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【イベレポ】CROとは、Saas企業のレベニュー最大化のために欠かせない調整役。

Saasと呼ばれるサービスをよく見かけるようになりました。弊社もそのSaasサービスを扱う一社であり、弊社のクライアントにも複数社いらっしゃいます。

業界の成長度合いは、多くを語らずともスマートキャンプ社運営のボクシルマガジンで見かけたカオスマップが物語っています。

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(画像:https://boxil.jp/mag/a6570/)

こうしたSaas企業が抱える大きな課題の一つに、「レベニュープロセス・アラインの整備」があるかと思います。

マーケティング・SDR・フィールドセールス・CSと多くの部署が連なってサービス価値を形成している中で、いかにしてそれらを点ではなく線にしていくか。

弊社でも様々なトライをする中で、ある言葉を耳にするようになりました。

CRO(Chief Revenue Officer)
…収益プロセスを最適化するために各部門の連携を高め、テクノロジーを駆使しながら組織作りを実行する推進リーダー。
FORCAS イベントページより)


今回は、実際にCROとして、あるいはCRO的な役割を担って活躍されている方々が登壇するイベント「CRO JAM – 急成長SaaS企業が実行するレベニュー組織のつくり方 – (2019年10月3日開催)」があると伺い、参加しました。

「CROとは?」
「CROに求められる人物像とは?」

パネルセッションI 『なぜ今、CROが求められるのか』の模様を書かせていただきます。

▼登壇者
 西山 直樹氏(ベルフェイス株式会社 
        取締役 マーケティング事業部長)
 阿部 慎平氏(スマートキャンプ株式会社 取締役 COO)
 田口槙吾氏(株式会社FORCAS 執行役員 CRO )

▼モデレーター
 森 敦子(株式会社ジャパンベンチャーリサーチ
      執行役員 シニアアナリスト)


–– CROとは? ––

まず語られたのは、CROの定義について。

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次の話題は、気になるCROとしての具体的な活動内容について。

田口氏:KPIは、シンプルにレベニューです。もっと言うと、MRR(月間)。MRR最大化のためには新規の売り上げだけではなく、アップセル額、解約企業なども見なければならないので、活動割合としては「新規営業:CS:教育=5:4:1」くらいですかね。

全部の中間にいて、部分最適と全体最適を両立し続けられるかどうかを意識しています。
阿部氏:田口さんと同じ感じで、立てた売上計画を達成するためにできることをやるという役割です。

マーケ〜CSまでの各指標を見ていて、各マネージャーを週一でmtgをしながら進めています。
西山氏:田口さん、阿部さんと同じような感じで、うちも各マネージャーと定期mtgを行っています。各マネージャーは目の前のことを追っているので、その中で気づきづらい潜在的な課題、未来に起こる問題にも目を向け、話すようにしていますね。

異なる指標を追い、異なる業務内容を行う各部門を一つの方向へまとめていくことはそう簡単ではないように思えます。どのような工夫を行っているのか、田口氏が一つ明かしてくれました。

田口氏:新規で獲得した際には、その獲得に至った経緯と成功要因をシェアしてもらうようにしています。

どのようなところから入ったリードで、SDRではどのような対応をしていて、何が導入の決め手になったのか。

そうすると、すべての業務がレベニューにつながっていることを実感できるじゃないですか。

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–– なぜ、CROが登場したのか? ––

CROが果たす役割と活動内容がよくわかったところで、CROという役割が登場した背景についても語られた。

西山氏:売って終わりというサービスよりもサブスク型のようなサービスが増えてきた中で、分業し、各専門性を育てる必要が強く出てきたと思っています。そうした中で、分断が生まれないようにまとめる役割が必要になってきたということなんじゃないですかね。
阿部氏:そうですね。サブスク型のサービスを語る上で欠かせないLTVという指標がありますが、このLTVを向上させるためにはどの役割も大事ですよね。

雑な営業をすれば解約率が上がってしまうし、CSが整っていないと継続期間が伸びない。

こうした中ではマネージャー間の連携というのがとても大切で、それぞれが同じ方向を見れていないと崩壊してしまうんです。

なので、うちはマネージャー同士が自己開示をするような機会を設けてます。それぞれが抱えるバックグラウンドや特性を理解しておくことで、お互いにコミュニケーションをとりやすくなりますからね。
西山氏:とてもいいですね。

うちでは、マーケ、SDRの目標設計に少し工夫を加えてます。具体的には、それぞれの部の目標数値のうち7割をリード・アポ数に対して設け、3割は売り上げに対して設けるんです。そうすると、それぞれの意識が売り上げに集約されていく。


–– CROに求められる人物像とは? ––

お三方の話を伺い、今後さらに重要度を増していくように感じたCROという役割。その役割にふさわしい人物像、求められるものは、一体どのようなものがあるのでしょうか。

阿部氏:レベニューを上げるという意識は必要不可欠ですが、そのために様々な場面で調整力が求められるでしょうね。
田口氏:そうですね。縦割り業務になって部門が分かれていくと、あるチームは目標を達成、あるチームは未達という状況ってありますよね。そうした中で、一つのチームだけが数ヶ月未達が続くような場合、それは不協和音のサイン。テコ入れ、調整に取り掛からないと。
西山氏:あとは、適材適所の人員配置ができるような能力も求められると思いますね。

例えば、今の業務に飽きている人や苦しんでいる人がいれば、その人の強みを見抜き、より最適なポジション・部署へ移していくとか。

実際に、うちでもそういう社員に声をかけ、本音を引き出し、強みに応じて私から部署変更の意思決定をすることがあります。それが、結果的にレベニューの最大化のためにつながりますからね。
森氏:お話を伺っていると、役割として他のCxOとかぶってくるところがありますね。
西山氏:そうですね。うちはCEO以外にはCxOポジションを設けていませんが、CEOとは明確な役割の違いを感じますね。

CEOは、とにかくでかいビジョンを描く人。それは、僕にはできない。
田口氏:わかります。

うちもCEOは未来・ビジョンを語る人で、CROはそれを社内外にストーリーとして落としつつ、より具体的なところ、足元を見ていくような感じですね。


–– 最後に ––

冒頭で触れたSaas企業が抱える大きな課題の一つに挙げられる「レベニュープロセス・アラインの整備」。

その解決に取り組むお三方とCROという役割について、今回は書き留めました。


MRRの向上や部署間連携の円滑化をお考えの方がいれば、ぜひこのような役割を設けてみてはいかがでしょうか。


多くのSaas企業に導入いただいている弊社サービスは、こちら。



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