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第二新卒の挑戦

(Twitterはこちら → @yanagi_092)

前回記事のとおり、私は何も考えずに東京海上へ入社しました。学生時代は、大学3年生の秋から「俺、半年後に国家Ⅰ種試験を受けて官僚になる!」と無茶苦茶な宣言していましたので、就職活動は滑り止めです。

自己分析はしっかりやりましたが、適当に有名企業を受けていたのが実態で、「日銀:お祈り、JR東海:お祈り、東京海上:内定、三井物産:筆記落ち」という戦績でした。

東京海上の内定を貰った後は、一刻も早く国家Ⅰ種の試験勉強したかったので、4社目で就職活動は終わらせました。その後、国家Ⅰ種試験には落ちて東京海上へ入社をするのですが、「給与も良いし、人もよさそうだし、まぁいいでしょ!」という感じで「どんな仕事に就きたいか」ということは一切考えていなかったツケが来ることになります。

面接


示談の仕事を続ける覚悟はあるか?

1年目の終わりくらいから、「ずっと示談の仕事続けるの無理なんですけど・・・」という思いが強くなってきました。もともとは、マツケンサンバ事件を経て損害サービス部門を希望したこともあり、損害サービス部門に特段の思い入れが無かったことも事実です。

<ご参考:マツケンサンバ事件>


この手の話をすると、「東京海上には色々な部署があって、損害サービスばかりじゃないから・・・」と仰る方も多いのですが、私はそのような感覚的な話に依拠するのは嫌だったので、実際に人事速報から個別データを積み上げて分析をしました。その結果、損害サービス部門に配属にになると、約8~9割はずっと損害サービスのキャリアで終えていることが分かりました。

ぼく「データは嘘を付かない。損害に配属になると、ずっと損害のキャリアじゃないか。損害から他カンパニーへの移籍(約1割)を狙うのって、めちゃめちゃ確率が低いじゃないか。なぜ、このような約1割のサンプルを基に『損害サービスばかりじゃないから』的な話をする人が多いのか、意味が分からん。」

損害サービス部門の典型的なキャリアは、「示談の仕事 → 名を上げれば本社の損害企画 → また示談の仕事 → 自賠責調査事務所(※)へ天下り」というものです。

(※)自賠責調査事務所とは、公的保険である自賠責保険の査定をするところで、これまでは各損保の損害サービス部門の天下り先でしたが、近年は天下り先の減少により、営業の人も自賠責調査事務所を受験するようになっており、天下り先としての競争率は上がっているようです。

ぼく「60歳前になって、自賠責調査事務所へ天下りでハッピーエンド。確かに金銭的には裕福で生活には困らないかもしれないけど、ぼくはその人生を望むのか。いや、望まない・・・」


かつ、損害サービス部門は「損害保険会社の少数派」で政治力が弱いということもあって、損害サービス部門の担当役員の席は1つしかなく、キャリアを積み上げるには、期待値的にもコスパが悪すぎるように感じていました。近年では、保険金不払問題を受けて、もうちょっと損害サービス部門の地位を向上させた方が良いとのことで、7~8年前くらいから2人に増えました。とはいえ、たった2人ですけど(笑

役員


第二新卒へのエントリー

このような迷いのなか、第二新卒へエントリーをします。とはいえ、相変わらずどのような職業に就きたいのか、というイメージを持っていません。「とにかく、示談で人生を終わらせたくない」という気持ちしかなく、どちらかというと就職活動のやり直しに近い部分もあり、とりあえず有名企業へエントリーをしました。

集英社:お祈り、講談社:お祈り、三菱地所:お祈り

このように、お祈り続きで書類が通りませんでした。当時の日本は、まだまだ新卒一括採用が強く、中途採用は非常に狭き門だったこともありましたが、そもそも私が何をしたいのかといった軸もありませんし、職歴が1年しかないので、ビジネス戦闘力も新卒と変わらない訳です。

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とはいえ、第二新卒市場がどのようなものかを知ることができたのは、良い経験でした。今でも「転職すべきか悩んでいる」という相談を受けることがあるのですが、私は「リクルートエージェントでもJACでも良いから、すぐに転職エージェントへ登録をした方が良い」とお伝えしています。

そもそも、転職活動は無料だし、仮に内定が出ても条件が悪ければ辞退をすれば済む話です。転職活動での一番のメリットは、転職市場の動向を肌感覚で知ることではないかと思っています。「どういった業界で採用が多いのか」「市場で求められる能力と自分の能力とのギャップは何なのか」等を知ることは、非常に有用ではないでしょうか。大学受験の過去問分析と同じで、転職活動を通じた市場分析を、私はお勧めしています。


転職活動、その後・・・

ぼく「ビジネス戦闘力に大差が無い中途と新卒を比較したら、企業は新卒を採用するよなぁ。ある程度、職歴を付けないと転職は難しいのかな。それだったら、石の上にも3年、まずは3年間ガチで示談を極めてみようか・・・」


(続く)

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