Adoさん最高!最強!
今回はしっかり流行に便乗して、Adoさんに関しての記事を書きます。Adoさん最高!最強!などという安いヨイショは置いておいて、なぜ急に彼女の記事を書く気になったのかというと、おくのほそみちさんの新曲「フールフールフール feat.Ado」をようやく聴いたからです。
既にリリースから1週間経っている曲(3/17日時点)ですのでいまさら感を自分で感じながら言いますが、この曲、最高です。
楽曲制作は去年、「自殺志願者が余命191秒で見た憧憬」でヒットを飛ばしたボカロPのおくのほそみちさん。一時期、ニコニコ動画で広告を出してらっしゃったので冒頭5秒部分に当たる"父さん、母さん、ごめんね 僕はどうやっても戻れないみたいだ"というフレーズに聴き馴染みがある方もいるかも知れません。今回の曲はピアノメロディが印象的なそちらの楽曲とは打って変わって、グルーヴィーなロックとなっております。今風にスタイリッシュな感じではありますが、どことなく懐かしい感じもします。スタイルとしてはかなりオーソドックスなロックですね。
と、おくのほそみちさんの良さを熱弁してしまいましたが今回は歌唱をしてらっしゃるAdoさんの記事ですから、そちらの話に移りましょう。この歌を聴いてまず筆者が驚いた事は、メロディの要素がかなり排除され、ラップ的ですらある口語的なAメロと、それを歌いこなすAdoさんの歌唱力の凄さです。これの何がすごいかを具体的に語りますと、一般的な"歌が上手いか否か"、は音程がキチンと取れているのか、喉を開いて腹式で声を出せているのか、裏声が綺麗に発声できるか、といったもので測られる事が多いかと思うのですが、このAメロはそれらのどれとも違うスキルが無いと歌いこなせないものなのです。
前述の通り、このAメロはメロディの要素が大分排除されており、歌が上手い人が歌うと映えるバラード系とは殆ど対極にあると言って過言ではありません。にも関わらずなぜサビに到達する前、Aメロの段階で"歌が上手い"と感じるのか。以下にその疑問に対するオリジナルの考察を書いていきます。
まず第一の要因として、この捲し立てる様なAメロを噛んだり息が怪しくなったりして中断せずに歌い切っている事が言えます。これはあまりにも基本的過ぎてわざわざ上げるほどのことでも無いかも知れませんが、冷静に考えると相当に凄い事だと思われます。また、リズムが早ったりせず歌えるのもスキルの一つですね。拍から逸脱せず歌唱を継続しているのが素晴らしいと思います。
第二の要因として上げるのは、Adoさんの伝家の宝刀とも言える、歌唱の際の喉の使い方の巧さです。こういった捲し立てる系のボーカルはどうしても地声になりやすいのですか、Adoさんは地声に近い声から鼻にかかったハスキーボイス、そして喉を解放して低音を響かせるボイスまで、自らのスキルを総動員し、本来平坦な筈の口語的なボーカル部分を変幻自在に歌い上げています。こういったメロディの無い歌を彩る技術は、ラップ・ヒップホップにおけるフロウに通ずるものがありますね。そしてAdoさんが喉を開いて歌唱している部分はただ喉を解放し歌うだけでなく、こぶしやビブラートの技術を取り入れた節回しとなっており、Adoさんの歌唱力の幅広さが伺えます。…ここに来て見えてきました、Adoさんの凄さとは何なのか。そうです、Adoさんの歌の何が凄いかを端的に表すとそのスキルの幅広さなのです。リズム感、滑舌、肺活量、音感、喉の開き方、ハスキーボイス、裏声、ミックスボイス………そういった無数のスキルを高水準で成立させ、それを包括したものがAdoさんの歌唱能力であり、それこそがどんな曲に於いても歌が上手い!と我々を唸らすものなのではないか、と私は思います。
もちろん以上の分析は筆者が勝手に行なったものであり、100%正しいかどうかは分かりません。しかし、Adoさんの歌声を考察し本記事を執筆する事で、不思議な魅力を持つ歌い手・Adoの魅力に迫れたのではないかと思います。
最後までお読み頂いた読者の皆様、ありがとうございました。
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