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【旅エッセイ】プリングルスヤンキー(母)に深夜特急でやってた言葉が無くても意思疎通する方法をやってみた話

 タイ、マレーシアの国境越えミニバスで出会った、”プリングルスをいかつい音を鳴らしながら食べていたヤンキー(以下プリヤン)”の家に招かれ、マレーシアでの初日の夜を無事明かした。


※ 本記事は、以下の記事を読んでから読むと面白さが何倍にもなり、より楽しんでいただけます!
(上が時系列で最新のものとなります)


 目を覚まし、周りを見渡すと、見慣れない部屋の景色に少し驚いた。隣でぐっすりと寝ている旅友を見て、プリヤンの家に連れて来られたことを思い出した。
 部屋に窓がなく、今、何時なのか分からない…時計はどこだ…うお!すでに昼やん!とりあえず身体を起こして、部屋を出るか…

 「やなぎやーおはよー、ご飯食べるか?」

 部屋を出るとプリヤンが居た。プリヤンだけでなく、プリヤン(父)、プリヤン(母)、プリヤン(弟)が居た。

 「ありがとう、ご飯は食べる!」

 そうだそうだ、プリヤンの家族にちゃんと自己紹介しないと!

 「初めまして。やなぎやと申します。日本人です。今回は大変お世話になりありがとうございます。」

 つたない英語しか話せないけど、伝わってるのかな。
 弟くんは笑顔でなんかうなずいてるけど、お父さんとお母さんに伝わってるのかな…
 って、プリヤンが通訳してくれてる!とりあえず、3人とも笑顔満開で、とりあえず歓迎はしてくれているようだ。おーお父さんなんか言いながら右手を差し出してきたけど、これはきっと握手だ!おお、結構力強めに握ってくるやん。

 お母さんもなんか言ってるけど何言ってるか分からない…お、困った顔したら、ジェスチャーはじめたやん。これは”ご飯あっちで食べろ”だな。分かるぞ!

 食卓の席につくと、プリヤンも一緒に席に付いた。 
「弟は、英語そこそこ分かる。父は、英語ちょっとだけ分かる。母は、英語全く分からない。」
 あーなるほど。ほな、プリヤンの家族とコミュニケーションはどうやって取ったらいいんだろう。なんとか取りたい。

 食卓でご飯を食べながらプリヤンと話をしていた。

 プリヤン「旅友はまだ寝てるのか?体調はどんな感じだった?」
 やなぎや「あーまだ寝てるわ。やし、分からんけど、さっきおでこに手を 当てたけど、熱は下がったみたい。ありがとうね。」
 プリヤン「旅友、多分今日は一日ゆっくり休んだ方がいいだろう。そのまま寝かしとくのがいいだろうから、今日も泊っていけ。」
 やなぎや「え!?ええの?ありがとう!!」
 プリヤン「お前らが良かったら何日でもいて大丈夫」

 何回も思うのだが、プリヤンの事を疑いまくっていた事に心の中で、申し訳なさがこみ上げてくるのだが、分からないことがある。

 なぜ、プリヤンはたまたま席が隣だっただけの旅人の私たちにこんなに親切なんだ!?

 また今度聞いてみるか。


 ご飯を食べ終わると、お母さんが話かけてくる。もちろん何言っているのかは分からない…が、手の動き的には、明らかに「洗濯物はないか?」と聞いているのか?そして、手の動きが洗濯板で洗う動きなのだが、これは万国共通なのか?

 そんな事を思いながら、洗濯ものをお母さんに渡したが…あ!この服、めっちゃ色落ちして、他の服に色が付いてしまうやつやん!なんとかして伝えないとめっちゃ迷惑かける!英語でもうまく話せない言葉を、どうやって伝えたらいいんだ…

 あ!深夜特急でこんな場面あった!香港のシーン!
 英語が分からない香港人の女性と、漢字を書いてコミュニケーションを図っていた。この場面、何か旅の醍醐味的な感じでめっちゃ好きで、体験してみたかったやつやん。

 そして、プリヤン家族は、華僑やん!
 という事は、憧れの場面、私も出来るんじゃないか?
 漢字で会話できるんじゃないか?

 私は、机にあった紙とペンを手に取って、
 「服 色 落」 「洗 分」
 と書いて、身振り手振りで説明してみた。伝わるのか…

 お母さん、OK!OK!って言ってる。
 「これとこれは、分けて洗濯しろってことね!」
 みたいな事を身振りで言っている。

 できたーーーーー!!!!!


 ホンマに、中華系の人とは、漢字でコミュニケーション図れるんや!
 なんかちょっと感動。

 私は英語を満足に話せない。
 しかし、この旅ここまでで、言葉が通じなくてもコミュニケーションの取れる方法は少しずつ学んできたが、また1つ新しいコミュニケーションをとる方法を知ることが出来た。
 華僑はきっと世界中どこにでも居るから、困ったら漢字を書こっと。

 何か、漢字文化圏だけで伝わる秘密の暗号みたいな感じがして、ちょっとワクワクする。

 その日は、プリヤンの申し出に甘え、もう一泊プリヤン家にお世話になることにし、プリヤン(弟)に誘われて、なぜか「ビーチボーイズ(※1)」のDVDひたすら見て一日過ごすこととなった。

 (※1)ビーチボーイズとは、1997年に放映された反町隆史&竹野内豊のダブル主演で人気だった日本の月9ドラマ。


 そして、その日の夜…プリヤンとプリヤン(弟)が悪そうな顔をして、私に言ってくる。

 「今晩、ペナン島のジョージタウンに行って、ナンパしに行こうぜ!お前が居ると、日本人人気だから成功率上がりそうだし!」
 「旅友は、母が見ててくれるから大丈夫だ」

 そして、夜にプリヤンの運転する車に乗り込み、マレーシア、ペナンの若者の遊び場へと連れていかれることとなった…

(皆様のお察しの通り、続きます。)


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