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メディアの話。

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2021年5月の記事一覧

メディアの話その114 メジャーな100万人 マイナーな100万人

「100万人って、マイナーでお取りつぶしの数字なんですよ」
 先週、テレビ関係の仕事をしたとき、とある放送系企業のトップ(年齢は私と同年代)とお話しして出た言葉。
 テレビの視聴率の話である。かつて100万人=1%と考えていたから、たしかに深夜番組でもなければ、即番組終了である。
 でも。
 この数字をテキストメディアに持ってくる。
 新聞でいえば、100万は巨大な数字である。日経新聞や毎日新聞の

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メディアの話その113 プラットフォームがテレビや映画や新聞を「捨てる」とき

ネットフリックスは、「テレビ」だろうか。「映画」だろうか。

いや、もはや「テレビ」でも「映画」でもなく、「ネットフリックス」である。

そこで流れているコンテンツの多くは「テレビ番組」でもあり、「映画作品」でもある。つまり、コンテンツは「従来のメディア」なのだ。

では、テレビなのか?映画なのか?

ちがう。ネットフリックスなのだ。

マーシャルマクルーハンがかつて発言したメディアの法則が明確に

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メディアの話その112 レイヤー思考(16号線も)。

レイヤー思考という、思想がある。

いま、私がでっちあげた。

レイヤー思考とは、なにか。

それは、過去から現代、未来に向かって、文明は「レイヤー=層」が1枚ずつ増えていくかたちで進化している、という思考法である。見立て、といってもいい。

新しい文明、というのは、1枚のレイヤー=層、なのだ。

過去でいえば、「農業」なんかがそうだし、「活版印刷」もそうだし、「蒸気機関」もそうだし、「電化」なん

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メディアの話その111 円谷英二ゴジラと庵野秀明ゴジラと日常と特撮と。

メディアの話その111 円谷英二ゴジラと庵野秀明ゴジラと日常と特撮と。

オリジナルの『ゴジラ』を久しぶりに見た。
10数年ぶりだ。
そして初めて知った。

『シン・ゴジラ』が、演出からプロットまで、オリジナルゴジラの正確なリメイクだったことを。映画をみるときには他人の批評を見ないで裸の状態で見る癖を昔からつけていたため、まったく知らなかった。おそらくたくさんのひとが言及している「当たり前」なのだろうけど、演出からカット、物語の構造までが明確に似せてある。実に面白かった

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