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自らに問い、自らと語り合う、双子座木星期

星のことを考えるのが好き。
「ここではないどこかへ」考え続ける
9ハウス・ステリウムのヤナヘイです。
西洋占星術の9ハウス・ステリウムとは
「哲学」の場に異常なほどに星が集まっている状態。
つまり、無類の考えたがりなわけで…。


気がつけばもう、双子座の季節。
5/26には、幸運と拡大の星「木星」が双子座に入りました。

伝統的占星術では、木星は双子座にあると「デトリメント(障害)」となります。木星らしくのんびり大らかに行きたいけれど、双子座の世界はチャッチャカしてるので、木星的にはちょっと居心地悪い感じ?でしょうか。

双子座の独り言力


私の次男は双子座なのですが、「もしや双子座の特徴?」とおぼしき「独り言」を、彼がつぶやく様を頻繁に目撃しています。

なんでもない瞬間に、小声でペチャクチャと口を動かし、ニヤニヤしているのです。

私が目にするだけでも結構な頻度なのだから、おそらく日常の大半を独り言しているのではないかと思われます。

それと、カードゲームの独りプレイというのも、もう何年もやっていまして。詰将棋をするかのように、自分が対戦相手も兼任して1人でカードゲームをするのです。

つまり、自分の中にもう1人の誰かを住まわせているようなんですよね。

そんな一人上手な彼の様子が、西洋占星術の観点から非常に気になり、「キミの独り言は、自分の中にいるもう1人の自分に向かって話しかけてる感じなの?」と、彼にたずねてみたところ…

スピーカーはいつも自分自身。聞き手は、語る内容によって変化するそうな。

・実在する個人(例えば友人)
・団体(例えば部活の仲間)

という具合に。

そりゃ〜、実に都合がいいな(笑)。俺の話を聞け〜🎵(聞く〜!)っていう状況を、常に作れる、作っているわけですね。


双子座とはなんの象意なのか?


さて。双子座の実例をいったん脇に置いて、「双子座」の世界観についておさらいしてみようと思います。

西洋占星術の12星座は、人の誕生(牡羊座)から肉体が死んで魂になる(魚座)までを描いていると言われています。

双子座の段階を人間の成長に例えるなら、生後1年ぐらいの乳児期でしょうか。

9-12ヶ月頃には、自分が手を振ると、鏡に映っている相手も手を振ることに気が付きます。1歳になる頃には、鏡に映っているのは実物の人ではないことがわかってきます。鏡に映っているのは自分だとはっきりと認識するようになるのは、2歳頃です。

自己認識が進むと、やがて自我の芽生えにつながっていきます。外の世界を自分で歩き、様々なものに触れることによって、行動の主体となるのは自分だということを感じます。自分と自分以外の他者は違う人間であることがわかってくるのです。

自分と他人の相違を認識して、好奇心を持って行動し始める時期といえますね。

一方、双子座のもとになった、ギリシャ神話はこんな感じ。

ギリシャ神話では、カストルとポルックスは、大神ゼウスとスパルタの王妃レダの間に、双子の兄弟として生まれた。ただ、カストルは人間の子として、ポルックスは神の子として生まれてしまったがために悲劇が起こる。

やがて、二人は成長し文武両道に秀でた立派な勇者となって、アルゴ船の遠征に参加して大活躍をして一躍有名になる。その後二人は、イーダースとリュンケウス兄弟と戦うことになるが、ここでカストルはイーダースに殺されてしまう。ところがポルックスは、イーダースが投げた石が頭にあたっても、リュンケウスの槍で突かれても死ぬことができない。

ここで初めて自分が神の子だと気がついたポルックスは、兄弟の運命の違いに嘆き悲しみ、自分の命と引替えにしても兄カストルを生き返らせてほしいとゼウスに頼んだ。最初は聞く耳をもたなかったゼウスも、兄思いのポルックスの願いを聞き入れて、二人を天に上げて星にしたという。

