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困ってるのは誰? 

ある高齢者施設にお勤めの介護職の方が「困っている」とおっしゃいます。

そのお困りの状況とは利用者A子さんの入浴にまつわること。

「A子さんをお風呂にお誘いしても、男性介助は拒否されて、困っています」

…だそうです。

ん?

困っているのは誰?

①「男性介助だったら入りたくない」と施設側の都合で言わせてしまった。でもどうしても女性介助の手配ができない曜日・時間帯がある。どうしよう。A子さんの貴重な入浴の機会が減ることになる。どうしたらいいの?とあなたや施設スタッフが困ってるの?

②それとも「お風呂に入りたいのに男性介助だから入浴できない」とA子さんが困ってるの?

③A子さんが男性介助は嫌だと入浴を拒否するので「計画どおりに業務が進まない」とあなたや施設スタッフが困ってるの?

どれ?

①かな?

②かな?

まさか③じゃないですよね?

…③でした。

うーん…そうですか…

ちょっと考えてみましょうか。

A子さんって、当然に羞恥心があって、男性に介助されてお風呂に入るなんて絶対イヤ!で、そしてそのことをはっきりと主張できる方なんですね。

仮に、仮にですけど、無理に男性介助で入浴したとして、それはいったい誰のため?「1回入浴をパスすること」の清潔保持の観点からのデメリットもあるでしょうが、それはA子さんにとって「男性介助でしぶしぶ不本意に入浴すること」を上回るに値する回避すべきデメリットでしょうか。

他にも「異性介助」を我慢してる人がいるかもしれないですね。気づかせてくれたA子さんに感謝しても良さそうです。

…と私なら考えますがいかがでしょうか。

本日は以上です。

今日も良い一日を!

*****柳田明子社会福祉士事務所〰聴く・伝える・ともに考える〰(2001年開業)〔(公社)日本社会福祉士会の独立型社会福祉士名簿に登録されています〕ブログ(2010年~)http://a-yanagida.asablo.jp/blog/***** 
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