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No.6:京都のことを知りたい人。観光地以外のあれこれ。ガイドに載らない地元民の生活文化。おもばな満載!

まず、No.1と目次を見てください。

・京都の冷麺

通常は「冷やし中華」いうたら、器は皿で、麺が入って具がその上に乗ってて、ちょっと濃いめの酢醤油かごまだれが定番やと思うけど、京都の冷麺(冷やし中華とは言わん)は、器はガラスのどんぶりで、冷やしたつゆに、氷がぎょうさん入ってて、キンキンに冷えたつゆに、麺を入れて具材を乗せる。本来の「冷やし中華そば、またはラーメン」や。

(この冷麺は幻になった。甘酸っぱくうまかった)

当時、四条河原町上(あ)がったところに「春陽堂」ちゅうお店があった。「冷麺いうたらそこ」、ていうぐらい有名店や。

そこのは、程よい酸っぱさで、上にのせる具も、野菜系とか肉系、つゆも、ノーマルからごま、フルーツドレッシングやマヨネーズ合えなど、記憶では、15種類ぐらいメニューがあったなあ。超うまかったし、安かった!

なんでか、今はその店はなくなった。(悲しい)後にも先にも、あ~いう冷麺は見いひんし、家で作るしかない。

なんで、こんな冷麺かちゅうと、京都の夏はとにかく蒸し暑い。

麺と具を食べるだけと違ごて、つゆまでごっつ冷やして、氷が程よう解けたとこで、ごくごく飲む、そうやって涼をとるようになったんやと思う。俺だけと違ごて、みんなやってたよ。いや、ほんま。

また、京都は在日朝鮮人が多い土地でもあるので、韓国の冷麺というと、おつゆたっぷりの、この冷麺とよ~似てる。

たぶんそんなことも影響して、こんな冷麺になったかもしれん。

・白みそ雑煮


(少々甘いけど、他では食べられへんよ。和風ポタージュって感じ)

これは、ようガイドブック他でも、知られているけど、京都では、正月3が日の間は、トロッとした白みそ仕立てに、「丸餅」と海老芋または里芋、大根、ホウレン草なんかの青菜、を入れて、その上に、ぎょうさんのカツオ節をかけていただくというもんや。

実家では「石野の白みそ」いうて、ちょっと高級やけど、ポタージュのように滑らかな、実にうまい味噌を使こた。最近は、関東でも売られるようになったけど、ちょっと前までは手に入れるの大変やった。そこらでよう売ってる「西京みそ」もあるけど、あれではあかんね。生粋の京都人とかお店では断然石野や。年配の京都人なら、知ったはると思う。 

(「石野の白みそ」関東で見つけるのはひと苦労。最近はネットでも買えるんで、助かる。けど、送料が高い)

最近、近所のスーパーで取り置きしてもろた(笑い)

・大福茶

これも、文化の一つで、元日の第1アクションは「玄米茶に、小梅と結び昆布を入れていただく、元日しか飲まへん「大福茶=おおぶくちゃ」があった。最近の人は、しらんかも・・・うちには、上品な地域で育った、生粋の京都人のおばあちゃんがいたから、レクチャーされた。

(大福茶=おおぶくちゃ。上品やろ~)


・京うどんはここが違う

知っての通り、一番の違いは、つゆやな。関東で食べるうどんやそばつゆは、かつお出汁以外にサバ節やイワシを使った出汁に、濃い口しょうゆを合わせて作る、濃いしょうゆ味で、京都は、かつお出汁とこんぶがほぼメインで、それに白しょうゆとか薄口しょうゆを加えたつゆを使う。

そやけど、みんなが思てるほど、味は薄うはない。

色が薄いから、薄く感じるとは思うけど、塩味と出汁のコクで、意外とショッパイ。お店によっては薄いとこもあるけど・・・

まず、かけうどんのことは、京都では「すうどん」ていう。まさに、「素」のうどんで具うは何も入ってへん。まあ、ねぎだけは付くけどな。

昔、東京で初めて「たぬきうどん」を注文したら、かけうどんに、天かす(揚げ玉)が入ったうどんが出てきてびっくりしたことがある。

ほんで、黒い! 店員に、「あの~たぬきたのんだんやけど」といったら、「それ、たぬきですけど、あっ、お客さん、関西でしょう?あっちでは、違うんですよね・・・」って返ってきた。

