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ゲゲゲの謎 考察・解釈まとめ

書き溜めてたゲ謎考察・解釈です。あくまで私が思ったことや考えたこと延々と書き連ねています。一部pixivにも上げていましたがこちらのほうが最新版になりますのでところどころpixivに載せたものと違っている箇所があります。
大事なことなので二度書きます。あくまで私が思ったことや考えたことを延々と書き連ねただけのものです。
思いついたら書いていく感じだったので今後とも増える可能性はあります。


【沙代ちゃんと水木さんと親父】

沙代ちゃんと水木さんの関係は複雑すぎて二人一緒じゃなくて単体で考えないといけないと思う。沙代ちゃんの背景、水木さんの背景、そこに至る事情と二人の考え方や性格など鑑みて考えないと、どちらかが悪者になってしまう。大前提として、二人の相性が最悪だった、が結論。
正直沙代ちゃんは村から出るために選んだ相手が悪かったとしか言いようがない。騙しやすいっていうか沙代ちゃんを「女」でしか見ることができない相手だったら、連れ戻されることになろうともきっと手を取って連れ出してくれたと思う。でもね、水木さんは相性自体が悪いと思うんだ。
まず前提として水木さんって「お母さんが親戚に財産騙し取られた」「軍上層部が隠匿物資横領して戦後贅沢三昧してるっていう話を聞いた」経験があるから、人の言葉を簡単に信用しないと思うのよね。いい話があると必ず裏があると思ってるタイプになってるから、好意的な言動にはまず疑って警戒すると思うのよ。これは克典さんに煙草渡されて密偵みたいな役任されて湖で「馬鹿にしやがって!」とか言ってることから間違いないと思う。
あの密談シーンって、何も知らないから克典さんは会社経営から一族を追い出したい一心で、自分が後ろ盾でいればそこまで危険じゃないと思ってるだろうし、ついでに沙代ちゃんの婿になるための試練の一種として考えてるなら、自分で調べるんじゃなくて水木さんにやらせようとしているあのシーンの克典さんは自分と同じように入り婿前提として考えているわけだから、かなり水木さんを気に入ってるのが分かるよね。しかも「我々と同じ側に」って言ってるのを見ると「龍賀を乗っ取る」と明言しているも同然、つまり「葉巻を受け取る=乗っ取りに加担」ってことになる。
つまり乗っ取りが成功したら沙代ちゃんの婿試練は合格。褒美に結婚で跡継ぎってとこかな。でもそれって結局克典さんの下に付き続けることになるわけだから、水木さんとしては望まないよね。その時の水木さんが欲しい力、「誰にも踏みつけられない力」は上がいない、つまり会社で言うところの会長の立場になりたいわけだよ。そうなると沙代ちゃんとの結婚は良いか悪いかでいうと悪い方なんだよね、水木さんにとっては。克典さんに逆らえなくなるわけだから。水木さんからすれば克典さんの発言は時貞の「配下になれ」と一緒だよね、よく考えると。だから水木さんは「上手く立ち回れば」と言ってる。
ただ克典さんは良くも悪くも事なかれ主義なんだよな。神社で親父を殺そうとした裏鬼道衆達を水木さんが止めるまで止めなかったのを見ると、野心はあるけど自分の手に負えないと判断すると投げ出すタイプだよね。しかも他社の社員である水木さんに頼んでる立場なのに、自分の方が偉いっていう自覚のせいで何もかもが上から目線。だから水木さんは「絶対使い捨ての駒やん」って思っただろうし、沙代ちゃんとの婚約も嘘だと考えていたんじゃないかね。もしくは反故にされると考えていたんじゃない?ここも社長と取引先の一社員っていう立場が問題だったなと思うわ。

んで、当然その娘である沙代ちゃんのステータスも問題だったわけで。一族経営の大きな会社の社長令嬢。水木さんは当主に近づきたい思惑があって鼻緒も丁度よく切れてたから近づいたけど、そこまで期待していなかったと思う。秘密を知りたいけど沙代ちゃんは経営に関わってないわけだから知らないと思っていただろうし、近づいた理由は当主になる予定(だと思ってた)の克典さんにさらに取り入りやすくするためだと思うし、期待するなら秘密が探りやすくなる程度だったと思う。その証拠に水木さんは孝三さんの件以外で沙代ちゃんに話しかけてない。これは遺言開示されて克典さんが当主になれないから、沙代ちゃんに関わる理由がなくなったも同然で、ここら辺水木さんはかなり露骨だった。
でも、沙代ちゃんから積極的に声をかけて、好意を寄せてくる。この時点で水木さんは警戒していたと思う。なんたって自分が底辺から這い上がって見返したかった連中と同じような立場だからね。無意識に警戒していたとしてもおかしくない。無下にしなかったのは社長の娘で、女で、子どもだったからとしか言いようがない。
そんな認識の沙代ちゃんから「ここから連れ出してください」だけ言われてもいろいろ疑ってたんじゃないかな。そもそも沙代ちゃんの言い方が駆け落ちの誘いみたいなんだよなぁ。ひねくれた考えを持ってるなら「駆け落ちの真似事させて底辺の人間がさらに転落する様でも見たいのか」とか思ってそう。
お嬢様で夢見がちな少女の年齢とはいえ、そこまで世間知らずじゃねーだろとか思っただろうし、本当に駆け落ちしたら丙江さんの件とか龍賀とか関係なくても捕まれば水木さんだけが罰を受ける可能性が高いんだよね。昭和の考え方は知らんが、地位が高い方は罰せられないって言うのは昔からあるわけだし。だからバルコニーで沙代ちゃんの「東京に連れて行って」の言葉に「あなたが望むなら」と受け身で答えてた。少しでも罪を軽く見せようっていう処世術っぽさがある。
もちろん沙代ちゃんは本気で村から逃げたかったわけだけど、水木さん相手にそれを頼むなら親父みたいに素直に話さないといけなかった。「行きたい」っていう建前じゃなくて、どうして逃げたいのかを言わない限り水木さんは「俺と東京に行きたい理由がわからん、社長に頼めよ」ってなってたと思う。
実際、表向きは大企業なわけだからそこの一人娘のお願いくらい簡単に聞けると思っていただろうし、水木さんは沙代ちゃんの事情を知らないし、内情なんてもっと知らないわけだからその点だけを考えるなら頼む相手は自分じゃないと水木さんが思うのは仕方ない。それに夫婦仲はともかく、親子関係は普通そうに見えてたから余計に社長に頼まん理由がわからんのよね。
だから神社で沙代ちゃんの事情を知ってから「そうか、だから俺なんかに」って納得してるし、そっから沙代ちゃんへの態度も軟化して、日記破いたシーンの「東京へ行きたい」っていう言葉に「行こう」って断言してる。今まで沙代ちゃんの言葉に受け身だった水木さんが断言してる言い方なんだよ。言い方ひとつでここまで変化が分かるし、そうなるまで変わらなかった言動のおかげで全部わかるまで沙代ちゃんをずっと疑っていたんじゃないかっていうのが出てくるからすごい。

