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トレーニーの日常 【食事編3】

筋トレといえばタンパク質だという認識が広まっており、それを鵜呑みにしてタンパク質だけを多量に摂取するケースは多い。タンパク質は単体で摂取しても吸収されづらく、糖質と一緒に摂取すると吸収率が上がるということを知っていれば糖質も一緒に摂ろうという頭になるのだが、現代ではありふれた情報の表層だけをすくって実践してしまう例が多く、それが成長を阻害しているという考えに至らないのは残念だ。それはさておき、今回は栄養バランスについて少し触れていきたい。

冒頭で述べたことに関連するが、栄養はバランスよく取って初めて意味をなす。よくカルシウムと一緒にビタミンDを摂るとよいなどと言われるが、これもそれ単体で摂取しても吸収率が悪く、栄養素同士が協調しながら働いているということのいい例だ。必ず栄養素同士の適性を調べてから食事をするというのは流石に酷であるため、ほどほどにでよいだろうが、それでもやはり、そういった知識があるのとないのでは、食事が筋肥大に与える影響も大きく違ってくる。筋発達のための食事という限りにおいては、食べ物をただ口に入れただけでは栄養補給としてカウントしてはいけない。それが消化吸収され体内で利用されてようやく、栄養が補給されたものといえる。つまり極端な話、食べ物を口に入れてそのまま便として排出されてしまっては栄養は体に一切取り込まれないわけだから、食べたという事実よりも吸収されたかどうかの方が圧倒的に重要になってくる。

さて、話を栄養バランスに戻すと、巷ではPFCバランスという考えがある。名前はそれぞれ、タンパク質、脂質、炭水化物を英語に置き換えたときの頭文字から構成されているが、この理論はその3大栄養素と呼ばれるものをどのようなバランスで摂取すればよいかということを明示する。とは言え、大した話ではなく、要は摂取カロリーに占めるそれぞれの栄養素の割合を歩合として算出したものである。

私は栄養の専門家ではないので、どの割合で栄養を摂りましょうなどということは決して言わない。それに、目的によって摂るべき割合は必ず異なる。例えば、脂肪をなるべくつけずに筋肉だけを増やしたい場合、脂質の割合を極力減らし、タンパク質が多くなるように配分する。炭水化物は脳のエネルギーにもなるため、そこまで制限はしない。逆に、多少脂肪は乗ってもいいのでとにかく大きくなりたいというのであれば、脂質を多めに取ればいい。脂質は1g当たり9kcalと、タンパク質や炭水化物の4kcalよりもカロリーが高いため、少ない量でも効率的にカロリーを稼ぐことができる。

ここで注意したいのは、どれかを極端に多くしたり少なくしたりしないことだ。先にも述べたが、栄養素はバランスのもとに高い吸収効率がある。また、過不足は深刻な病気や不調につながる可能性もある。タンパク質の摂りすぎは内臓に大きな負担をかけるし、脂質は皮膚細胞の構成要素であるから極端な抑制は肌荒れの原因にもなる。炭水化物の摂りすぎはインスリンの機能を鈍らせ、糖尿病のリスクを高める。何事も程度を見極めるのが大事だが、これは食事にもしっかりと当てはまる。

どうせなら健康的にトレーニングを行い、結果を出したいものだ。栄養バランスを無視した食生活を送っていると、食べたものが無駄になるどころか、健康を害することにもなる。栄養学を学べとは言わないまでも、少しくらいは自分が食べているものに関心を持ち、もしおかしな食事になっているというのであれば、バランスに配慮した食事に変えてみてはいかがだろうか。

次回は筋肉痛について書きたいと思う。

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