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トレーニーの日常 【ストレッチ編】

トレーニングの前後でストレッチを行うという人は多い。私はそこまで重視してはいない。しかし、柔軟性が極端に低いと発揮パフォーマンスが落ちるのは明白なので、ある程度ストレッチを行うことは大事だと考える。また、どうせやるなら適当にやるのではなくよく考えて実施したいものだ。

ストレッチと聞くと、ゆーっくりと肩を伸ばしたり、ゆーっくりと前屈したりすることを連想しがちだが、これは静的ストレッチと呼ばれ、実はその対極に動的ストレッチと呼ばれるものが存在する。動的ストレッチでは、ゆっくりと筋肉を伸ばすのではなく、ある程度素早い動作の中で少しずつ筋肉を柔軟にしていく。詳しい動作のイメージは動画などで参照してもらえればいいが、ここではストレッチが2種類に大別されることを押さえておいてもらいたい。

さて、スポーツなどを行う前にストレッチを入念に実施することはよく推奨される。これを真に受けて、静的ストレッチを行なってしまう例が多々あるが、運動前の静的ストレッチは筋肉の力の出力が低下することが報告されている。つまり、パフォーマンスを高めようと行ったストレッチがかえってパフォーマンス低下の要因になりうるということである。
このことから、運動前は動的ストレッチが好ましい。過度な筋肉の引き伸ばしは避けたいが、これから行う運動の動作をイメージしながら、動きの中でストレッチを行う。静的ストレッチに比べて体を積極的に動かしながらストレッチを行うため、体を温めることにも繋がり、ひいては怪我の予防にもなる。

逆に、運動後は静的ストレッチがよいだろう。運動後は筋肉が緊張状態にあるため、ゆっくりと伸ばしてほぐしてあげるのだ。動的ストレッチだとその緊張緩和効果が薄く、運動後のストレッチとしては物足りない。筋肉をしっかり意識できるという意味でも、静的ストレッチの方が目的の部位のストレッチを行いやすいため、疲労している部位を重点的かつ効果的にほぐすことができる。

ストレッチで特に意識したいのが、筋肉が伸びているかどうかということ。誤った方法で伸ばすと筋肉が伸びないどころか腱を痛める原因にもなる。
しっかりと伸ばすためには、筋肉がどこにどのようについているのかを理解することが大事だ。例えば、上腕二頭筋の長頭と呼ばれる部位なら一方の先端が前腕の骨に付き、もう一方は肩甲骨の烏口突起と呼ばれる場所に付いている。この長頭を最大限に伸ばしたければ、前腕と肩甲骨が最も遠くなるようにすればよく、腕を肩くらいの高さに上げてそのまま背中方向に回すことで、それは達成される(上腕二頭筋は前腕の回外動作で収縮するため、その反対の回内動作を加えてあげれば、さらに伸びる)。
筋肉の付き方を理解しているかいないかで、ストレッチの効果も大きく変わってくるので、できれば解剖学にも触れてみるのがよいのではないだろうか。

ストレッチをいくら頑張っても筋肉は大きくならないが、かといって完全に捨ててしまうのはいかがなものかと私は思う。うまく取り入れて怪我の予防、そしてパフォーマンスの向上に繋げてもらいたいものだ。

次回は休養について書いていく。

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