あと沙代ちゃんは水木さんの関心引きたくて、アピールするために無意識だろうけど、立場を利用して約束取り付けちゃったのがまずかった。バルコニーの「あなたの気持ちを聞いている」って言葉、水木さんに決定権を委ねているように見えるけど、社長の娘っていう沙代ちゃんの立場は水木さんよりも上なわけなので拒否しずらいし、しかも水木さんの「地位も権力もないから」っていう隠れたお断りもさらっと流して拒否してる。ついでに言うと話を持ってきたのは水木さんだから、拒否=沙代ちゃんの話は聞けなくなるわけだから断れないよね普通に。事実上優越的地位の濫用って感じで言質取ってるシーンですわアレ。
そもそもバルコニーのシーンの沙代ちゃん、言葉の端々で相手の気持ち断言してるんだよなぁ。ここが最高に「龍賀の女だよおめー」って思うところ。上記もそうだけど、特にその後の「あなたが私と共にいたいと思ってくださるかどうか」ってセリフ。このセリフ、よくよく考えると「私のこと少しは好きなんですよね」って思ってなきゃ出てこないセリフだと思うの。いくら克典さんが婚約に賛成している側とはいえ、確実に婚約の約束を交わしたわけではない。あくまで水木さんは候補の一人だと考えると、沙代ちゃんの発言はかなり段階ぶっ飛んでる。
それに多分、普通の恋してる女の子だったら、好きな人が家の秘密探ってるってわかったら「私のことどう思ってる?」くらいは聞くんじゃないかな……このセリフで沙代ちゃんが「相思相愛」と水木さんの気持ちを決めつけてるかもしれないって気付いたらホントに怖い。やっぱ「ここでしか生きられない」って言ってた乙米さんの娘だわって思う。
でも結局それが水木さん相手だと悪手だった。沙代ちゃんがやったのって水木さんが嫌いな連中と同じ感じで、立場を利用して拒否権与えないで無理やり約束しちゃったわけで。バルコニーのシーンは水木さんが沙代ちゃんを信用できないと思ったシーンでもあるんじゃないかな。
あそこだけ異様だもん……沙代ちゃん抱き着いたら日が沈んで暗くなって、色合いは紫になるわ、水木さんはどう見ても戸惑ってるわ、その中で約束取り付けた沙代ちゃんだけがニッコニコなのが本当に異様。二人の心の距離を示しているようにも見える。抱き着く沙代ちゃんに様子見ながら触れてた水木さん、めちゃくちゃ警戒してそうよね。
で、沙代ちゃんの言動は多分無意識だっただろうから、水木さんもなんとなく「ああまでして村から出たい理由があるんだろう」って考えたとは思う。墓場での考え事はいろいろあるだろうけど、上記のやつも含まれてたと思うし。だから親父との酒盛りで「人の心を弄ぶな」っていう言葉に「愛なんて知らん」みたいな言い方して、過去を話したのは「沙代ちゃんを信用できない」っていう理由を暗に話してたんじゃ。つまり「人を食い物にする連中と沙代ちゃんは似てる」っていう隠喩だったんじゃないかなって。でも人を信用できない自分が悪いとも思っていそう。

正直水木さんも沙代ちゃんも悪くない。悪くないんだけどやっぱり相性が良くなかったと思う。お互いに余裕がなくて自分のことで精一杯だったのに、沙代ちゃんは水木さんに期待しすぎていたし、水木さんは沙代ちゃんを信じ切れなかったわけだからね。だから地下工場でああなったのは本当にどうしようもないというか……あれの救いルートがあるとするなら、どこかのタイミングで二人は腹割って話さなきゃいけない。立場も思惑も過去も全て明かして、恋とか愛とか全て置いておいて、協力し合うしかなかった。
その他の方法となると、思いつかねぇな……でも沙代ちゃんは水木さんを見るべきだったって言うのは確かだね。トンネルに向かうときに水木さんの変化に気が付くべきだった。正直そこがターニングポイントだったな。水木さんをちゃんと見て、変化に気付いて問い質せば、言葉を濁すかもしれないけど嘘は付けないから察することができたと思うし。そこで暴走するかもしれないけど、言われて気付くより自分で気付いた方がダメージは少ないと思うので……余裕はあるんじゃないかなぁ……正直希望論だけどそこしかない。

これは私の中の話になるけど水沙代は絶対にくっつかない。どんなことになろうと、どんな結果になろうと、生きて村を出ようと、くっつかないと思う。水木さんが沙代ちゃんを連れ出したとしても、お母さんに預けて定期的に生活費としてお金だけ渡して、お母さんの手ほどきで自立させていたんじゃないかな。
水木さんにとって沙代ちゃんはどこまでも愛を向ける相手ではないと思う。情はあるだろうけど、子どもとして見ている人がその認識を覆すのは結構難しいと思うし、それ以上に沙代ちゃんが望んだ愛を水木さんは与えられないから。だって沙代ちゃんが望む愛って結局「自分自身を見てほしい」=「龍賀でも女でもない自分」ってことなんだよね。最初から「龍賀」として見ている水木さんでは無理な話なんだよな。
そもそも二人の間にあるものを私は「愛」って言いたくない。広義の意味で愛と言うかもしれないけど、愛じゃないと思う。確かに沙代ちゃんが水木さんに向けた感情は恋で、一方通行で相手を顧みない押しつけがましい恋だった。それは間違いない。それが愛に変わることはあるかもしれない。
だけど水木さんが沙代ちゃんに向けた感情はどちらかと言えば同情の割合が大きい。残った割合も保護とか庇護とかに近い感情だと思う。これは情であって、愛になることはないと思う。それを愛って言葉でまとめたくない。というか、私が厄介オタクなだけかもしれないけど、愛と情は全くの別物であると思う。確かに愛情って言葉はあるけど、この言葉は「相手を思いやる」ことを前提とした言葉だと思っているので、二人には絶対当てはまらないと思うわ。
だって結局水木さんは沙代ちゃんを最後まで見なかったし、沙代ちゃんだって水木さんを最後まで見なかったやんけ……相手を見てない二人の間に愛があるわけねーだろ!! 水木さんは子どもとしか見てなかったし、沙代ちゃんなんて相手を思いやるどころか自分の気持ち押し付けて殺そうとしてんだぞ!!! 期待と執着と思い込みから始まった沙代ちゃんの恋と、打算と不信感の塊だった水木さんの間にあるものを愛って言葉で簡単にまとめてたまるか!!!! ついでに言うと正直水沙代成立解釈違いです!!!!!
この愛があるなし問題についてXでも議論が繰り広げられているので異論も反論も認めるけど私の解釈は覆さないことだけは言い切る。愛の定義は人それぞれいろいろあるだろうし、議論重ねちゃうと最終的に哲学の話になっちゃうし、ゲ謎に至っては場面場面の言動を「愛だよ」って言ってる人もいるので、私の解釈は「映画全体をまとめた上でこうだよ」ってことで。
本題だけど私の中の愛について最も分かりやすく言うと「誠実であること」なんだよね。相手に対して誠実であったかどうか。親父を例えにするけど、親父は分かりやすく愛が深い人だった。ずっと奥さんのことを考えていて、語っていて、奥さんが酷い目に遭ってると知ると憎い人間だろうと解放してくれと頼み込んで、代わりに自分がどうなってもいいと断言する。最後辺りなんか自分だってボロボロなのに狂骨の前に立ち塞がっていた。どこまでもずっと奥さん第一に考えて行動してる。これがゲ謎における「愛の象徴」であるとすると、沙代ちゃんと水木さんはかなり対照的になるのよ。
だって某CM風に「そこに愛はあるんか?」って聞きたいレベルで水木さんと沙代ちゃんの間に愛があると言えるか? 沙代ちゃんはどうしたって水木さんを利用して村を出ようとしていたし、隠し続けた結果が不信感を募らせただけだし、隠した部分を暴かれてたことに絶望して、暴いたの水木さんじゃないのに逆ギレ同然で「見てくれないなら死ね!」って殺しかけて、挙句自分の死に様記憶に焼き付けようとしていたよね。自分の気持ち押し付けてるだけ。
水木さんなんて言わずもがなですわ。どこまでも沙代ちゃんは子どもでしかなくて、そういう対象として見れない以上好意を寄せられても曖昧にするっていう大人のよくある対応で誤魔化していたわけで。沙代ちゃんが本当に可哀想な子どもだったから望むなら村の外に連れて行きたかっただろうし、救えるなら救いたかった。それは本当だろうけど、そんな同情と哀れみに染まった気持ちで沙代ちゃんを愛せるのかっていうのは別の話になると思う。同情と哀れみから始まって結ばれた話を私は知らないのであったら教えてほしい。それに結局沙代ちゃん自身を見れなかったわけだから目を逸らしちゃったわけだし。
なので私の中で二人の間に愛はないと思うし断言する。

