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「開発を通して重ねた学び」

こんにちは。Yanekaraイノベーションサポート部の下鍋です。メンバー紹介第9回目は、学生インターンとしてYanekaraに参画し、この春からYanekaraフルコミットメンバーになられる松田さんにお話を聴きました。

Yanekaraでインターンを始めたきっかけは?

 最初にYanekaraを知ったのは、東大の電気電子工学科のSlackでインターンの案内を見つけたことがきっかけでした。その後、所属している資源やエネルギーを学ぶサークルの知り合いが吉岡さんと知り合いということが分かり、そこからお話をする機会をいただきました。
 「電気自動車を電力系統につないで充放電する」という考え方は昔から研究の中でありましたが、それを0から実現しようとしていることに対して驚きを持ち、そこに関わることができる点に面白さを感じました。また、電力系統やパワーエレクトロニクスなど自分の興味と近い分野を扱っているため非常に楽しく働けそうだと思ったのもインターンを始めた理由の一つです。

業務内容について教えてください。

 YaneBoxの開発全般に関わっています。具体的には、YaneBoxの設計やそのために必要な回路やソフトウェアの設計製作を行っています。

これまでどのような想いでYaneBoxを開発してきたのか。

 「電気自動車の中にある巨大なバッテリーを自分たちで使えるようにする」という一心で開発に携わっていました。電気自動車のバッテリーは一般家庭が5日ほどにわたって使うエネルギー量をため込んでいますが、これからの社会でそれを使うことができないのはもったいないと考えました。そこで、巨大な蓄電池を自分たちで制御するために必要な「EVのふた」を作り、それを再生可能エネルギーの普及や気候変動などの問題解決に資するものにしたいと思いました。

YaneBoxのコンセプトとそのユニークさは?

 YaneBoxはV2Xアダプターと呼ぶこともできます。これは、既存のEVを接続するためのアダプターのことを指します。電気自動車は従来の蓄電池とは仕組みが異なり、電力系統に直接つなぐことができません。それをつなげるようにするためのアダプターの役割を担うのがYaneBoxの本質です。これにより、太陽光発電や蓄電池用のインバーターと電気自動車を相互につなげるようになるという点が最大のユニークさであると思います。

YaneBoxについて熱く語る松田さん

YaneBoxが社会に与える影響は?

 一般的なEVの充電は電力系統から電気を買って充電するというものです。これは誰かが作ってくれた電気に依存しているとも言えます。一方、YaneBoxを使用することで、自分が住んでいる家の屋根から電気を作りそれを自分で使うことができます。これは、他に依存しない画期的なものであり、「域内回生」というYanekaraが掲げるVisionにそぐうものであると感じます。また、そのような家や事業所が今後増えていけば良いと思います。

自分にとってのYaneBox

 元々趣味で電子工作をしていましたが、YaneBoxの開発はその領域とは全く異なり相当な責任が伴います。「企業の中でお客様に届けるものづくりをする」という考え方を、YaneBoxの開発を通して経験することが出来ました。また、学生のうちからこのような貴重な経験ができたことで、自分自身のエンジニアリングのスキルが向上したと感じます。

YaneBoxを開発する上で大変だったことは?

 最初はミスだらけなところからスタートし、徐々に学びを重ねていきました。印象に残っているのは、車種によって対応しないという問題が生じたことです。それに対して、色々な車を借りてみたり、車の充電のプロトコルを管理している協議会の方からアドバイスをいただいたりして、原因を特定して問題を解決しました。困難な状況を乗り越えることができたのは、作りたい社会像がメンバー内で共有されていたからだと思います。
 問題解決においては、説明書をしっかり読み、文章を読み込むこととは別に、再現する条件を見つけることが重要であると感じます。なんとなくで取り組むのではなく、どのような時にバグが生じるのかを整理し、情報を収集することが原因究明に繋がります。

