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障害者雇用の活かし方

結論:マネージメント能力が磨かれる

こんばんは。ご覧いただきありがとうございます。前提として私は医師、心理士、PSWといった専門職ではありません。私の理解、解釈が間違っている点は多分にあるとおもいます。
障害者雇用の現場に15年働いている経験からこの記事を書いています。
よかったら、好き、フォロー、コメントなどしていただけると励みになります。よろしくお願いいたします。今回は障害者雇用の活かし方について書いていきたいと思います。

1.障害者マネジメント

1.1理想の上司

どのくらいの難易度かといえば、渋谷のスクランブル交差点で歩いてる方を年齢、性別とわず、無作為抽出で選んで、その方と一緒に仕事して結果を出してくださいくらいのレベル感かそれより難しいです。ですがどの会社でどんなプロジェクトをやったとしても、社内の自分が選んだ優秀な方だけをピックしてやれる仕事なんてほとんどないと思います。なので前提条件としての違いはプロジェクトメンバーが障害者かそうでないかの違いでしかありません。ですが障害者マネジメントの難しさは仕事部分以外でのケアが身体、知的、精神、発達問わず必要なことです。私がP&Gで働いてたときの上司が営業出身の方だったんですが、自分のチームだけでなくP&Gで働くすべての人の相談を聞いて乗ってました。ビルの警備員のアルバイトの方が恋人とうまくっていないことの相談から、カントリーヘッド(その国の会社の役員レベル)の営業方針、チームオーガナイズ、若手育成方針の相談に乗っていました。あまりに誰とでも話しをし、誰の小さな悩みまで聞くので喫煙所にいくと2時間かえってこないこともざらでしたが、話を聞いてもらえる安心感は抜群でした。

1.2私が失敗していたこと

私自身が失敗したことで大きく覚えていることはまさに、悩みを聞く部分でした。私は仕事で結果を出すことがすべてだと思っている人間だったので、パフォーマンスが出せていない人に対して、何かわからないことがあるとか、仕事でしにくい部分はないかとか、仕事のやり方で悩んでいることはないかといった仕事にフォーカスを当てたことしか自分のチームメンバーに聞いていませんでした。チームメンバーとは"仕事のこと”については常にオープンに議論をし、チームメンバーからでた”仕事”の改善提案は積極的に採用してきました。ある時、食堂で私がランチを食べにいくと自分のチームメンバーのある女の子を中心に男女6,7人で集まってご飯を食べていました。不自然にその女の子のとなりの席だけ空いてたので、私はなんでかなと思って何か悪だくみしてるなら混ぜてよといってその席に座りました。みんなの話を聞いてみると同じ障害者の組織の中である男性からストーカーまではいかないですが、数か月間猛烈にアプローチが来て困っているとのことでした。私は”仕事”にしかフォーカスをあててこなかった人間なのですが、そんなに困ってたんだったら力に乗るから言ってよと言いましたがその女の子からは”仕事”以外の内容だったので相談しにくかったといわれて、仕事以外の悩んでることとかをチームメンバーからちゃんと聞いておくというより、言っても大丈夫だとその女の子に思わせることができてなかったんだなと反省しました。

1.3私が改善したこと

まず定例で月一おこなっていたチームミーティングしていたのを変えてみることにしました。全体で共有したいことは全員集まって行っていましたが、仕事の経験年数に応じた2、3人に対して小さなMtgを複数回行うようにしました。理由としては全体ではこんな質問していいかなというのが経験が浅い方はしにくいかなと思ったことと、いきなり1on1だと関係性がない中でするのは相談しにくいかなと思ったからです。時間がかかりすぎると問題になるかなと思ってGoogleで会議は30分で行っているという話をきいたので30分に時間を区切ってやってみようと思いました。結果は思わしくなかったです。経験年数が低い方はやはり話にくさもあったし、何ができていない、何を話をすればよいかはまとまるのが大変そうでした。逆に経験値が高く、私と関係性が気づけているメンバーとの話ははずみすぎて30分では短すぎると感じました。

1.4私自身ができないことへの対応策

私自身が心理士でも医師でもPSWでもないので知っていることに対しては回答できるけど、同回答すればよいのかわからない問題もたくさん出ました。女性特有の問題、どういった心理療法をうけたらよいかといった問題、パートナーとの恋愛や結婚生活での問題、キャリア形成の問題。どれも私だけでは解決提案できない問題も多くありました。なので女性特有の問題や自分の心身の健康問題については会社の産業医や産業カウンセラーと相談できるようにできないかと産業医の方と相談し快諾を得ました。そして、メンバーの相談が解決されやすいようにするためにExcelでフォーマットを作りました。何か体調がわるいんですがどうすればよいですかだと相手も困るかなと思ったからです。キャリア形成やパートナーとの関係性の問題については1.1の理想の上司で書いた上司に相談してほしいと伝えました。忙しい方だったので直接話すタイミングをとるのが難しいのでメール相談をうけつけてくらないかということを上司と相談し快諾していただきました。