むしろ親父に向けた感情の方がヤバいんだよ水木さんは。いや、これは私が腐っているっていうのもあるだろうけど、優先順位的な意味では本当に親父の方が沙代ちゃんより勝ってると思う。特に目の前で奥さんへの愛を見て、その愛に触れたわけだからね水木さんは……多分、水木さんにとって人間じゃなかって言うのも大きなポイントだったんじゃないかな。戦争の時から人間の醜悪さを間近で見ててほとんど人間不信の奴が人間以外から愛を教わってみろ。「人間醜くて嫌い」ってなるだろ。
だからこそ、親父の愛が輝いて見えたんだと思うんだ。だから人間がどうなっても構わない。自分だって人間なのに人間の自業自得だから「放っておけ!」なんて言い切る。この時点で人間全部を真っ先に切り捨ててるの人間である水木さんなのが最高の皮肉。でも親父が人間を見限れなかったのは水木さんが人間だったからなんだよ……すれ違いポイント高すぎないか……
これ水木さんがいるから他の人間を救う理由になってて、水木さんに何かあったら見限るって言ってるも同然なんだよな。「お主が生きる未来云々」がもう親父の水木さんへのクソデカ感情っぷりを物語っているし、逆に水木さんは親父の言うこと聞かないで奥さんにちゃんちゃんこ着せてるので、水木さんの中では自分含めた人間滅びてしまえ的な考えが透けて見える。しかも行動だけなら親父と同じように身を挺して奥さん守ってる。これって親父を見習ったっていうより親父と同じようにしたかったしなりたかったっていう現れでは?
そんで自分が助かって、記憶無くしたことを悲しいと思ってて、墓場で鬼太郎を拾って一瞬だけ脳裏に浮かぶ光景が血桜の下の親父……つまり水木さんは自分を殺そうとして目の前で死に様記憶に焼き付けて復讐しようと死んだ沙代ちゃんよりも、血桜の下で奥さん探す親父の姿の方が記憶に焼き付いていた=沙代ちゃんより親父の方が水木さんの心を占めたってことになるので「お、お前お前お前~~~~~~!!!!!!(語彙力の消失)」って感じになる本当に。ここが本当に水沙代にならない最大の理由だと言いたい(掘り返すな)。全部忘れて尚、唯一頭をよぎる記憶の断片が親父なのがもう……クソデカ感情どころか大半親父で埋まってるだろお前の心はよ。

正直に言うとね、腐女子フィルターなしで見たとしても沙代ちゃんは親父に勝てない。断言するレベルで勝てない。これはもう龍賀が悪いとしか言いようがないけど、
沙代ちゃんは最後まで自分のことしか考えていない。
親父はどこまでも奥さんのことを考えていた。
この差が大きな要因だと思う。

沙代ちゃんは結局、最後まで自分のことしか考えていなかったと思うんだよね。そもそも私は「水木さんに恋した」っていう沙代ちゃんの言動全てが、それを言い訳、行動理由にして大義名分というか免罪符にしていたんじゃないかって思ってる。
その理由が二つあって、一つは沙代ちゃんの遺言開示での「助けてください」っていう言葉。入村3回目くらいで気付いたけど、映画を見て思い返せば「沙代」を「助けてください」ってわかるんだけど、じゃあ何故「私を助けてください」と言わなかったのか、ってなる。あの乱闘騒ぎで誰も二人に注目していなかった。時貞が死んで(仮)動きやすくなったからあそこで行動したわけで、主語を入れたって乙米さんも聞こえていなかっただろうし。
それに「誰」を「助けてください」なのかで全く意味が変わってくる。水木さんは「克典さん」を「助けてください」と思ったから「社長の味方です」と言った。でも「沙代」を「助けてください」だったわけだよ。この認識のズレ、結構怖い。仮に水木さんの返事が「助けます」だけだったら、水木さんにとって「社長」だったとしても、沙代ちゃんにとっては「沙代」を「助ける」っていう言質が取れてたってことだよ。狙ってやってるとしか思えない状況利用の仕方。普通に怖い。
それに沙代ちゃんは主語を言わなかったことでその後の行動も狙ってやってたように思える。水木さんに約束を取り付けたことで沙代ちゃんは孝三さんとの面会の手引きや、時麿さんの部屋に侵入してMについて調べたりしていたけど、本来であれば「助けてください」と言葉にした時点で沙代ちゃんは自分から説明して協力すべきなのでは? と思うんだよね。だって言い出したのは沙代ちゃんなんだから、沙代ちゃんが積極的に動かないと先に進めないのよ。
なのに水木さんが協力を持ち掛けるまで何のアクションもなかった。これって水木さんが協力を持ち掛けてくるのを待っていたってことになると思う。どれくらいの被害があったかわからんけど、Mを探って行方不明になった人間が複数人いるみたいだし、行方不明者が村まで来ていたとするなら村の外からくる人間=Mを探ってるっていう認識があると思うし、そうなると当然水木さんの目的も最初から予想できていた。だから自分を巻き込ませる形にして、相手に自分に危ない橋を渡らせている認識を持たせて優位な立場を手に入れたかったのではないかと。
もう一つの理由は水木さんに罪を擦り付けるためだと思う。もし探っていることが乙米さんに見つかったとしても「水木さんに頼まれたから、恋した相手に頼まれて仕方なく」っていう言い訳ができる。実際見つけたのは庚子さんで即決とばかり殺してたけどね……これが乙米さんだったらそう言い訳してたんじゃないかな、と。誰を助けてほしいのか言わなかった理由が、バルコニーのシーンを見るとそうとしか思えなくて……
あとこれ沙代ちゃんのアピールの認識問題か時代の問題か分からないけど、水木さんにずっと言ってたのが「東京のこと」なんだよな。水木さん「本人」のことは一切聞かないし言わない。恋をしたから相手のことを知りたいっていうのは定番アピールなのにね。ずっと東京のことばかり口にするから水木さんのことを「東京の人」としか見てないってわかるわけだし……ここら辺も沙代ちゃんが恋したっていうのを言い訳にしてたって思える要素なんだよな。
ついでに言うとバルコニーでの約束、結果的に見れば沙代ちゃんだけが利益を得るんだよね。仮に沙代ちゃんが誰にも見られることなく情報入手して水木さんが連れ出して無事に東京に行ったとしても、日記だけじゃ信憑性はないし、証拠ないしでMの作り方を信じてもらえないだろうし、かつ幽霊族はもう絶滅寸前で新しく探したところで見つからないし、その幽霊族を独占しているのは龍賀である以上、会社は龍賀と取引し続けるしかないから情報を手に入れたところで意味がない。それに水木さんが情報について信じてもらうためには最低でも生きた屍を連れて行かなきゃいけないんだよね。でもそれは水木さんには絶対無理。
水木さんには裏鬼道衆全員倒すことなんてできないし、かといって警戒が厳重な地下に誰にもバレずに侵入も無理。だから沙代ちゃんを連れて東京に戻った場合の水木さんに残るのは沙代ちゃんを攫ったっていう事実で、誘拐犯として確実に職を失うし、最悪一緒に連れ戻されて地下工場に放り込まれる。この場合最終的に沙代ちゃんは連れ戻されても「東京に行く」という目的が果たせたわけだから沙代ちゃんだけが利益を得てるよね。
映画の沙代ちゃんはどこまでも「目的を果たす」ことが大事で、その先を見えてはいたけど見えてなかったことにしてる。地下工場で全部知られてたことに絶望して「東京に行こう」って言う水木さんの言葉に「東京に自由なんてない」って返してる時点でその先を考えてはいたはずだからね。でも一時の夢でもよかった。だからどこまでも見えなかったことにして、でも突き付けられてスッと諦めたって感じ。やっぱ自分のことしか考えないよね沙代ちゃん。