カストルとポルックス ~名前の由来と悲劇の物語~

同一視していた存在を失って初めて、自分が何者であるかに気づく。自分は自分でしかないが、他者がないと生きるに値しないと感じる。それが双子座の神話。

つまり、他者の存在を糧に、自分自身を知り、主体的に行動し始めるのが双子座の表すところ、と言えるでしょうか。

たとえば、もう少し先の段階である「獅子座」は、他者の賞賛があってこそ自分がアガる。他者に驚かれるような自分でいたいと、他者の視線を糧に目的意識を持って行動しますが

双子座の場合、他者の賞賛は特に求めていない段階。

「私はあなたとここが同じ」「私はあなたとここが違う」の発見がとにかく面白い。自分と他者、今と近未来などの身近な事象の相違点をひたすら見つけて言語化して表出したい! そんな気配がします。


双子座の守護星、水星ってどんな星?


双子座の守護星は水星です。

水星は太陽系の中でも一番早く動く惑星で、地球から見ると「逆行」の状態になることも多い星です。

地球から眺めたら、動きが早くつかみどころのない星だったのでしょうか? 西洋占星術では、情報やコミュニケーションを司る星、と言われています。

水星を象徴するギリシャ神話の神・ヘルメスは、こんなイメージ。

ヘルメスは古代の交易、富、幸運、豊穣、言語、盗賊、旅の神であった。 オリンポスの神々の中で最も賢く、最もいたずら好きであった。羊飼いの守護神として知られ、また竪琴を発明した。 

ヘルメスはオリンポスの神々の中で唯一、生者と死者の境界を越えることができる神であり、神々と人間との境界を越えることを象徴し、メッセンジャー・ゴッドの役割にぴったりであった。

抜け目ない感じのキャラクターですが、メッセージを担う重要な存在でもあります。

水星を守護星に持つのは、双子座と乙女座。どちらも人間の星座です。

人間の特徴は、言語を使うこと

人間と神、異なる種族のもの、男と女、私とあなた……同じようでいて異なるもの同士を、言葉を使って区別したり、結びつけたりする役割を担っているのがヘルメスと言えるでしょう。

水星は意外と動かない!?


地球からはチャカチャカとせわしなく動いて見える水星ですが、実は自転周期は約59日だそうで、自分自身の回転は結構のろい。

↓ これ面白いから見てみて!(水星はMercury)


水星の1日は長く、昼88日、夜88日。太陽に近いため表面温度がとても高くなり、昼夜の気温差はなんと660度。太陽系の中では最も過酷な環境なのだとか。ヘ〜。

水星。地球人の目にはフットワークの軽いキャラクターに見えるかもしれませんが、意外や意外、修行僧みたいな側面も持っていそうです。

双子座の人が持つカラっとした明るさ、割り切りの良さは、自らはゆっくりと回る水星の泰然自若とした動きに由来していたりして……。


双子座木星期に、独り言という名の自分会議を


5/26の午前8時15分に、木星は双子座入り。
約1年間、双子座に滞在し続けます。

水瓶座にいる冥王星、魚座にいる海王星とも吉角をとっています。

双子座1度のサビアンシンボルは、A glass-bottomed boat in still water.
「静かな水面に浮くガラス底のボート」。

観光地などにある、船底がガラスになった船のことですね。

素潜りやスキューバダイビングにでも慣れていない限り、普段はゆっくり見られない水の中を、落ち着いてじっくり、何があるんだろう?と眺めるイメージです。

水は感情を。水面下は潜在意識を表します。

自分の中にある感情や、表出していない意識を、静かな環境の中で見つめ直して言葉にしてみる。そして、聞き手と語り合ってみる。

・自由にイマジネーションを広げた理想の世界
・大切な人のために意を決してできること

そんなことを恥ずかしがらずに言葉にするのが良さそうです。まずは独り言か、それも恥ずかしい人は、ノートにただただ書き起こすとか。


ちなみに私は、これを始めた!
(毎朝、思いついたことを3ページ分、ノートにひたすら書くワーク)


それに慣れたら、心の通う仲間たちと「私、こんなこと思っちゃったんだけど!」と、気負わずに語り合うのが良さそうです。

双子座は風のサイン。「風の時代」は個であることが大切、と言われます。

個を確立して他とつながる。
自分とはなんなのかを知ってこそ始まる、他との関わりの世界。

そのためにも、自らに問い、自らと語り合う時間を拡大させていきましょ。


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