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「数字」は天からのメッセージ       2024年2月1日(木)その①

1日はアオイの給料日になっていた。月に2回、お給料が振り込まれるようだった。朝のうちにカズ君が通帳を記帳すると、8万円ほど振り込まれていたと連絡があった。
アオイはずっと、すごく沢山お給料が入るからと言っていたので、この金額に納得するのだろうかと思った。

アオイは10時ごろ起きて、誰かと電話で話していた。
とても楽しそうに笑い転げて話していたので、私も嬉しくなった。
後で聞くと、働いていたクラブのボーイさんと話していたらしく、クラブのロッカーに置いていた荷物を、家まで届けてくれるとの事だった。
彼は電話で話しながら向かってくれていたようで、もうすぐ着くというので、急いでメモに、お礼とお詫びと私の携帯番号を書いた。
そして私もアオイと一緒に外に出て、彼が来るのを待った。
どんな人が来るのかなと思ったら、ボロボロの軽自動車に乗った、優しそうな、アオイと同じ年頃の男の子だった。
後部座席に荷物があると言って、渡してくれた。
他にも大きな荷物があったので、「これもかな?」と私が聞くと、「これは自分のボウリングの道具です。プロボーラーをめざしてるので。」と彼がいった。
「すごいね!頑張ってね!」と言って、準備しておいたメモをこっそり渡して見送った。

この日は、保健所に相談に行くことになっていた。
(警察からカズ君へ連絡があり、保健所に行くように言われていた。)
13時に行くことになっていたので、軽くご飯を食べてから行った。
保健所では、とても優しそうな女性職員の方と、男性職員の方が対応してくれた。
行ってすぐに相談室に案内しようとしてくれたのだけれども、どの部屋も鍵がかかっていて、薄暗い廊下で待っていると、アオイが「何ここ、刑務所みたい。」と言って機嫌が悪くなってきた。
しばらくして、やっと空いている部屋へ案内された。
保健所の方は「入院しますか?」と聞かれたのだけれど、アオイも入院は絶対しないと言うし、私もそれはかわいそうだからさせようとは思っていないと答えた。
保健所の方は、「わかりました。」と言って、これまでの経緯を聞かれ、アオイが話はじめた。
アオイは、これまでも心療内科で診てもらい薬を飲んだけど、薬を止めた時の離脱症状がキツイこと、自分が発作が起きた時の対処法も分かってきて、ヘッドフォンで音楽を聞けば大丈夫だという事を言った。
私はそんな話は聞いたことがなかったので、少し驚いた。
そして私も、今回の事を包み隠さず話した。アオイにもちゃんと聞かせた方がいいと思い、Aさんと話した事も、その内容も話した。
そしたらアオイの様子がおかしくなってきた。
「また発作が起きる!」と言って呼吸が荒くなり、椅子から滑り下りて地面に座り込んだ。
そしてしばらくの間Aさんへの恨みなどを口に出していたけど、女性職員の方が話を変えてアオイに質問すると、パッと元に戻り喋りはじめた。
私もアオイも、ただただ保健所の方に話を聞いてもらった。
私は保健所で、障害年金のこととか、これからどうしたらいいのかを教えてくれるのかなと思っていたけど、何もなかった。
そういう事は市役所で尋ねるように言われた。
最初に入院の事を聞かれたので、ここではそういう相談をするんだと思ったけど、話せてよかったと思った。
そして、話をする大切さが分かった。

アオイは移動中ずっとSIMカードについての問い合わせをしていた。
途中で、おなかがすいたと言い出したので、マックに寄って照焼きバーガーセットを買って、カズ君の家へ向かった。




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