確かに、沙代ちゃんは本当に恋をしたのかもしれない。でもそれは沙代ちゃん自身がそうでなければいけないと思い込んでいた可能性もある。龍賀の女は男を喜ばせなきゃいけなかった。特に当主の時貞が実権を全部握っていたわけなので、時貞に気に入られないと家の中だろうと生きるのが苦しかった可能性があるよね。だからまず、男に気に入られるようにならなければいけない。外の男も同じだろうと沙代ちゃんが考えていたとしたら、水木さんに恋したっていうのは一番手っ取り早い上に周囲に納得されやすい理由だよね。
だから沙代ちゃんは言動の端々で水木さんを尊重してない。上記で書いたように約束を取り付けたときも立場を利用していたし、「水木さんを殺そうとして、長田に刺されたから死に様を記憶に焼き付けて復讐しようと死んだ」のだって、言い方悪いけど「ストーカーと化した元恋人が自分を振った相手に罪悪感持たせたくてする行為」と同じなんだよね。
ストーカーって極端な話、自分第一で自分の感情が大事で最優先だから、相手が感じていること考えていることを想像したりしないで一切無視する。その一環で自殺未遂を起こす人がいて、これも要は「相手のせいで自分が死ぬと意識させたくて、相手を加害者にして自分の行為を正当化しようとする」わけ。沙代ちゃんはそこが同じで、最初から最後まで自分が被害者で傷付いたんだってことを水木さんに表明しようとしてた。
確かに沙代ちゃんは最初から最後まで被害者だけどね。でも極端な話、水木さんは沙代ちゃんに復讐される謂れはないよな。そりゃあ沙代ちゃんにとって水木さんは恋に酔わせて自分を絶望させた憎い相手だとしても、あくまで沙代ちゃんからすればの話。水木さんにとって沙代ちゃんは急に依存してきた虐待児だよ。
客観的に見れば水木さんは接点を持ちたかっただけの対応で一目惚れされて、ほとんど一方的に好意を寄せられていることになる。現代風に言うなら「近所で少し話をした程度の子が実は虐待されてて、ある日突然家族皆殺しにした直後に凸ってきて「なんで助けてくれなかったの!」って言いながら刺してきた」って感じだからね、水木さんからすれば。
水木さんにとって沙代ちゃんは「見返したかった連中に似た立場の子ども」から始まって「クソ爺に手を出された可哀想な子ども」と言う認識に変わったから、大人として助けられるなら助けたくて「東京へ行こう」って言ったのに、拒否られてしかも殺されかけるわけで。沙代ちゃんの一族への復讐に関係ないのに一緒に殺されかけてトラウマ植え付けられてんだよ。全体を見ればめちゃくちゃ踏んだ蹴ったりで振り回されてるのは水木さんで、親父は水木さんに「弄ぶな」と言ったけど、振り返ると弄ばれてたの水木さんなんだよな……と思うな私は。
だから沙代ちゃんが水木さんにしたことは本当に自分勝手の自己満足で、意味のない復讐でしかない。事情が事情だから余裕がなくて相手のことなんて考えられなくて、自分本位に動くのは仕方ない。でもそれが「見てもらえなかった」ことに繋がってしまったわけだよね。

