メディアの話。赤い月と皆既月食と天王星と写真と
2022年11月8日。皆既月食だった。見た人も多いだろう。日本全国がものすごく晴れた。東京も晴れた。空気が乾いていて、水蒸気がない。おかげで街中でも星のまたたきが見えた。
自宅の前の道からちょうど上がってきたばかりの月が見える。三脚にカメラを乗せて、構えてみた。
いい月だ。
より天空に近い方に明るい星を見つける。木星だろうか。試しに撮ってみた。
なんと、ちゃんと撮れていた。今のカメラはすごい。。。
2時間ほどカメラを三脚につけて道っぱたに座ってた。
月も面白かったけど通りすがりの人が面白い。犬連れが多い。10組以上はいた。夜は犬の時間でもある。
近所の小学生や中学生や高校生も出入りする。
「わ、すげえ天王星映ってる!」
自動車で帰ってくる人も足を止める。
酔っ払いのオッチャンオバチャンも足を止める。
飛行機が幾つも月の脇を抜ける。
シャッタースピードたった2秒で星が線を描く。
星は確かに動いている。
全然飽きない。
家族が呆れて出てくる。
まだ見てるの?
見てる。
「夜ふかしの歌」という素敵なラップがある。
このラップに感化されたすてきな漫画があって、この曲をエンディングに持ってきたアニメもある。
夜、じっと定点観測。空と生き物としての人。
家の前でできる最高のアミューズメント。
夜ふかしとしての定点観測。そして。皆既月食はメディアである。みんながカメラを持っているいま。SNSにつながっているいま。
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