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私たちはどうしてたくさん音楽を聴くんだろう?

 私は音楽が好きです。主に洋楽をよく聴いていて、特にアルバムリリースが多い金曜日を迎えると、一気に世に放たれた音楽をたくさん聴きます。他にも、全く知らないアーティストでも見かけて気になったらとりあえず聴いてみる。そういう心意気で日々を送っています。
 例えば、こんな感じ。

 そう言えば、音楽をあれこれ深く探すことを「ディグる」と言うそうです。ポケモンのディグダと同じで、dig(掘る)を語源とする言葉ですね。
 こういった調子で掘るわけです。

 名前がつくと、ただ色々音楽を探して一心不乱に聴いているだけなのに、なんだか急に大層な技みたいに聞えてきます。


 さてさて。
 昔、会議中にふと音楽の話になりました。かつて音楽業界に居た社長が参加していたからでしょう。その時、特段音楽に興味のない先輩が言いました。

「音楽好きの人って、どうしてたくさん音楽を聴く(ディグる)んですか?」

 それに対し、社長の答えはこちら。

「他の人よりも先に知っておきたいから。その方が後で“俺は前から知っていた”って自慢出来る」

 社長の言葉を聞いて、当時かなりびっくりしたのを覚えています。社長と名のつく仕事をする人は、人生を通して常に競争意識の中に身を置くんだなあと。職業病なのか、天成のものなのか。私には、自分がたくさん音楽を聴く時に、周りの人のことを考える意識がすっぽり抜けていました。
 
 私がこの質問に答えるとするならば、もう少し切実な理由です。

「自分が好きな音楽を見つけられるのは自分だけだから」

 これに尽きます。

 世の中には音楽がたくさんあって、AmazonやiTunesは「この音楽が好きな人はこちらも聴いています」といったレコメンドをしてくれます。音楽レーベルは新しいアーティストの紹介を続け、街中で音楽は流れ続けます。
 でも、どれだけ情報が流れて来ても、その中から最終的に「私はこの音楽が好きだ」と判断出来るのは私だけ。一秒先の自分が心震わせる音楽を探し出すことが出来るのは、残念ながら私だけなのです。

※日頃、どうやって新しい音楽を探しているかはこちらの記事にて。

 もし、私の好みにぴったりのレビューをしてくれるレビューサイトがあればそれを見続ければいいのかもしれませんが。そんな偏った情報源は存在しないことでしょう。そもそも私だって、今一番好きな音楽を、明日も一番好きでいられるかわかりません。

 あなたが音楽好きで、音楽を探すのが好きならば。あなたはどうしてそんなにディグるんでしょう。
 理由は聞きたいような、内緒にしておいた方が風情があるような。もしかしたらこの話題は、ちょっぴり繊細な話なのかもしれませんね。



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© 2022 Aki Yamukai

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