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連載漫画の作り方5 人間関係2

アシスタントとする仕事、スタイル

次はアシスタントとの人間関係。COVID19流行以前から漫画界では集まらずにオンラインで仕事をするスタイルがはやり始めました。こうするといろいろ節約できるってのもありがたいからです。節約できるのは
1 仕事場の賃料
2 食事代、光熱費などの雑費
3 交通費

こんなところでしょうかね。ボクの場合は社会保険の代わりにアシスタント各人の小規模共済の積み立てをしました。これらがないと経費的には随分な節約になります。
数字には出ませんが
アシスタントが来ないと気楽
というのは大きいです。前にボクの週刊漫画のスケデュールをあげましたが、アシスタントが来ている時間は漫画を描く事より製作の進行管理が主な業務になってしまいます。描いてもらうための資料を探す、描いて欲しい絵を指定する、制作時間をチェックする、できあがったモノを点検しできが良ければ褒める、不十分ならダメだし。こういうのはやらないで済むなら随分気楽です。チーフを決めてその人に全部任せちゃう人もよく見かけます。

アシスタントとの人間関係

さて、ではアシスタントが集まる職場での人間関係についてお話しします。また人が集まるような場がふっかつするのかどうかわかりませんが。
そういう職場で気をつけるのは、またも!ハラスメントなんです。
漫画家はここではハラスメントされる側ではなく往々する側に回ってしまうのですが。
何故ハラスメントが起きる、と話す前にボクが見てきたいろいろな職場で共通していて面白かったことを描きます。だいたい週刊連載をしてる男性作家のアトリエの話です。中には世界的に高評価を受けている漫画家のアトリエもあります。
1 漫画家は「うちの職場ほど良い職場、楽な職場は滅多にない」と思っている
2 アシスタントは口々に「いま停電になったらオレはあの人(漫画家)を殺す」と言う
3 1,2は往々同じ職場での話

「なんだかめちゃめちゃだな…」と思われるかも知れません。もしこの欄を読んでいる方の中に週刊連載をやったことのある漫画家さんとかそのアシスタントがいらっしゃったら、どう思っておられたのかコメント欄にお寄せいただければ幸い。

何故こんなことになるのか解説

1はわりにわかりやすい。自分の苦労ってのは貴重なモノなのであんまり客体化・計量化はしません。「オレに比べりゃこの程度…」ってのは何にせよ起こりがちなものです。
2はこれはいろいろな理由で起こります。
①仕事が進まないからとりあえずアシスタントを呼んじゃうけど、やっぱり進まないからブラブラさせてしまう
「なんで?できてないのに呼ぶの?」と思うでしょうけど、呼ぶこと多いんですよ。まともな考えとは思えませんけど呼ぶんです。「みんなに追われれば仕事が進むに違いない」と何故か思い込むのです。不安だからでしょうね。
しかし、こういう人の仕事は呼ぼうが呼ぶまいが進みません。大体泊まり込みで進行していく仕事になりますから、
アシスタントたちは
やることがない+ギャラはでる+メシは出る
と言う状況で何日も、漫然と留め置かれるのです。しかも大人の男が4人、5人、6人…ひとっところに集まってね。

②仕事がないまま何日もおかれると、相手に否定された気分になり、相手を否定したくなる
これはもう人情というもので、いま日本の入管なんかで起こっていることはこれのずっと悪質なパターン。「人の国の税金でメシ食ってブラブラしてるのに何故文句が出たり具合が悪くなったりする?」と思う人もいるかもしれませんが、人間ってのは暮らしに人との交流がないとまともではいられなくなる存在なのです。

こうやってハラスメントは起きる

さて、こうやって話をしていくとなるほど、漫画家のアトリエではハラスメントが起きる、少なくと起きやすいとわかってもらえたと思います。
漫画家ってハラスメントされたりしたり、なかなか穏やかではないのだ。

次回は編集者、アシスタントのハラスメントの連鎖をどう防ぐかについて話をします。

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