社内イベントで太陽光パネルを施工した時の様子

YaneBoxにおける一番の難関

 最初は電力系統の需給バランスに貢献したいというところから始まりました。しかし、Yanekaraの選定したインバーターが系統連系規定の審査を受けていなかったため、日本の電力系統につなぐことができないという問題が生じました。そこで、CEOの松藤さんとCOOの吉岡さんと大学で電力のシステムや制度を専門に研究しているメンバーで需給調整ゼミと系統連系ゼミという勉強会を何度か行いました。このゼミを通して、系統連系規定などのルールがなぜ存在するのかを突き詰め、Yanekara単独でそのルールを突破することが難しいことを改めて理解しました。そこから考えを深めていき、我々が推し進めていきたいのは「再生可能エネルギーを使って人間が暮らしていくのを実現すること」であるのを再確認しました。そして、この目標において必ずしも電力系統につなぐ必要はなく、オフグリッドで良いのではないかという考えもでてきたりしました。
 このような発想の転換を可能にする要因として、創業者二人の作りたい社会像が確立されている上、メンバーに共有されていることが大きいと考えられます。それによって何も意識しなくても皆が同じ方向を向いていて、目の前の困難な状況を乗り越えることができていると思います。

松田さんが目指す”理想の社会”とは?

 よそから取ってくるものへの依存をなるべく減らしたいと考えています。エネルギー供給において、長い道のりのどこか一箇所でも途切れてしまうと成り立たなくなってしまいます。今の社会はそのような綱渡りが奇跡的に全部成功しているためなんとか成り立っていますが、このような社会がいつ不安定になってもおかしくないという可能性を考えていかなければならないと思います。サプライチェーンによって様々なものを得ることができるのは、一見豊かなようですが、思わぬところでリスクが繋がっており、怖いことでもあります。そのため、こうした依存関係を減らしていけると良いのかなという気がしています。また、その点で、YaneBoxの「屋根単位でエネルギーをなるだけ自給する」という考え方は役に立ってくると思います。
 しかし、あくまでYaneBoxはつなぎであり、人の移動においてEVが最適解だとは思っていません。ある域内で採れる資源を使って住み続ける社会を考えた時に、町のかたちや人の住み方から全部を作り替えなければならず、その世界において今のかたちのEVは存在しないのではないかと思います。そのような意味でYaneBoxはつなぎであり、我々は現段階でEV普及に合わせた設計をする中で得た知見をもとに、今後より理想の社会を形作るための道具を作っていくのだろうと思っています。

今後Yanekaraでどう働いていきたいですか?

 今まで以上に自分の仕事の責任が大きくなるため、自分が設計して世に出すものに責任感を持って作っていかなければならないと感じます。特にYaneBoxは電気自動車の蓄電池を扱っているので、下手な設計をすると火災の原因になるリスクがあり、開発中もそのような事故が起こる可能性があるため、そういったところは普段からの意識づけが大切であると思います。また、事前に危険な芽を見つけたり、お客様から見て危なくないかを今まで以上に考えたりと、我々のミッションを製品として届けていくという点を意識して働いていこうと考えています。
 また、Yanekaraの製品だけではなく、Yanekaraの思想(考え方やミッション)の素晴らしい部分を届けていきたいと思っています。

松藤CEO、吉岡COOに一言!

頼もしいエンジニアです☆

お気に入り:

 旅行好きの松田さん!47都道府県全てを訪問したことがあるそうです!!
今回はその中でも、2020年から毎年欠かさず訪れているという北東北のブナの紅葉の写真を頂きました。

心が浄化されそうです✨
すごく色鮮やかな紅葉!

【編集後記】
YaneBox開発の中心部分を担っている松田さん!今回のインタビューを通して、YaneBoxに対して熱い思いや理想の将来像を明確に持っていることを改めて知ることができ、今後の活躍がとても楽しみです!!✨

今回もお読みいただき、ありがとうございました。Yanekaraのnoteでは、事業内容やメンバー紹介、テックブログなど多様な情報を発信していきます。フォローしていただけると嬉しいです。今後ともよろしくお願いいたします!

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