Eurovision Song Contest 2023 決勝の「好き」と「トピック」
終わっちゃいましたね、Eurovision Song Contest 2023。あんなに楽しみにしてたのに、この一週間はあっという間だった……。
決勝(Grand Final)は約4時間のアーカイブが公式のYouTubeチャンネルに残っています。全部見ながら楽しむのも良いですが、「初めてユーロヴィジョンに触れるからどこかおすすめのところから見たい」という人もいらっしゃると思います。
そこで今回は個人的に好きな場面・パフォーマンスや、今年のユーロヴィジョンで話題になったトピックをサラッと残したいと思います。
Grand Finalで好きな場面・パフォーマンス
● オープニングアクト
昨年の優勝、ウクライナのバンドKalush Orchestra "Stefania"で幕を開けました。
ムービーでは、彼らの楽曲にSam Ryder(2022年のイギリス代表、2位)やAndrew Lloyd Webber(「オペラ座の怪人」や「キャッツ」をはじめとする名曲を生み出した音楽家)、そしてキャサリン妃が呼応して演奏を進めて、ユーロヴィジョンのステージに彼らが登場するという構成。
メロディラインや歌唱法、笛の音色が独特で、1年経った今でも耳に残るいい曲だなあと思います。
2022年に彼らが優勝した時は、ウクライナ情勢への同情票だ、出来レースだなんて無粋なことを言う人も多くいましたが、曲聴いてみれば優勝するのもわかるでしょ、という気持ちでいっぱいです。
なんかわからんけど私は感極まって泣きながら見てました。
● Flag Parade(出場者入場)
ケミカルブラザーズの"Hey Boy Hey Girl"のアレンジで入場開始。確かロンドン五輪の時も、入場の場面で彼らの曲が使われていましたね。イギリスの全力を見せつけて行く……。
サムネにもあるように、イタリア代表がレインボーフラッグを掲げて入場したのもかっこよかったです。
途中でウクライナのアーティストたちのパフォーマンスが加わるのも印象的でした。やっぱりウクライナで開催されるEurovision2023見たかったなあ。
特に、ウクライナのVerka Serduchka(2007年のウクライナ代表で2位。女装した男性です)が楽しそうで、ステージの全員の衣装が可愛くて、曲はノリノリで素敵過ぎて泣きました。
● 各国パフォーマンス
私のおすすめの出場者を取り上げます。感想は今までの記事で散々書いて来たので、今回はぐっと堪えて(堪え切れていないこと多々)パフォーマンスの様子をお届け。順番は出場順です。
・Teya & Salena - Who The Hell Is Edgar? (オーストリア)
開幕に相応しいポップソング! このゆるっとしたダルそうな若者っぽさと、2人の歌唱力の高さの絶妙なバランスが大好き。
・Remo Forrer - Watergun (スイス)
・Andrew Lambrou - Break A Broken Heart (キプロス)
・Loreen - Tattoo (スウェーデン)
初めて見た時からずっと「なんか優勝しそうなオーラを感じる……」と思っていた大本命。ステージの外ではどこかアンニュイなのに、いざ歌い出すとこんなに力強いパフォーマンスをするなんてずるい……好きにならずにはいられません。
・Marco Mengoni - Due Vite (イタリア)
静かに始まってサビで歌い上げるパターンって定石ではあるんですが、とても感動的で痺れました。客席のライトも星空みたいでとても綺麗で……。泣いてしまった。歌い終えた瞬間、膝から頽れた彼の姿も美しかったです。
・Käärijä - Cha Cha Cha (フィンランド)
一般票一位も納得の人気者。彼が出てくるときの歓声、サビのCha, cha, cha, cha, cha, cha, chaのコールの大きさは決勝戦でも健在でした。ライブで観たいアーティスト。
・Gustaph - Because Of You(ベルギー)
この、シティーポップ、レトロなダンスミュージックな80~90年代風の曲本当に好き。ハイトーンな彼のボーカルにあってますね。聴きながら颯爽と街を歩きたくなる曲です。
・TVORCHI - Heart Of Steel (ウクライナ)
彼らの楽曲はぜひ登場ムービーから観て頂きたいです。
・Lord of the Lost - Blood & Glitter (ドイツ)
彼らもぜひ登場ムービーからお楽しみ下さい。人生には、イケオジ・ジャーマンメタルバンドが必要な時もあるんですよ。
ライブとの差が激しい。メインボーカルが集中線背負って出てきてくれることなんて、宝塚かLord of the Lostくらいですよ。