そう、全く違う。京都では、「あんかけうどんに油揚げ(お揚げ)入っているのをたぬき」っていう。

(これは京都のたぬきうどん。うまそう!七味の代わりに真ん中にショウガが乗る。下はきつねうどん。甘く味付けた「揚げ」が、だしが効いた薄口によく合う)

これに、かまぼことか、シイタケなんか入れたんを「しっぽく」とか「のっぺい」などという。  ほかにもあるので、興味がある人はネットでチェックしてみて。

(これはきつねうどん、甘いお揚げがうまい)

余談:これは、京都だけで、ほかの関西圏は「きつねそば」のことを「たぬき」というらしい。 ややこしな~

●ひと味加える調味料のなぞ

これもよう誤解されるけど、京都では、「しょうゆ、塩、七味唐辛子、ソース」なんかの、調味料が常時食卓に置いたある。

ほんで、出された料理をとりあえずそのまま食べて、少し経つと、それらの調味料で、好みの味にする。しばらくすると、また、アレンジして食べる。といった具合に、いろんな味を楽しむ習慣がある。

一杯目のカレーはそのまま、2杯目にはウスターソース(オリバー、イカリ、ツバメなど。ブルドックはなし)をかけて食べる。うまい!   といった具合や。

そやけど「なんで、味も調整してあるのに、勝手に味を変えるの?」と怒られる。ここが誤解!

「そうとちゃうねん!」「まずいからとか、好みに合わない」から足したり、かけたりするわけちゃう!いろんな味を楽しみたいだけやねん。

作った人には、失礼に映るんやろな~。俺も調理人の端くれやし、そんなことぐらい、鼻から承知の助や! そやけど、どうもおもろないらしいので「もうちょっと、塩味にすると、どうかな~」などとできるだけ傷つけんように、見えんように追加する。(気い使うわ、あ~あ、しんど)  

(味をアレンジして楽しむねんけど、理解してない人は初めは怒るから、気付けてな)

京都だけと違ごて、関西全般にそういう傾向があるように聞いた。

そやし、調理の段階で「どうせ、なんか、かけるんやろ」と、最初から味を薄めに作る傾向もあるようや。 ちなみに調理で使うしょうゆは「薄口」で、食卓は「濃い口」。出てくる料理の味が薄いのは、それも、影響してるかもな?

●京都の水と井戸水

だいたいの地域の生活用水、飲料水は、琵琶湖から疎水と呼ぶ、水路を通ってやってくる水を使い飲んでる。

「京都いうたら湯豆腐」というぐらい有名やけど、ほんまはそのお豆腐のだいたいが、市内の地下にある、琵琶湖の水量にも匹敵するといわれる地下水(井戸水)を使てんねんで。知らんかったやろ?


(京都人でも、ただの井戸と思っており、以外と知られていない)

遠いとこは、鈴鹿山系や周辺の山から流入するすごくミネラル豊富なうまい地下水で、そのみずで作るから、お豆腐(京都=おとふ)がうまいんや。お豆腐以外にも、お茶とか伏見の酒、ゆばなんかにも使てる。

その水は、遠い昔から京都の生活を支えて、今でも、古うからある家には、当たり前のように井戸があって、そこからなんぼでもその水が出てくるし、お豆腐だけと違ごて、京都の料理は、ほぼこの水を使てるいうてええ。そやし、うまい! 

そやけど京都人は、公には自分とこに井戸があることはあんまり口にせいへんね。それほど、この水を大切にしてる。

初めて知った人もいるんちゃう?  