で、親父に関しては沙代ちゃんと逆。奥さん第一でずっと奥さんの話をしていたけど、ちゃんと奥さんは奥さん、水木さんは水木さんで分けて、自分のしたいことを優先するけど水木さんの言い分や頼みを聞いてる。妖怪のことを聞けば教えてくれたし、何より水木さんを自分から助けて尊重している。
最初こそめちゃくちゃ冷たかったけど、あの村の中で水木さんだけが話を聞いてくれたわけだから奥さんのことを話したと思うし、なんだかんだ水木さんは親父に対して本当に嘘はつかなかった。言わなかったり、後出しではあったけど、結果的に全部本当にしてる。座敷牢での「騙したな」のアレも仕方ないと思ったから座敷牢に入れるだけで済ませたんだよね。うなされてるのもあったんだろうけど、妖怪的立場である親父には関係ないもんね。
だってその時の水木さんには牢屋から出していい権利がないからね。だから「明日な」って言ったわけで。後出しにもほどがあるが。でも克典さんとの密談で親父の処遇を真っ先に自分の権利にした水木さんの話を妖怪から聞いたと思うし、信頼関係の構築に問題はなかった。
だから親父も苦も無く水木さんと一緒に行動してたわけで、酒盛りに誘った時点でかなり好感度高いと思う。水木さんの過去を知って、自分も人間を憎んでたって隠すことなく明かして、人間の弱さや強さを奥さんから学んだことを教えてたのは「人間に対しての態度は優しくしてる」っていう意味だと思う。水木さんからMについて聞いたときにいろいろ察してたはずだからね……ボコられてた親父のあの顔、「人間許すまじ」って感じだったからね……
それに人間にもいろいろな事情があることを理解してたから、水木さんの沙代ちゃんに対する態度も「弄ぶな」とは言ったけどそれ以上口出しもしなかった。それがどうしようもできない水木さんの心に寄り添っていたことになったわけで。水木さんの信頼度ゲージを上げる正攻法だったと思うんだ親父の言動って。しかも奥さんのことばかり気にしてるから奥さん以外に興味がないってことで水木さんには信用できたわけで。禁域で助けられたのも大きいだろうし。
そんな水木さんは助けられた恩返しの意味もあったんだろうけど、孝三さんに話を聞きに行く時点で水木さんの行動は無意識に親父を優先してる。窖のことを知りたいのは親父であって、水木さんの知りたいMのことは一見関係ないように思えるもの。そんでめちゃくちゃ強いはずの親父が敵の術であっけなく捕まったことに呆然として、妖怪の弱さを知って、それを食い物にする人間の姿を見た。それと同じになりたいと思っていた、でもそうなろうとしていた自分が許せなくて、水木さんは親父を救うことにしたんじゃないかな。
多分だけど、ここで沙代ちゃんと親父を無意識に比べたんじゃないかって思う。水木さんを見て尊重する親父と、水木さんを見ないで期待する沙代ちゃん。二人の事情を知って、どちらを大切にしたいのか無意識に考えてしまった。だからトンネルのシーンで沙代ちゃんに手を引かれながらも一瞬振り返って村の方を見てる。ここが最も沙代ちゃんよりも親父に心寄せてた様子を表すシーンだと思うな。
そもそも戻る時点で沙代ちゃんじゃなくて親父を選んだわけだから、どちらにせよ沙代ちゃんはトンネルを進んでも戻っても地獄だったよね。沙代ちゃんだけがトンネルを進んでも助けてくれる人はいなくて、戻っても自分の絶望に暴走する。全てが地獄すぎるシナリオ。でも、沙代ちゃん自分で逃げ道塞いだ感はあるよね……恋に酔って周りが見えなくなって爆弾抱えたまま全てが上手くいってるって思い込んでたわけだから。

ところで話は変わるけど、ことわざで「人こそ人の鏡」って言葉があるんだよね。この言葉は似たような言葉を聞いたことがあると思うけど、これ、「他人は自分の姿を映す鏡のようなものであるから、言動を見て自分の行いを正す見本にせよ」っていう意味があるんだけど、水木さんの役割まさにこれだったなって、思って……
だって水木さんが沙代ちゃんに返したのは「沙代本人を見ないこと」だったし、親父に返したのは「他者を愛する心」だったわけで。だから親父と沙代ちゃんの結果は大きく違う。沙代ちゃんは水木さんを見なかったから「見ないこと」を返されて絶望して死んじゃって、親父は「他者を愛すること」を教えたから「鬼太郎が愛されること」で返してもらって、人間に対する寛大な心を持てたわけなんだよな。だからほんとに、沙代ちゃんはやり方がまずかったし……そうさせた龍賀が悪いんだけど、どちらにせよ、救いはなかったってことなんだよね……
そういえば映画の内容って戦争の地獄、迫害の地獄、性被害の地獄をそれぞれ擬人化みたいにして表現してるんだよな。んで、どれも救われない。結局人間は愚かっていう話になって終わるんだよね。どれに対しても、いつの時代も、誰にとっても。その中で何を持って自身の救いにするか自分で決めてるように見える。
水木さんは戦争で人を殺した手で救った鬼太郎を抱きしめることだったし、親父は水木さんの未来を見るために迫害してきた人間を許すことだった。どちらも誰かのために動くことこそが救いへ繋がってる。でも水木さんの戦争はどこまでも付きまとってくるだろうし、親父が人間を許したところで幽霊族はもう鬼太郎しかいないのは確定事項。本当の救いはどこにもなくて、ただ自分の中で着地点を見つけてるだけでしかない。でもそれが一個人にできる限界なんだよね。
そうなると沙代ちゃんはずっと自分のために動いてきたから、自分で自分を救おうとして失敗してる。正直こういう問題で一番救いがないのが性被害なのは確かなんだよな。だって問題提起されたとしても解決なんてしないことが多い。ほとんどが泣き寝入りで、結局なかったことになることが大半。特に日本では軽犯罪のように扱われているわけだからどこまでも地獄が続くんだよね。つまりその象徴でもある沙代ちゃんに救いがないのは当然の結末ともいえるなぁ……
沙代ちゃんには救いは見つけられない。もしかすると沙代ちゃんには時ちゃんが救いだったのかもしれない。70年後に時ちゃんを迎えに来たのが本当に沙代ちゃんなら、時ちゃんの存在は沙代ちゃんの中でかなり大きかったんじゃないの。でも時ちゃんと一緒に、って望まなかった時点で手放しているんだよな、沙代ちゃん。地獄だぁ……

【時貞含む龍賀一族】

時貞は何故、死んですぐに時ちゃんの体を乗っ取らなかったのか。一先ず以下の可能性はあるかなと。
①単純に死後すぐに乗っ取ることが難しいから、あるいは死んでしまったことで力が削がれていたから。
②場所の問題か、あるいは窖でしか魂を存在させることができないから。
③時弥自身が何かに守られていたから。
あとは時期の問題とか? 水木さんたちが窖に到着したとき満月だったから、満月によって力が増幅していたとか。パッと思いつくのはこの辺り。
①と②に関しての理由は肖像画と遺体。窖のでけぇ肖像は恐らく座標の意味もあったんじゃないかな。自分の存在を主張することで土地から離れないようにするとか、結界内に遺体を置くことで魂が死後の世界に行くのを防いだとか、そういう理由で置いてたんじゃないかなと。でも、そこから動けなくなる、というか結界内から出ると体を乗っ取れるほど力が出なくなるとかで乗っ取れなかったのかな。
時ちゃんの発熱は乗っ取ろうとしてた時貞への防衛行為っていうのが以前誰かの考察で出てたから、それを含めて考えると結界の外に出られない、出ても乗っ取れない可能性は結構高そう。
んで、問題は③なんだよな……もし何かに守られていたとするなら、守っていたのは多分、庚子さんしかおらん。彼女も一応龍賀で、霊力は少なからずあると思うし、無意識に守っている可能性は高い。何よりなんだかんだ母親らしく時ちゃんを守ろうとしてたからね。
庚子さん、時ちゃんに儀式をさせたくて「連れてきなさい」って言い続けてた乙米さんの言葉に「熱が出てるから」とか「お姉さまのものじゃない」とか言って拒否してたし、体調が優れないからっていう理由もあるけど、遺言開示以外で屋敷に連れて行こうとしてない。明らかに龍賀から遠ざけようとしている。
多分、時麿さんの部屋にいた沙代ちゃんを見つけた=龍賀の屋敷にいるのは、きっと時ちゃんを探していたからっていうのもあると思う。長田屋敷で寝てたはずの時ちゃんがいなくなってたら、どう考えても犯人長田と乙米さんしかおらんし。んで、探しに来て沙代ちゃん見つけちゃって……
そうなると、時貞に体を乗っ取らせてしまった最後の原因が沙代ちゃんになってしまう。殺したことがきっかけで、最後の砦となっていた時ちゃんへの守りも消えてしまった。だから乗っ取れてしまった、みたいな……思いついてしまったらすげぇ地獄だ……

