ラーメンにアーメン。
七月、梅雨。なのに夏みたいなお日様がジリジリ照りつける日ばかり続いている。
毎日暑くて溶けちゃいそう。
K子もみんなと同じく暑さに辟易していた。
暑い日が続くと、冷たいものが食べたくなる。
アイスクリーム、かき氷、白くま、フラペチーノ、そうめん、冷やしうどん、涼しい部屋で食べるあんみつ。
忍者になりたいあの娘は、冷やし中華が食べたいと言って、授業が終わる5秒前に、さっさと教室を出て行ってしまった。
お昼時、K子も何か涼しくなれるものを食べようとアスファルトが熱々の鉄板のような街へ繰り出した。
さて、なんとなく街へ出たものの何を食べよう?
そう考えているところにラーメン屋の看板が見えた。
ラーメンには目がないことでは、ちょっと有名なK子はラーメン屋の看板に近寄り、その下に掲げられているお品書きを見た。
暑いからやっぱり冷やし中華かな…。
ちらりと頭を冷やし中華が過ぎった。
しかし、K子が今、目の前にしているこのラーメン屋は冷やし中華は出していないようだ。
しかも、よりにもよって博多とんこつラーメン。と書いてある。
コテコテのアツアツラーメン。
どうしたものか?
K子は一瞬、目の前に立ちはだかる博多とんこつラーメンにひるんだが、ここは負けていられないと暖簾をくぐった。
K子は食券を買い、カウンターから店員に食券を渡す。
店員が「麺の固さは?」と聞くと、
K子は躊躇なく、
「固めで」と言った。
やはり麺はアルデンテに限る。
食券を出して間もなく、注文したラーメンがカウンターに置かれた。
想像していた通りの博多とんこつラーメン。
コテコテのアツアツだ。
K子は黙々と麺を啜る。
スープは味見程度に一口飲む程度。
これがK子のラーメンを食べる時の掟だった。
ラーメンと対峙している最中、ふと上を見上げると壁に
「替え玉1玉無料」と書いてある。
K子は悩んだ。
ただでさえ暑い中、体力を消耗しながらアツアツコテコテのとんこつラーメンと戦っているのに、この上さらに替え玉?正気なの?
15分後、
大判チャーシュー2枚
味玉
極細麺
博多とんこつラーメン
替え玉1玉
を食べ切ったK子が、アスファルトが熱々の鉄板のような街へと再び繰り出した。
ラーメンにアーメン。
Y△MiY△Mi
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