柳田真理

日本画家です。自己開示の練習の場として。 https://twitter.com/ya…

柳田真理

日本画家です。自己開示の練習の場として。 https://twitter.com/yanamari25

最近の記事

畏怖

私は自分の内側のことばかり考えている。 自信がなくコンプレックスの塊で自意識過剰。そういう自分をずっと嫌悪してきたし、少しでも何かを変えたいと思い続けて、彼女達を、とりわけ彼女達の強い眼を描く事に段々と辿り着いた。 彼女たちの真っ直ぐな目は私を見透かしてくる気がする。 それは私の妄想だが、どうしても人智を超えた何かがあるように感じ、畏怖の念を抱いてしまう。それはコンプレックス故だったのかもしれない。 意志の強い(強そうな)美しい目が私に突きつけられると、後ずさりたい、逃げた

    • 個展−君の眼にひれ伏す−によせて

      柳田真理個展 ー君の眼にひれ伏すー 私はずっとうわべを取り繕ってきた。人からどう思われるか、そのことに神経を使った。上手くできない自分は隠したかった。世間体やどう思われるかを優先し、情けないことに自分はどうしたいのかが分からなくなっていた。 彼女たちは意志の強い目でこちらを見てくる。それだけで私は冷や汗をかき、言葉に詰まる。神を畏怖するかのように、彼女たちの眼に畏怖の念を覚え、全て見透かされているのではないかという錯覚に襲われる。うわべを繕っても、本音を隠しても無駄なのだ

      • 個展のお知らせ

        ●柳田真理 個展 ー君の眼にひれ伏すー 2023.9.16(土)-23(土) ※月曜休 八犬堂ギャラリー 東京都中央区京橋2-6-8 狐松庵ビル2階 11:00-19:00 (最終日18時まで) 三回目となる個展を開催します。 ぜひご高覧下さい。

        • 考えては言葉にする

          Twitterでも書いたことがあるが、私は私のことがあまり好きではない。自己嫌悪に苛まれる日々は高校の頃から始まった。それから常に共にあるその感情に、もはや愛着すらある。 前々から思っていたが、自分のことは好きではないけれど、私には好きなものが沢山ある。推しもいるし、好きな絵や本もあるし、好きなものを摂取したり感じたりするためになら末長く生きたいとも思える。そのことは果たして、自分を愛することとも言えるのだろうか? 私の自己嫌悪がどこに向かっているのか。それは私の外側部分

          個展によせて

          ーゆるむー 私の性分として「ゆるむ」ことは苦手だ。 いつも焦っているし、情報も予定も詰め込みたくなってしまう。 しかし情報を詰め込もうとするあまり、様々な外的要因に心乱され ネガティブな感情に囚われることも度々あった。 現代では古代の人間が一生で得る情報量を一日で得てしまうと言う。 沢山の情報を得るべきだと言わんばかりに毎日情報が流れ込んできて、 自分で制限しないと容易く情報に飲み込まれてしまう。 私は目に入れる情報の量を減らすことにした。 そうして、今まで情報を詰め込み

          個展によせて

          私なんかにはこれくらいでいいと思ってた

          最近、特に気をつけて、自分が「好き」と思う気持ちや「心地いい」と思う気持ちを大事にしている。それは自分が幸せであることを許容することでもあるかもしれない。 私は自分で「私なんか…」と思う事が多かった。 それは私なんかにこの服が似合うわけないとか、私なんかにはこのくらいの地味なものが丁度いいとか、そういう具合に。とにかく自分に自信がなく、「私なんか」という言葉をつけて物を選んできたように思う。 そうする事で自分が何が好きなのか分からなくなっていたのだ。クローゼットにある沢山の

          私なんかにはこれくらいでいいと思ってた

          2021年の振り返り

          今年もあっという間に過ぎてしまいました。 簡単に1年を振り返ってみようと思います。 1月 ●アートのチカラ(伊勢丹新宿店) 2月 ●『美人画づくし参』刊行 美人画づくしの一冊目が出た時に、刊行記念展を見に行きました。あの頃はまだ絵を再開したばかりで、憧れの方々の絵に感激するばかりでした。それがまさか三冊目に載せて頂けるとは思ってもいませんでした。書店に並ぶ美人画づくし参を見るたびに今でも嬉しいです。 監修の池永さん、このような機会を頂き本当にありがとうございます。 ●K