地獄と言えば乙米さんも同じなんだよな。乙米さん、背景が背景だから本人も地獄経験してるんだろうけど、同じ母親である庚子さんと決定的に違うのは自分の子どもへの対応っていうか、認識かな。庚子さんは子どもをちゃんと見てるけど、乙米さんは見てないっていうか、自分の分身として見てるよねっていう感じ。
庚子さんは多分自分なりに子どもを守ろうとしてたと思うけど、乙米さんは自分を守るための自己投影装置にしたかったんじゃないかな~沙代ちゃんも乙米さんを未来の自分として見ている節があるのでね……あの日記のシーンの「お母様にはこの村が全て! 私はそんなの嫌!」って言ってるからね……親子で互いに自己投影しちゃってるのほんとにまずい。そら悪辣になるよ。だって未来(過去)の自分が目の前にいるんだぞ。どんな手を使ってでも脱出(同類に)したいって思うやろ。
特に沙代ちゃんの経験したことは恐らく乙米さんも経験してると考えられているので、それを含めて沙代ちゃんに言っていることは明らかに自分のためなんだよな。自分と同じように時貞に体差し出させて、自分と同じように産ませて、育てさせて。いずれは自分と同じ立場に立たせたかった。そうすることで客観的に自分を見ようとしていたんじゃないかな。自分の人生は苦しくなかった、不幸せじゃなかったって思い込みたかったんだろうなって。でなきゃ紛いなりにも母親が自分の父親との子どもを「ちゃんと身籠っていれば」とか言わんやろ……
そうなると他人に自分と同じ経験をさせようとする乙米さんが、おそらく経験しただろう地獄も結構えぐいものが考えられるよね。わかりやすいところだと地下工場で親父の手足切り落とそうとしたところ。あそこよく考えると神社で「番わせましょう」って言ってたくせに手足切り落としてどうやって番わせるんじゃ、ってなるやん。幽霊族の繁殖方法どう考えても人間と同じやろがい。手足切り落としたら親父動けんし、岩子さんだって長年血を吸われ続けてんだぞ、まもとに動けるわけないやん。え、大人数で抱えて無理矢理ヤラせるとかある?? って考えてから上記のことを思い出すとハッとしたよね。もしや乙米さんも手足封じられてヤラれたことあるわけ??? だから岩子さんに同じ経験させたいってか。完全にイカれてるしガンギマリしてるわこれ。
しかもさ、完全な赤の他人にやらせようとしているわけだから、復讐ですらないしどう考えても憂さ晴らしでしかない。質が悪いし壊れてんだよ思考が。地獄に浸かり過ぎて「この苦しみ絶対他人にも同じように遭わせる」ってなってんだよ、反復マシーンみたいなもん。
そう考えると敗北ルートの親父かなりやばそう。手足切り取られた挙句、岩子さんと無理矢理行為させられるんだぜ……しかも周囲の人間が岩子さんと自分の行為を強制的にさせてくるわけじゃん……人間だけだよそんな醜悪なことするの。吐くわこんなん。流石龍賀だね(死んだ目)
乙米さんはさ、自分より不幸な人をずっと見ていたいんだよね。こいつよりはマシって思いたくて親父のことも「ここで飼われる」って言って蔑んで笑ってる。飼い殺しなんて自分も同じなのに、自分は飼い殺されてないって思っていたんだろうね。沙代ちゃんのことも同じ穴の狢にしたからこそ、そこから抜け出そうとするのが許せなくて「龍賀の女の務め」って自分に言い聞かせてきた言葉を突き付けてる。
自分がそうだったから、自分と同じ状況にしたんだから、自分と同じ考えを持たないのが許せなかったのかもね。自己投影してるからこそ、そこから逸脱するのが許せなかったのかも。「ここでしか生きられない」って一番思ってるのは乙米さんなんだよなぁ。

こうなってくると一番マシなのが丙江さんなんだよな。駆け落ちからの連れ戻されを考えると自分の力で抜け出す根性は持ってたってことだし、村戻ってからいろんな男と関係持ってたみたいな描写があるから自分が手を出されない状況を作ってる。時貞以外と関係持つことで妊娠しても誰の子か分からない状態にしてたってことやんな。昭和の避妊方法って現代よりかなり確率が低いはずだから、複数人と関係を持つのはそれなりの抑止力になるな。
そう考えると金使って宝石やら酒やら買って男と関係を持ってた丙江さんの行動ってかなり自己防衛的だし、ある意味では思い通りにならないっていう意思表示でもあるよな。あとついでに復讐か。血を繋いでくっていう意味では本当に母体の数を減らされると困るのは時貞だもんな。となるとかなり自暴自棄に見えてるけど実際は理性的だし馬鹿を演じてるようにも思える。手段がなかったからそうした感……やっぱ地獄……
まぁ普通に考えて自分の父親に欲情する女はおらんよな……父親に無理やり手籠めにされる事件は結構聞いたことあるが、逆のパターンは聞いたことないし……逃げる道が酒浸りって言うのもかなり地獄だが、家から出られなかった乙米さんと庚子さんのことを考えると本当にマシなんだよな……

【沙代ちゃん映画開始前に死んでる説】

沙代ちゃんは「いつ」から狂骨を憑けていたのか。ここら辺が少々疑問ある。
だって時麿さん殺害時にとり憑かれたと自覚するにしては冷静すぎるし、そもそもとり憑かれてすぐに操れるのは霊力が高いという理由だけで片付くのかちょっと疑問なんだよね。狂骨制御の修業を本格的にしていたのが一族の中では時麿さんだけっぽいし、乙米さんが結界を修復しようとしていたけど「私では無理」みたいなこと言ってるのを考えると、ある程度は修行させられてたとは思うけど。
でも沙代ちゃんは孕み袋としての役割を求められていたわけだから修業なんてしたことないと思うんだよ。霊力が高いからこそ修行させずに子どもを作ろうと躍起になっていた。それを裏付けるのが乙米さんの「ちゃんと身籠っていれば」「お気に入りだった」のセリフだとすると、沙代ちゃんは霊力が高いことを自覚していたとしてもそれを活用する術は知らなかったんじゃないかな、と。だから時貞が死んだ後である時麿さん殺害時にとり憑かれたとなると狂骨の制御とか操るための霊力の使い方とか、そこら辺の理由がわからないから疑問。

それで、ちょっと嫌な考察になるんですけどね、狂骨が井戸に打ち捨てられた怨念の妖怪化ってことは、もしかして沙代ちゃんってとり憑かれたんじゃなくて最初から狂骨だったんじゃないかなって思いまして。湖や川で水が豊富とはいえ、いろんなところに井戸があるだろうし、屋敷の中にだってもちろんある時代だと思う。丙江さんの一件から至る所に監視があると思われる屋敷の中で、一瞬でも監視の目を欺いて飛び込めば一発で死ねる可能性が高いからね投身自殺って。井戸って基本、浅くても六メートルはあるって聞くし。
自殺騒動があったとしたらいろいろ納得できる部分が出てくるんだよね。死んだことで似たような存在になったわけだから本能的な感じですぐ操れたのかもしれないし、むしろ狂骨の方が依り代という意味で協力的だったのかもしれない。しかも自殺の理由が妊娠の可能性は十分にあり得るし、もしそうだとすれば乙米さんの「ちゃんと身籠っていれば」のセリフの「ちゃんと」した意味ができる。「(自殺未遂なんて起こさないで)ちゃんと身籠っていれば」ってことです怖いね。
アマプラの映画字幕付きで見直したら「今度こそ」って言ってた一度は妊娠してた可能性あるじゃんやだ怖い。