(京都の井戸は、あの世の入口ともいうて、怖い場所や。まわりにお地蔵さんとか、お供えしているところもたくさんある。危ないから、子供を遠ざけるため?という説も・・・)

  

(ここは「六道珍皇寺の井戸:ちょっと、おもろい名前やなあ~「あほかバチあたるで!」)

●意外と知られてへん文化

・おけら参り(一文無しと違うよ~) 

(祇園のおけら参り。東寺まで持って帰るの大変やった。ふざけて服によう穴開けて、おかんに怒られた)


知らん人は、「なにそれ?」やろね。

大みそかの日、祇園さんでは、神火を燃やしていて、1㎝ぐらいに編んだ縄(大昔はオケラという植物の根)の先っちょに「その火」をつけて、消えんように、それを回しながら、うち(家)まで持って帰って、その火でお雑煮を作る初釜に火をつけられたら、厄除けできるちゅう、ゲン担ぎの儀式や。

いまは、火が付いた縄を振り回すと危ないので、火を消して帰るらしいけど意味あらへんやんね~。しゃあないか・・・

・祇園祭の稚児とチマキの話

学説としてはいろいろあるみたいやけど、あくまで俺が聞いてた話しをすると・・・

そもそも、知ってのとおり祇園祭は日本3大祭りとして、京都の一大イベントとして有名やけど、もともとは決して華やかなお祭りと違ごて長く続く、「疫病を撲滅するため」の儀式なんや。

なんか今でも使えるかな~・・・「コロナに?」(かんにん、脱線しました)

鉾(ほこ)や山車(だし)がたくさん出るけど、長刀鉾という先頭を行く鉾には、「お稚児(ちご)さん」ていう、小さい子供を乗せている。

実は、大きな声では言いとないけど、この子は「悪霊(疫病)への「生贄=いけにえ」なんや。(今は、厄除けて言うてるけどな)  

(真ん中にいるのが稚児、ほんまにそんな残酷なことをしたんかな~)

ほんまは生贄(生きたお供え)や。残酷やな~かわいそうに

アフリカとかカルト宗教ではようあるようやけど、疫病は悪魔の仕業という宗教色強い悪い風習や。おババがお祓いしてるの見たことない?

今となれば、それではイメージが悪いさかい、だあれも語らんようになったけど、おばあちゃんから聞かされたことや。昔の人は知ってる。

ちなみに、祇園祭の巡行は、この「お稚児さんの縄切」でスタートする。
「ほな、これから行くで~」ちゅなもんやな~切ない

祇園祭では、「チマキ」が巻かれるけど、そのチマキをとることができたら、縁起がええとされてて、厄除けに祀っておく。

当時は、そのチマキの中に、コメ団子が入ってた時期がある。
京都銘菓にも、そういうチマキが売っている。

(粽=ちまき)

・俺の地元の伏見稲荷の氏子祭り

 

   

(氏子祭 りのおみこし。大きゅうて立派なおみこしが、五基も出る)


(お稲荷さんの御旅所)


(東寺の前)


(俺の家の近所、右上に新幹線)

伏見稲荷最大の祭典で、稲荷大神が氏子区域を巡幸する神事。 その始まりは平安時代の前期と言われてて歴史あるお祭りや。お大社を出て油の小路(堀川通)と東寺道との角に「御旅所」というとこを経由して、またお大社に戻るというもの。その間、地元民はおみこしを担いで巡業するんや。おれも、3回担いだ。

大きゅうて、重いし肩ぱんぱんに腫れ上がる。そやけど、メチャメチャええ気持ちになる。なつかしな~     

・地蔵盆

  

(子供らは夏休みの「地蔵盆」を楽しみにしてた。とにかくぎょうさんお菓子がある)


京都の子供にとって、この地蔵盆というのは一大イベントや。

夏休みの8月24日付近の土日にやることが多うて、お地蔵さんを祠(ほこら)から出して、きれいにして、子供を災難から守ってもらうための行事で、町内会が主体となって、比較的大きいお家や場所を借りて、お地蔵さんを祀って、各家から果物とかお菓子とか、子供が好むもんをお供えとして持ち寄って、その前で子供らが、ワイワイガヤガヤやりながら、一日楽しむちゅう行事や。

その時、各家からはお地蔵さんに自分の子供を守ってもらうためにも、各家で保管してる、自分とこの名前が入った、縦50センチ位の結構大きい「提灯」をその会場にぶら下げて飾る。 

夕方暗らなるまで、やって、その提灯に火がともると、より一層雰囲気がでて盛り上がる。

最後に、余ったお菓子とか、お供えをみんなに抽選で分け分け(重ね言葉)する。なかにはメロンとか高級菓子とか、ふだん食べられへんようなもんもあって、最後まで盛り上がる。

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