社神宮寺の国宝-
いつ来ても参拝客が少ないが、ここには明治時代に岡倉天心・フェノロサが感動した「十一面観音@国宝」が安置されている。元々は大神神社の神宮寺「大三輪寺(現・大直禰子神社(おおたたねこじんじゃ))」の本尊と言われ、明治の廃仏稀釈で野に捨てられたという説もあるのだが、真実はいかに・・・
変更履歴
2023/07/23 ↑動画追加
2022/07/11 写真追加
2021/08/10 初版
▼HP
▼アクセス
奈良県桜井市下692
この寺の道はすごい狭いので注意。一応、バスも停めてあったので、大丈夫かと思いますが。。
▼本尊と脇時
「▼見どころ」で記載
▼見どころ
▽本堂
本尊の地蔵菩薩は日本で有数のキュートな仏像であり、左側にはなかなかの美仏感を持つ「阿弥陀如来坐像」が安置され、右側には「弁財天」と「如来荒神如来坐像」が安置されている。
▽観音堂
2022年に収蔵庫改修完了!と言いたかったが、観音堂だったんだ・・。
→十一面観音立像@国宝
法隆寺の夢殿の絶対秘仏「救世観音」を白日のもとにさらしたフェロノサが訪れて、開扉させたところ仰天したそうで、「天平仏の最高傑作!!」として賞賛し、世に知れた。
この十一面観音は日本仏師が作る観音(女性を感じる観音)というより、ゴリゴリの男性感を出す。
あちこちの仏像写真集に載っているため容姿の説明は省くが、滋賀の百済寺に安置されている秘仏の本尊を思い出すにはよい仏像かもしれない。
なお、仏像鑑賞のとして仏像と目が合う位置から見仏するのが好きなのだが、この十一面観音は遠目からになるので、収蔵庫の扉を開けて外から見る位置がよい。収蔵庫の中では近くて目が合わない。
※耐震工事前の記載になります。
さて、ここから専門家のコメントです。
フェロノサ以外として、和辻哲郎は「偉大な作だと思う。肩のあたりは気になるが、全体の印象を気付けていない」「東大寺・三月堂のような建物に安置したら、(略)一層輝くであろう」と。
一方、評価している人が明治の人が多いことから、時代背景から評価が高いだけで、あの肩はちょっと・・という人もいるようだ。その人は「天平随一の仏像は、東大寺法華堂の不空羂索観音立像@国宝」を推す人が多い。
個人的にはどちらも素晴らしい!よくぞ生き残ったと思う。もし野に出て、潰れていたら、後述する展示会・仏像展は出来なかったわけで。。。
※実際には大御輪寺と聖林寺の間で正式に覚書が交わされていた。
来る廃仏毀釈の波を予想してか「『御一新(明治維新)につき
当分の間かくまう』と約束しています」と文書が残っており、
1868年の日付があるそうだ。。
個人的には、東大寺のほうがお金があると思うので、よい仏師に依頼できるから、差し引くとどちらも素晴らしい!天平時代のものが目の前にあるのだから。
最後に、仏像は大神神社からだが、この寺自体は、談山神社つながりなので、寺自体は藤原氏繋がりである。そして、本堂の大神神社方面には座布団が敷かれており、故郷を見られるようになっているのはこの寺の由緒がわかかる人は楽しめるかな。
あと、BSのテレビ番組だと記憶しているが、フェロノサは火事の時に仏像をそのまま外に出せる「可動式の厨子」をプレゼントしたはず(参考:公式HP、日経)。
▼旅行記
▼セットで行くところ
長谷寺、安倍文殊院は外せないかな。前述の旅行記参照。
▼仏像展
▽2021年-2022年:東京&奈良国立博物館「国宝 聖林寺十一面観音」
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