2.社内制度設計で大切なこと

まず、やはり法律上の問題点としてなるのが同一賃金同一労働の問題になってくると思います。障害者雇用は一種税金なので一定数は雇わなければいけませんが、人数を多く雇わなければいけない企業ほど賃金負担を抑えたいというのは本音だと思います。障害者の側からすると与えられた仕事をきちんと納期を守ってやっていても賃金があがらないといら立つ方も多いと思います。障害者雇用の中で優秀な方がいればチームリーダーや、社員として迎え入れたいと考える企業もあると思います。私はそこで必要なのはラベリングでレベリングだと考えています

2.1ラベリング

企業の組織構造だと、アルバイト、パート、契約社員、社員、係長、課長、部長、役員、社長のようなピラミッド構造だと思います。P&Gだと5段階か6段階、Amazonだと12段階に分かれています。まずピラミッド階層のどこだよというラベリングが必要だと思います。どんな経歴、経験をもっていても最初は1番したから始まるますよという企業もあれば、あなたは管理職やってほしいから下から3番目みたいな企業もあると思います。まずきちんとラベリングして階層をきちんと管理することが必要だと思います。

2.2レベリング

次に必要なレベリングです。障害者雇用の賃金について企業と障害者の意思があってない部分がここです。障害者が例えばレベル1でみんな仕事を始めたとします。平社員がレベル3だとして、障害者とレベル2の開きがありますが、障害者はレベル3の給与を要求し、企業はレベル1の給与を渡します。なのでまずレベル1で経験をつんだらレベル2に必要な経験、能力はこれであなたはこれが足りてないから給与差があるんですよというとは会社が説明できないといけませんし、障害者はこれを理解しないといけません。またレベル2に必要な経験、能力がある社員は昇給昇格させていくほうが健全な組織といえると思います。そのために必要なのは数値化だと思います。企業としては何ができてないからあなたは昇給できました、何ができてないからあなたは昇給できませんでした。これができればマネジメントはとても楽です。ここで注意が必要なのが障害特性による減点はしてはいけないということです。パフォーマンスであげていくと際限なく全員を昇給昇進させていかないといけないから企業として大変だという場合、トップパフォーマーは昇給昇進できますでも良いかと思いますし、下位の方は辞めさせるかでも良いかと思っています。これはアメリカ企業でGEやNetflixで有名な話ですが下位10%を切って新しい血をいれることによって組織の新陳代謝を促す。しかしこの点の難しいところは会社は殺伐としてきますし、トップパフォーマーになるために足の引っ張り合いが発生して本来到達できる最高パフォーマンスにならなくなりますし、中間層はモチベーションが低下しますし、下位層の方はいつ切られるかわからない中でメンタルが削られていきます。

結論:マネージメント能力が磨かれる

障害者雇用は渋谷のスクランブル交差点を歩いている人を無作為に選んで仕事で結果を出すくらいの難易度があります。つまりそれで結果を出すにはかなりのマネジメント能力が必要です。マネジメントで必要なのは仕事で結果を出す以外の部分のケアも必要になります。そのケアはマネージャーができることとできないことがあります。できないことは積極的に専門家や他人の力を借りることが必要です。障害者雇用のマネジメントを経験すると普遍的なマネジメント能力が身に付きます。
会社組織においては人事制度としてラベリングとレベリングが必要です。階層に応じて必要な能力、経験を言語化、数値化してラベリングしていく会社の制度、システム構築が必要です。またどうやったら上の階層に上がっていけるのかの言語化、数値化して社員をレベリングしてあげていく制度も必要です。人数が多すぎると組織の中のトップパフォーマー1人だけ引き上げるでも良いかと思います。その場合はリスクとして上位層の足の引っ張り合いが発生して到達できる最高パフォーマンスが出せないリスクがあります。下位層を切り捨てることによって組織に新陳代謝と危機感をもたせて仕事をさせるのはアメリカの企業ではGE、Netflixをはじめ多くの企業でされています。その場合、組織の下位層はメンタルが大きく削られモチベーション以前の問題になることがあります。

あとがき

私個人としては年功序列が正しく機能する会社は組織として優秀だと考えています。Amazonは仕事内容がかなりAmazon Specificになるので他の仕事ができなくなる恐怖があると転職サイトで見たことがあります。ですが、同じ経理の仕事であっても企業間で勘定科目の違いなどは発生します。企業で長く働いているとその方が自然とその企業で必要な能力がつき、昇給、昇進していくシステムはその企業に特化した能力が身についていっていることだと私は思っています。

結局、自分にとっての成功は他者からの評価からでしか感じられないので、成功は他力、失敗は自力の問題なんじゃないかと最近考えています。なので自力を評価してくれる環境に身をおけるようになると人間ってこんなに幸福感が得られるのかと最近特に思います。

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