正直「狂骨にとり憑かれた」よりもそっちの方がしっくりくるっていうか。
妊娠発覚→投身自殺→死亡して狂骨になったけど怪我人として発見される→死んだショックで流産&自殺前後の記憶無くす→生前と同じ生活していたとか。妖怪になった期間が長ければ長いほど馴染んで操りやすくなるのは納得できる要素だよね。
思えば沙代ちゃんが工場で登場させた狂骨、外見まんま沙代ちゃんなわけだから、沙代ちゃんは依り代というよりも狂骨そのものなんだよな。しかも生きた屍を自分の胎に取り込んで破裂させる形で狂骨と化させたのは妊娠の拒否というより妊娠してたから子どもを殺したっていう無意識の自白みたいな感じかも。
それに水木さんを持ち上げるほどの力があって、刺されて傷口から炎が噴き出て骨まで灰になった最期を考えると肉体だけが依り代だったって感じだなぁ。器が壊されたから中身も壊れる。死んでいたのを妖力? 霊力? で生きているかのように見せて保たせていたわけだから壊れれば骨すら残らない。だから沙代という狂骨の依り代は生前の肉体って考えると結構納得できるな。
あとゾンビって肉体のリミッター解除されてる状態だからめちゃくちゃ馬鹿力説あったよね、成人男性持ち上げる力の理由の後押しになっちゃったや……最初から死んでる可能性が強まってきたどうしてくれるの。本当に一体いつから沙代ちゃんは人間じゃなかったんでしょうね……
そうだとすると村を出るための行動力は未練の昇華のためっぽい。幽霊とかゾンビとかって生前の行動繰り返すっていうし、狂骨も怨霊とはいえ、未練の塊なわけだから無意識に生前願っていたことを叶えようと必死だったのかもしれないね。そういった意味でも視野が狭くなってたかもしれなくて、なりふり構わずになっていたかもね沙代ちゃん。
つまり沙代ちゃんは王子様に連れ出してもらうのをずっと願っていたわけだね、少女らしい可愛さだね。だから水木さんの前でずっと純真無垢で可憐な少女を演じてたわけだ。時麿さんに襲われて狂骨という強い力を自覚してもなお、そうすることを選んだのは守ってほしい、助けてほしいっていう願望からなんだねぇ沙代ちゃん。悲しいね。

だとすると沙代ちゃんが狂骨だったとは思ってなさそうだけど人間じゃないってことに気付いてたってことだよね、長田。最期の「バケモノ」のセリフさぁ、ずっと以前から思ってたことが死に際に出てきたって感じじゃねアレ。暴走した沙代ちゃんがマジの鬼に見えてたかもしれんがそれでも愛した女の娘に対して出てくる言葉かね。それとも愛した女が別の男と作った娘だからこそ「バケモノ」に見えてたんかね。どっちにしろ沙代ちゃんをずっとバケモノとして見てたんだろうなぁとは思う。
対して時貞は肉体が生きているなら狂骨にとり憑かれていようがどうでもいいとか思って放置してそうだよね。「惜しいことをした」っていうセリフが本当にそれを物語っている。これって結局「子どもが産めればあとはどうでもいい」ってことだからね。水木さんが狂骨を見えるようになったのを考えると、より力の強い時貞が気付かないはずがない。死んでから知ったのなら手出しできないのは仕方ないとして、生前からだった場合はあえて放置していたというわけだな。やべぇ爺だなほんとに。結界を壊すことが目的の狂骨に対して慢心しすぎやろ。まぁ自分が操れる相手に慢心するのは仕方ないのか……? 「昭和の天下人にして、薬学の天才、稀代の大術者」って自分で言ってるもんね。

【沙代ちゃんとトンネル抜けるルート=水木さん死亡・屍ルート、親父狂骨・祟り神ルート】

映画のバッドルートの親父は手足切り落とされて血桜に放り込まれるし、水木さんは生きた屍になってるだろうし、岩子さんどころか鬼太郎も死ぬルートだなと正直思ってます。(簡単に地獄を生産すな)
トンネル抜けるルートはどう考えても沙代ちゃん追って裏鬼道衆が来るだろうし、追手があるうえで山奥の村から東京に行くのは無理ですよ。東京から電車と車で半日かけて行くような距離にある村から、東京行きの電車がある最寄り駅までどれだけかかるんだよって話になるし、どうあがいても歩きで夜。昭和でしかも戦後からまだ十年くらいじゃろ? 鉄道整備とかそんなに進んでないと思うし、進んでたとしても人口の多い市町にしか駅がない時代だと思うから、移動手段がそこまで歩くか車を捕まえるしかないわけだからどうあがいても絶望。
それに沙代ちゃん着物だから余計に時間かかるだろうし、近くの村って言ったって山間の村って近くであっても歩けば普通に1〜2時間かかる距離、もしくはそれ以上の時間がかかるのはザラやんな? 現代だって山奥で整備できない道とか普通にあるし、車必須どころか車でも行けん場所があるじゃろ!! 無理じゃん。普通に捕まるほうが早い。
捕まらない可能性があるとするなら山の中をあえて突っ切って道なき道を行くしかないけど、昼でも危ない山(人の手が入ってないわけなので野生動物危険度トップレベルだと思う)の中、しかも夜にそんなことしたら普通に遭難か事故(崖から転落、野生動物と遭遇含む)るよ……
ありそうな可能性は克典さんが車で颯爽と登場して救世主になってくれるとか? でも克典さんって運転できなさそうだし、運転手が村出身だったら戻るだろうし、出身じゃなくても夜の山道を車で降りるとかベテランでも怖くない? 舗装されて無くて車のライトと月明かりしか頼りになる明かりがないんやぞ?? 車一台でそんな道走りたくないだろ。絶対やだ。