・Monika Linkytė - Stay (リトアニア)
・Noa Kirel - Unicorn (イスラエル)
・Joker Out - Carpe Diem (スロベニア)
私が準決勝から応援していたバンド枠の中で、唯一決勝に進んだ人たち。場慣れしてる感じで、相変わらず楽しそうで何よりでした。
何度見ても、「会場の観客を楽しませる」と「カメラの向こうの観客を巻き込む」に意識が置かれた演出で、巧いなあと思います。
● Vote Time|Liverpool Song Book
過去の出場者たちによる歌唱です。公式だとアーティスト別に細切れで公開されている動画もありますが、👇のリンクから丸っと続けて見て頂くと感動が増します。
その中でも異彩を放っていたのは俺たちのDaði Freyr。俺たちの……? いや、疑問を抱いてはいけません。俺たちのDaði Freyr、私はそう思っています。
彼については、以前こちらの記事で触れました。
今回は彼一人の名義での出演でしたが、最終的にはたくさんのDaði Freyrに囲まれて楽しそうでしたね。集合体恐怖症の人はちょっぴりご注意を。
Liverpool Song Book、最終的にウクライナの合唱と合流して終わる演出なのも素敵でした。
● 各国投票結果発表
投票権のある国が、国内投票の結果発表をする場面。各国数秒間しか会場と時間を繋げないのですが、なぜか仮面姿で現れたアイスランド。時間をフルに使って無言を貫いた彼が発した一言とは……?
● 結果発表!
最後は、一般票で一位を獲得して一気に順位を上げたフィンランドと、安定した得票数を得ていたスウェーデンの一騎打ち!
うぉぉぉぉぉぉーーーーー! おめでとうスウェーデン!!! Loreenはユーロヴィジョンで2冠を達成です🏆🏆
優勝が決まってもずっと不安そうな表情でステージに向かう姿は、なんだか普通の女の人に見えて来るので不思議。
あの表情から、いざパフォーマンスが始まったらこうですから……。好き……。
後で調べてみたところ、彼女は優勝候補として結構多くの人から支持されていたそうですね。私も、第一印象でそんな気配を感じていたのですが、自分一人だけの感覚ではなかったんだなあ、Loreenはすごい人だなあとしみじみ思いました。
女性ボーカル一人、ステージには彼女以外誰も居ない分、「上下を板で挟まれている演出」で観客の視線を彼女が居る一か所に集中させる、という技法が見事ですよね。楽曲が盛り上がるほど、彼女がその板を打ち破って行く様に見る者の意識が引き寄せられ、大サビの解放感ったらもう……。
素晴らしい優勝者だと思います。ありがとう、Loreen……!
話題のトピック
楽しいお祭りが終わった後、各メディアで報じられたユーロヴィジョンにはいくつかの共通する項目がありました。
・ウクライナ侵攻との関連
・ウクライナ代表の出身地、出演中に砲撃され 欧州歌合戦ユーロヴィジョン(BBC)
・欧州最大の音楽祭でウクライナ代表のステージ10分前、ロシアが彼らの故郷にミサイル攻撃(日刊スポーツ)
この攻撃とユーロヴィジョンがどこまで関連しているのかはわかりませんが、今も戦争が終わっていないことを思い知って本当に心が痛みました。
私がどれだけ心を痛めても、本人たちの苦しみを癒すことは出来ないのですが……。全ての国の、戦いたくないのに戦わざるを得ない状況に置かれている全ての人が平和に過ごせる日々が早く来て欲しいです。
・女性初の2度目優勝
・欧州歌謡祭、スウェーデン代表に栄冠 女性初の2度目優勝(APP)
・欧州歌合戦「ユーロヴィジョン」、スウェーデン代表が2度目の優勝 女性として初(BBC)
Loreenや楽曲について特に掘り下げていた記事はこちら。
・2023年のユーロヴィジョン・ソング・コンテスト、優勝国が明らかに(NME Japan)
個人的には、こういうアーティスト自身や楽曲についての内容をもっと報じて欲しいな~なんて思いますが、NMEは音楽関連メディアで、APPやBBCは報道メディアなので仕方がないかもしれませんね。
2024年も楽しみ!
ずっと楽しみにしていたお祭りが終わって、ロスが激しいです。全行程が終わったので、これから出場者の中で気になった人たちの過去のアルバムなどを聴いて行こうと思います。
来年も良いお祭りになりますように。そして、世界が平和になりますように!!!!!!!
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© 2023 Aki Yamukai
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