トレーニーの日常 【重量設定編2】
バーベルを肩に担いで屈伸運動を行うバーベルスクワット。
マシンに座り頸部にパッドを当てて膝を曲げ伸ばしするレッグエクステンション。
この両者を同じような重量設定で行っていいだろうか。
否、そんなはずはない。
トレーニング種目は大きく2種類に分類できる。多関節種目と単関節種目だ。
文字通り、多関節種目では2つ以上の関節の動きを動員する。先ほどの例でいうとスクワットがそれに該当する。スクワットでは、膝関節の運動に加え、足関節と股関節も協調して動作する。
それに対し、単関節種目では1つの関節しか動かさない。レッグエクステンションでは、膝の関節のみの運動で完結する(アレンジによっては股関節も動員することで大腿四頭筋の大腿直筋にダイレクトに負荷を乗せる方法もあるが、ここではオーソドックスなやり方を取り上げている)。
敢えて言わなくてもわかるだろうが、もちろん多関節種目の方が大きな重量を扱うことができる。関節が動くということは筋肉が動くということに等しく、多数の関節を動員するということは多数の筋肉を動員することに等しいからだ。
よって、前述の例で言うと、レッグエクステンションよりバーベルスクワットの方がより高重量を扱うことが可能になる。
さて、前回の記事で重量と回数について考察した。
5回以下しか上がらない重量は高重量と述べたが、多関節種目であれば高重量を積極的に扱うことに異論はない。目的によってはパワーをつけたい時期というのは訪れるもので、そういう時期にスクワットやデッドリフト、ベンチプレスなどの重量を伸ばしていくことは、一つの方法論として考えられる。
だが、これを単関節種目でやろうとするのはおすすめしない。単関節種目では、持っている重量がそのままその関節への負荷になる。多関節種目のように複数の関節へ負荷が分散されない分、関節への負荷が大きい。よって、単関節種目をあまりに高重量でやろうとすると、故障のリスクが高まってしまう。単関節種目なら、中重量以下に設定して、ある程度の回数を行うことでボリュームを稼ぐべきだろう。
その種目が単関節か多関節かを見極めた上で重量を設定するのは、重量設定の基本だ。多関節種目なのにいつまでも同じ重量でやっているようでは、いつまで経っても筋肉は成長しないから、多関節種目は多少回数が少なくなっても積極的に重量を伸ばすことを目指す。逆に単関節種目はあまり重量を追い求めずやや軽めの重量で丁寧に、目的の筋肉に集中して刺激を与えることを目指す。
筋トレで重さを追い求めることは大事なことだが、種目の見極めを誤って何でもかんでも重いものを持つと、確実に怪我をするので、ぜひ意識してもらいたい。
次回はストレッチについて。
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