まぁ沙代ちゃんの場合は追手が追いついても水木さんが気絶かなんかで意識がない時に狂骨出して追手を虐殺パターンが考えられるけど、水木さんが目を覚ませば「あっ(察し)」ってなるから指摘してもしなくても地獄が待ってるよ両方に(したら沙代ちゃんが暴走するし、しなくても水木さんが沙代ちゃんにまた命を奪わせたって罪悪感で死ぬ)
水木さんも理由が分かってるから指摘しないんだろうけど、それが逆に自分のメンタル削るかもなぁ。だって沙代ちゃんが純真無垢な少女を演じれば演じるほど「隠し続ける精神性の異常さ」が際立ってくるからね。そうでなければいけない龍賀の異常さを目の当たりにするわけですよ。めちゃくちゃメンタル削るわ。
ただ沙代ちゃんは狂骨使って水木さんを守れるだろうけど、絶対使わないだろうね。だって水木さんの前で狂骨を使う=殺人犯ってバレるってことだから。バレてると言われない限り水木さんの前ではお淑やかで、可憐でか弱い少女を演じてる沙代ちゃんが村出たからってその猫被り脱ぐわけないやろ。工場のシーンで全部バレたから狂骨を暴れさせて暴走した女がバレてないと思い込んでるんだから、絶対隠し通そうとするだろ。
そもそも最初から最後まで自分のために狂骨使ってた沙代ちゃんが水木さんのために使うことはないだろうなと思う。王子様の前では可憐なお姫様でいたい系女子(なお王子様ではなくなったら即切り捨てる、これは映画で水木さんを殺そうとしたことで証明してるね)だからね沙代ちゃん。多分沙代ちゃんのトリガーって「龍賀の女の役目を身内(克典さん除く)以外に知られること」なわけなので、相手が知らないままだと思ってるなら基本無抵抗なんだろうなと思う。
だから追手に追いつかれたらか弱い女の子として呆気なく捕まるだろうし、その場で水木さんが殺されたとしても「あの人が何も知らないまま死んでくれるならそれでいい」的な考えで諦めて次の王子様を待つだろうなと思う。どこまでも正統派ヒロインになれない女だと思うよ沙代ちゃん。
そういえば追手になる裏鬼道衆は乙米さんみたいに「知っているのですよ?」とか言うのかね。長田を見るに言わなさそうな気はする。知ってるけどなんか配慮はしてる感じがあるよね。ただ長田の場合惚れた女の歪みすら愛おしく思ってそうだからその根幹にある性被害については目を逸らすっていうか「知ってるっていう態度で示すけど自分が嫌なので絶対口には出さんぞ」みたいなとこありそう。こういうのってわりと女の方が「お前だけ幸せになるのは許さんので全部ぶっちゃけるね!」っていう流れにするよね大体。

正直沙代ちゃんは自分が殺されないのが分かってるから相手も大丈夫だろうとか根拠なく思ってそう。もしくは自分が戻ることで相手も助かるとか。なお命の保障「だけ」の場合があるってことが頭になさそうだから「命だけは助けて!」って安易に言いそうだよね。追い詰められた状況で「だけ」って言っちゃダメなんだよな絶対。生き地獄味わう流れ作るんだよな定番として。
逆に「あの人が何も知らないまま死んでくれるなら」的な考えであえて「命だけは」を言いそうでもある。言えば確実に殺してくれるとか、そんな考えで言いそう。だって沙代ちゃんが最も知られたくないことは「龍賀の女の務め」だからね。水木さんが生きていると誰か(特に乙米さん)が水木さんに告げる可能性が高い。先に言っとけば乙米さんが殺してくれるかもしれないよね。だって口約束を守らないのが龍賀なわけだから、約束という形で懇願しておけば、沙代ちゃんの心を折るという名目で乙米さんは殺しそう。それを見据えて言いそうなのが私の中の沙代ちゃんです。
だって沙代ちゃんって線引きしっかりしてるよね。絶対許さんラインが「龍賀の務め」なんだけど、それを知ってるか知らないかで殺意の境界がはっきりしてるのを見ると沙代ちゃんには「相手が知らないこと」が重要なんだよね。「務め」を知ってる相手には簡単に殺意を見せるし殺すけど、知らない相手だとどこまでも隠そうとする。
でもこういうタイプって相手が本当に知ってるか知らないかはどうでもよくて、自分が「知らないと思っている」ことこそが重要なんだよな。だから「知らないままを維持させる」=「知らないまま死んでくれ」になるタイプだと思う。本当のことは明かしたくないし知りたくないから殺そうってなると思う。
それに沙代ちゃんはかなり狡猾だと思う。言葉選びが巧みというか、自分が損しないように最初から最後までその言動を維持してるよね。最初水木さんに助けを求めたときも主語を言わないで言質を取ろうとしてたし、バルコニーでの約束も全体を見れば水木さん一人に罪を負わせようとしている。地下のことも全部知られていたって自棄になってるけど、上記のラインを超えたから「全部殺そう」ってなったって考えるとわりと利己的。知ってる人間全員殺して自分も死んで「そんな事実はなかった」ことにしようとしたわけだからね。もし仮に水木さんが知らないままだとしても、結局言い触らす乙米さんがいるおかげで水木さんの巻き添えは確定なんだよな。

だから水木さんは沙代ちゃんと逃げたら死亡か屍コースだと思うな。逃げるなら一人で逃げないといけない。でも逃げるの解釈違いなのでルート固定します、やったね(白目)……んで、このルートだと鬼太郎の死が確定する。
鬼太郎はさ、水木さんが生きた人間じゃないと絶対生まれてこないよね。墓場ルートのことも考えると「生きた人間」の水木さんに育てられなきゃいけないわけだから、生きた屍だとしても「屍」である以上、鬼太郎の死は確定しそう。生まれてくる前に死ぬことが確定するならそれだけは救いか?
そうなるとこのルートの親父は狂骨になるか、狂骨以上の祟り神に近い何かになりそうだよね。時貞が死んで(仮)不安定になっていたとはいえ、結界を破りそうになっていた狂骨だからな~親父がそうなったら一気に壊せそう。単体で結界壊せなかったら周りの狂骨取り込んで映画より巨大化した狂骨になるとか?
まぁそれはなくても呪詛返しの結界っていつか絶対壊れると思うわ。幽霊族どころか人間も何百人と生きた屍にしては殺してて、時貞いわく国を滅ぼすほど怨念の数がいるってことだし、それを分かっていたうえでMを作り続けるつもりだったわけなので、幽霊族が絶滅してMが作れなくなるより前か後に絶対結界壊れてただろうね。だって皿の中に水を入れ続けて溢れ出ないなんてことはないだろうし。風船だろうと容量を超えればすぐに壊れるよどんなものも。
だから操って小分けにして外に出してたのかもね。幽霊族の捕獲っていう名目もあるだろうけど、いつまでも同じ場所に留めておけるほど余裕があるわけじゃないってことだな。ただ操れる人間が長田と時貞だけだったのを考えると難易度の高さがヤバ過ぎるのでは? つまり最低でも長田レベルにならないといけないわけで、それ以下のレベルは狂骨に憑り殺されるか、操られるってことなのでは? しかも怨念が増える一方なんだからやっぱり小分けにしてもいつか壊れてただろうね。そう考えると結界の綻びは必然だったともいえる。時貞が死んだ(仮)のも一因だろうけど、そもそもが破綻しかけてたならどうしたって長くは保てなかったと思うな。
ただそうなると壊れたとき必然的に肉体が生きてる親父が依り代で器になりますよね。怨念っていっても結局は思念体なわけだから、拠点的な意味で移動するときに必要なんだろうな。いわく付きの場所に行くと連れ帰っちゃうみたいなやつ。だとすると親父一人で大量の怨念抱えることになるわけだからそれ狂骨っていうより祟り神よな。もののけ姫の祟り神みたいに呪い振りまきながら狂乱して走り続けることになるんでしょうか……親父だけいつも救いがないのどうしてなん??

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