          2021年の振り返り

          初個展を終えて

          私は昔から人目を気にし、人の意見に流されてばかりだった。しかし2年半ほど前、強く自分を変えなければならないと思う出来事が起きた。それは作家人生に大きく関わる出来事で、今までだったら流れに逆らうことができず「自分ではどうすることもできない」と諦めてしまっていたことだった。 その時に、他人に流され・流れに任せていくことをやめ、人に「NO」を伝えることで、小さいけれど大きな一歩を踏み出せたんじゃないかと思う。 そこから強い意志を持つ女性を描き始めた。 彼女達と私で、一体何が違う

          初個展を終えて

          初個展のお知らせ

          柳田真理 日本画展 ーもう少しだけ強くなれるー 2021.10.23sat-31sun 会期中無休 11:00-19:00 最終日17時まで 八犬堂ギャラリーにて 東京都世田谷区池尻2-4-5 IID 118号室 初個展のお知らせです。 今も制作中ですが、新作約15点を展示予定です。 皆様にご高覧頂けたら幸いです。 どうぞよろしくお願い致します。

          初個展のお知らせ

          やらなきゃ負ける

          絵を描くこと自体に勝ち負けはないと思う。 それでも、やらなければ負けしかないのだ。当たり前だけど。 私には今年小学生になった娘がいる。 もともと私は大学で日本画を学んでいたものの、卒業後作家として生きることをイメージできず、仕事が面白かったのもあり絵から離れてしまった。再び絵を再開するまで約9年もの間である。 娘が産まれてから、勿論娘は可愛いけれど、あまりにも娘中心の生活で自分を見失ったことが辛かった。自分が何が好きなのか?何をしたいのか?何を食べたいのかすら分からなく

          やらなきゃ負ける

          自分の為に選ぶ

          最近身にしみて分かってきた事がある。 私は本当に今まで人の目ばかり気にして生きてきた。それはつまり自分の意見よりも周り(や周りを勝手に想像したもの)を優先してきたということだ。 この歳になって気付くのも情けないが、気付かなかったから仕方ない。 弊害は数え切れない。 ・自分の頭で行動できない ・強い意志を持てないので周りに流される ・流されたことも人のせいだと思ってしまう ・自分にはどうすることもできないと思ってしまう ・どう見られるかで判断してしまう ・周りの人の声や行動

          自分の為に選ぶ

          むきだし

          突然ですが私はお笑いが好きです。 私の「好き」の種類は、広く網羅してるとかすごく詳しいとかそういうものではないけれど、生活にはなくてはならないレベルで好きです。 絵を描くことはすごく孤独で、その孤独に耐えうるほどの没頭ができない時もあります。集中力が高まってくると気にならなくなるけれど、また集中力が切れると不安と孤独感が押し寄せてくる。 そんな制作中の孤独感を薄めてくれたのが、芸人さんのラジオでした。何がきっかけだったかわからないけど、今まで作業中には音楽しか聞いてこな

          むきだし

          期待、失望、向上

          最近よく「自分への期待値が高すぎるから失望する」とか「寝る前に今日も100点だった!と思ってから寝る」とかそういう文章を目にする。それは本当にそうだと思うし、心を穏やかに過ごすには自分を毎日褒めることも必要かもしれない。 でも心穏やかにしてられないんです。絵描いてると。 期待や理想はもちろん高いし、だらか落ち込むのかもしれない。でも、自分に期待しなきゃ制作なんかしてられない。だから毎日失望ばかりしている。でも自分に期待して、失望して、そこからじゃないと向上していけないとも

          期待、失望、向上

          自己開示欲

          自分のことを人に話すのが苦手だ。だいたいみんなそうなのかもしれないけれど。 自分のことなんか誰も興味がないだろうと思うし、そもそも誰に対しても嫌われるのがこわい。できれば無難なことしか言いたくない。 私コミュ障なんです、と会話内で言える人は、自分がコミュ障だと開示できてすごいなと思う。その時点で、コミュ障ではないじゃないかと思う。 SNSでも好きなものを好きと言うだけのことを、投稿するかしないかずっと迷って迷ってやっぱり辞めたりして。でも自己開示の練習だと思って、勇気を振

          自己開示欲