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〈2024年8月〉今月のかっこいい音楽詰め合わせ

 2024年8月に聴いた49枚のアルバムの中から、特に好きだと思ったアルバムをご紹介します。パラリンピックや野外音楽フェス、更にはOasis再結成やLinkin Parkの謎カウントダウンなど音楽が大盛り上がりの8月でしたね。人生においてお耳のお供はあればあるだけ良いものですから、この機会にぜひ覗いて聴いてみて下さい。
 また、選んだアルバムの感想の他に、以前関連するエッセイを書いていた場合は一緒にリンクを掲載しています。気が向いたら併せてどうぞ。


Moses Sumney / Sophcore EP

 アメリカのSSWで、セルフ録音をしながらライブで演奏する形式でお馴染みのアーティスト。私は2018年のキリスト品川教会でのライブで初めて彼の歌唱を目の当たりにしたのですが、教会というロケーションも相まってそれはもう美しくて神聖で圧倒されたのを覚えています。それでいてシニカルな話し振りなのも印象的でした。
 2021年のライブアルバム『"LIVE" FROM BLACKALACHIA』よりも本作は聞きやすく感じたので、初めて彼の音楽に触れる方にもおすすめしたい一枚。

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Oso Oso / Life Till Bones

 アメリカのロックバンドで、私は2022年リリースのアルバム"sore thumb"が結構好きでした。エモロックとはまさにこのことだなあ……という、聴き手が各々持っている“あの頃”を感じさせてくれるアルバムです。

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Beabadoobee / This Is How Tomorrow Moves

 フィリピン出身ロンドン育ちのSSW、Rina Sawayamaが所属するレーベルDirty Hit所属です。ティーンの不安定さを音楽にするのが上手な人で、本作も世代を問わず聴く人の心をぎゅっと掴むエモーショナルなメロディラインが印象的です。それを可愛らしい声で歌い上げてくれるので、どこか懐かしい切なさを覚えます。

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Peter Cat Recording Co. / Beta

 インド・デリー拠点のロックバンドで、本作は5年ぶりのリリースだとか。インドの音楽と言うと、インド映画で使われる独特の歌唱やメロディが連想されますが、本作はそういう感じではありません。おおらかでゆったりしたジャズやソウルが心地いいです。

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Louis Cole / nothing

 類まれなる音楽センスでRed Hot Chili Peppers、Björk、Vulfpeck、Thundercat、Flying Lotusを魅了するアメリカのミュージシャン。人力でドラムンベースを再現する彼の超絶技巧は、世界中の人を驚かせています。

 このアルバムは、そんな彼がオランダのメトロポール・オーケストラとコラボした作品です。メトロポール・オーケストラもクラシックとは違うジャンルとのコラボが得意な楽団とのことで、「こんな音がオーケストラで聴けるのか」とワクワクするアルバムでした。
 音源だけで楽しむのは勿論、映像込みで味わうのがいいと思うのでフルで聴ける動画もご紹介しておきます。

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Thee Marloes / Perak

 インドネシア・スラバヤ出身の、スリーピース・ネオソウルバンド。私は初めて彼らの音楽を聴きましたが、とても好みでした。インドネシアのバンドってあんまり聴く機会がないので、見つけられて嬉しいです。Khruangbinのちょっと怪しげなサイケっぽさもあり、Moonchildの心地よくさらりとした除湿系のネオ・ソウル感もあり……。これからも色々聴きたいバンドです。

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Horse Jumper of Love / Disaster Trick

 スリーピース・スロウコア・バンド、本作はRun For Cover Recordsからのリリース。「弦が鳴ってる」感たっぷりのギターの音色、鬱々としている内向きなメロディライン、だけど重たく暗いわけではなくどこか希望を感じる聴き心地が印象的。気づくと引き込まれてしまう世界観です。

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Wishy / Triple Seven

 元HoopsのメンバーKevin Krauterが所属しているシューゲイズ・ドリームポップバンド。この前にリリースされた“Paradise”も好きだったバンドです(もっと言うとHoopsが私は好きでした)シューゲイザーと言われるとっつきにくいのかな? と思う方も多いとは思いますが、このバンドはドリームポップ要素が強いので聴きやすく、体に染み渡る音楽。(私のような)シューゲイザー初心者の方にもおすすめです。

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Gift / Illuminator

 2020年結成のニューヨークの5人編成バンド。レコードショップならオルタナティブ・ロックの棚にどどんと置いてありそうな、正統派なロックが聴けるアルバムです。ご本人たちは「90年代のイギリスのレイヴ・カルチャーに対する、僕らのサイケ・ロック・トリビュート」と語っているようですが、いわゆる”イマドキの”リバイバルミュージックではなく、2024年の彼らを感じる音だなあと感じました。

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Joe P / Garden State Vampire

 元々組んでいたバンドがパンデミックでほぼ解散状態になってしまったことをきっかけに、ソロ活動を始めたSSW。TikTokから人気になってブレイクしたという、現代のシンデレラストーリーを地で行くようなキャリアを積んでいる人ようです。
 どこか懐かしさを覚えるメロディライン、ガサツなようで繊細な歌い方が印象に残るアルバム。好きですね。

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The Softies / The Bed I Made

 Floristが好きな人におすすめしたい、USインディ・レジェンドデュオの 24年ぶり新作スタジオ・アルバム。柔らかくさらさらしたボーカル、シンプルなギターの組み合わせが本当にいいですね。夏の終わりの木陰で聴きたい一枚。

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Nicole Miglis / Myopia

 LAのフォークトロニカ・バンド Hundred Watersの中心人物、Nicole Miglisのソロアルバム。穏やかで近しい雰囲気の音色を聴いているとなんだかぼんやりと心が溶けて行く感じがします。

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Tycho / Infinite Health

 言わずと知れたサンフランシスコ拠点のScott Hansenによるソロ・ユニット。本作はこれまでの浮遊感あるアンビエントなエレクトロニカの要素を残しつつも、ビート強めな印象。一曲目なんかだるそうに歌うロックのボーカル入って来てもおかしくない雰囲気で興味深かったです。それでもちゃんとTychoだってわかるのがすごい。延命できる音がします。

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Why Bonnie / Wish on the Bone

 以前こちらのエッセイでデビューアルバムを取り上げた、テキサス発ブルックリン拠点のオルタナティブロックバンド。

 本作はドリーミーな雰囲気が強くなっているので、シューゲイザー・ドリームポップが好きな人にもおすすめしたい一枚です。

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 エンターテインメント全般が賑やかだった8月でした。来月からもいい音楽を楽しみに生きていきましょ。


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先月聴いたアルバムはこちら。

矢向の 2024年上半期ベストアルバム10選+α #AOTY2024 はこちら。

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