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AIの時代における勉強の意義とは?

(Twitterはこちら → @yanagi_092)

ようやく、社会人2年目になりました。2年目になって給与も上がるのですが、住民税が期ズレで翌年から加算されてくるので、そんなに手取りは上がらないというマジックがありますので、新入社員の方はご注意ください。

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なお、この年収は15年以上前のデータですが、今の若手総合職の給与はもう少し低いと思います。近年の東京海上では、総合職の「主任」への昇格を1年遅らせる改悪がありましたし、国だけではなく終身雇用の会社でも若手は搾取の対象なんでしょうかね。そもそも、終身雇用制度が国の官僚制度を真似たものなので、国の方針も終身雇用の会社方針も似てくるのかなぁ、と思います。

自動車保険の勉強をガチで始める

前回記事のとおり、職歴1年では良い転職先が無く、当面は損害サービスの世界で職歴を積んだ方が良いのではないか、という結論に至りました。

そして、「示談の世界で人生を終わらせないために、自動車保険の勉強をガチで始める」という、矛盾に満ちた行動を開始します。自分自身と真剣に向き合って「自動車損害は嫌、絶対に嫌。じゃあ、どうする?」と考えたうえでの結論でした。

私のように、仕事が嫌で辞めたい人も多くいると思います。「仕事が嫌」と思うこと自体は、根性無しでも悪いことでもありません。中途半端に「嫌だ~」と言い続けても何も生まれませんが、「嫌だ」と思っている自分をもっと尊重して、そんな弱い自分と真剣に向き合ったうえで「何が嫌なのか、どうあれば満足するのか、そして、これからどうするのか」をとことん考えていけば、辞める・留まるにかかわらず、今後の行動に繋がるのではないかと思います。

これから

AIの時代に人間が知識を蓄積することは無意味なのか?

このように、自動車保険をガチることにしたのですが、私の採った戦略は「照会応答(Q&A)コーナーを理解したうえで全て覚える」ということでした。この照会応答コーナーというのは、マニュアルや約款を見るだけでは分からない事象に対して、本社の損害サービス統括部がQ&A形式で全社に開示しているものです。

全部で500事例くらいはあったでしょうか。すべての事例をプリントアウトして、単語帳のように理解&暗記をしました。では、なぜこのような戦略を採ったのか。これは、私の大学受験時代の「数学」の考え方に依拠していました。

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大学受験における「数学」という科目は、色々な解法パターンを理解して暗記していきます。Aのパターンの場合はXXXの解法、Bのパターンの場合はXXXの解法、、、といった具合で、内容をしっかり理解したうえで、解法の流れを暗記することが極めて重要となります。

しかし、大学入試において「Aのパターンを答えよ」というストレートな問題が出ることはありません。見たことのない「XYZパターンの場合はどうなる?」等の出題を通じて、各人の力量が試されます。この場合、色々なパターンが頭の中に蓄積されていれば、「これはAパターンとCパターンの組み合わせで解けるのではないか」といった発想に至る訳です。

これと同じ発想で、本社の損害サービス統括部が開示している照会応答を理解して暗記をすれば、自動車保険に対する理解が深まるだけでなく、見たこともない事象に対する判断の幅も広がるのではないかと考えたのです。

ここで、「Aパターン」「Bパターン」の理解&暗記に対して「AIの時代に人間がそのような知識を蓄積することは無意味」との声もありますが、果たしてそうでしょうか。

確かに、知識の蓄積という点だけを見れば、圧倒的にAIの方が強いです。しかし、各パターンの理解&暗記自体に価値があるのではなく、そのパターンを脳内で組み合わせ、現実世界で起きる複雑な事象に適用させることに、人間としての価値があるのではないかと思っています。「知識の蓄積」の点で人間の脳は非効率なのですが、一方で、人間の脳に「知識の蓄積」があれば、見たことも無い複雑な事象に解を出すことができる点で、まだまだ人間には「知識の蓄積」が必要なのではないでしょうか。

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なお、AIは「人間の会話の行間を読む」のが最も不得意であることを鑑みると、示談の仕事がAIに取って代わることはないと思われます。示談の仕事が嫌で損害サービス部門を去った身としては、何とも皮肉な話ですね。


保険金不払問題が止まらない

私は総合職でしたので、2年目以降は一般職の方の統括もしていました。

担当の人「XXXという事象があって、どうしましょ?」
ぼく「照会応答に似たような事例があったと思います。この照会応答の趣旨はXXXなので、本件にこれを類推適用すれば支払いができますね」

といった感じで、照会応答の勉強が功を奏し、少しずつ軌道に乗ってきた感じがありました。

保険金不払問題も落ち着いてきて、仕事に対しても前向きになってきましたが、残念ながらこれは序章に過ぎませんでした。

<ご参考:保険金不払問題>

上記「保険金不払問題」の第1弾は、「特約が付いているのに払っていない」等の明らかな事務ミスが対象だったのですが、第2弾は「補償内容を組み合わせた場合に、払えるものを払っていない」という、より複雑なチェックが要求されるもので、ここからが地獄の始まりなのでした。


(続く)

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