見出し画像

ブルとベアは儲かる、ブタは虐殺される

“Bulls make money, bears make money, pigs get slaughtered.”
『ブルは儲かる、ベアは儲かる、ブタは虐殺される』とは、過度に貪欲になることを戒めている、投資業界の古い有名な格言です。Nvidiaは誰もが認める先導株で非常に流行っているので、今のNvidiaホルダーが欲深いブタなのかどうか、クライマックストップの特徴も含めて考察していきます。

William J.O’Neil流のトレード

William J.O’Neil先生がトレーダーか投資家というと、どちらかというと投資家よりだと思います。オニール流の大勝ちパターンでは、強靭なfuandamentalを背景にもつ大物先導株を探し、握力強く保持し、時に買い増しを行ってポジションを大きくし、適切なタイミングで売って大きな利益を狙います。ただ、売りのタイミングはトレーダー寄りです。”株価が天井をつけていても、収益はまだ100%上昇していたり、アナリストがこれからも成長を続けて株価も上昇すると予測しているものなので、ファンダメンタル指標は売る時にはあまり当てにならない”(オニールの成長株発掘法)と述べられています。

オニールの成長株発掘法から学ぶ売りのタイミング

Investors Business Dailyのサービスを利用しているオニール流の投資技法では、「オニールの成長株発掘法」「オニールの相場師養成講座」の本はかかせません。売りのタイミング、特に株価の天井であるクライマックスに関しては、「オニールの成長株発掘法」では第2部”最初から賢くあれ”の第11章”いつ売って利益を確定するか”で、「オニールの相場師養成講座」ではステップ4”利益を確定する最適なタイミングで売る方法”で詳しく学ぶことができます。

クライマックスの特徴」の記事でも一部言及していますが、先導株がクライマックストップを迎える時には、その付近でいくつか足跡を残してくれます。
・1日の上昇幅が最大
・1日の出来高が最大
・大きな窓開け上昇(exhaustion gap)
これら3つは、値動きが示す、簡単かつ重要なサインです。

他に個人的に重要視しているサインは下記のものがあります。
・週足チャートでみる線路サイン(railroad track)
・後期(弱き相場が終わり上昇局面となった第3や第4)のベース
・過度な株式分割
・第1ベース時のPERと比較しPERが2-3倍伸びている
・株価上昇に一致しないRelative strengthの悪化

Nvidiaの現在の値動きを見てみる

2024年6月3日marketが開く前のNvidiaの株価チャートである。今は、3/8の大きな下落の高値を上値とした第2ベースの上を抜けて株価上昇が持続している。

Nvidiaを見ていきましょう。クライマックストップでは、連日の急騰や、きっかけのない2桁%の上昇がザラにあります。2/22の決算発表時、5/23の決算発表時は急騰していますが、決算というきっかけがあり、また翌日の株価上昇は大したことはないので、連日の出来事ではありません。出来高は、3/8のミニクライマックスの下落日のものが直近で最も大きいですが、最近起こっている株価上昇時の出来高は最大ではありません。窓開け上昇は何度かありますが、これも連日ではありません。株式分割は、6/7付で1:10で行われると5/23決算時に発表されました。また私はトレードノートに、かならず購入時のPERを記載していますが、2024/1/8に長い第1ベースからbreakoutした時の株価は$506でPER(直近12ヶ月)は56でした。今は第2ベースからbreakoutしており、株価$1,100でPERは61です。Relative strength lineは新高値更新と共に伸びており、RS値も高いままです。

以上より、Nvidiaにはやや過熱感はありますが、まだクライマックストップの特徴を満たしておらず、まだ天井ではないと思っています。私は、Nvidiaはきれいなクライマックストップを形成すると思っています。なぜなら、 ”大物主導株の5つに4つはクライマックストップを付ける” (オニールの相場師養成講座) からです。それは、今後1年以内にまた株式分割のアナウンスがあったり(過度な株式分割)、利下げも相まってPERが120-150に上昇したり、連日2桁%の上昇があってもインフルエンサーのアンケートで ”まだまだ株価上昇する”意見が多かったりと、皆の熱狂が最高潮に達して、アワ踊りを踊っている、その真っ只中に来るのだと予想します。

参考
チャート:MarketSurge (外部リンクに飛びます)
MarketSurge(旧MarketSmitj)に関する記事:MarketSurgeの紹介
クライマックストップに関する記事: クライマックストップの特徴
William J.O’Neil 「オニールの成長株発掘法」「オニールの相場師養成講座」

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?