2023/3/10 アイドルとエコロジー

私はドルオタである。

2014年ごろから女性アイドルグループのライブへ足を運ぶようになり、今は2つのグループを応援している。

どちらもメジャーデビューはしているものの、地上波の歌番組にはあまり出ない。
何度か特典会に行けば顔を覚えてもらえるぐらいの規模感で活動をしている。

子どももおり、以前ほどオタ活にお金は使っていない。しかし夫の尽力もあり、平均すると月一回程度は現場へ足を運び、彼女たちのパフォーマンスを拝んでいる。

メディア露出が少なくライブが主な活動場であるアイドルは、CDを売るために特典会を行なうことが多い。

コロナ前であれば、握手をしながらお話したり、またはツーショットチェキを撮ったりするものだ。
最近ではオンラインでの特典会も盛んになり、ネットサイン会(アイドルが配信中に名前を呼んでくれ、その場でCDにサインをしてくれるというもの)や、オンラインお話会なども行われるようになった。

様々な形でアイドルとコミュニケーションが取れるのはとても楽しいが、ひとつ葛藤する点がある。

熱心に推せば推すほど、エコからかけ離れてしまうということだ。

先述したとおり、アイドルの特典会は基本的にCDやグッズを売るために行われる。
握手をするのもチェキを撮るのも、それらを購入した人のみに与えられる特典である場合が多い。

特定の推しがいて、その子ともっとコミュニケーションが取りたいと思うと、リリース予定のCDをたくさん予約しなければならない。

まったく同じCDを何枚も買うのである。

実際に使うのは、一枚で充分だ。
近年はジャケットのデザインや収録内容にバリエーションをつけたものが一度のリリースで数種類売り出されることが多いが、それでも各一枚あれば良い。

けれども実際は、何回もチェキが撮りたいがため、同じバージョンのCDを何枚も買う。

彼女達が活動を続け生活していくために、レコード会社との契約はとても重要だ。
そのためには、CDを売る必要がある。
CDやグッズをたくさん買うことが、アイドルを応援するためにオタクが最も求められていることだと、頭では分かっている。

しかし同じCDを何枚も買ったり、ライブのたびに新しく発売されるグッズをたくさん買うことは、あまり環境に優しいとは言えない。
近頃の私は、そこに抵抗を感じてしまう。

予約したCDが発売日に複数枚届くと、罪悪感を覚える。
ライブの感想を直接伝えられたよろこびや、特別な衣装を見にまとった推しのチェキを手にした胸の高鳴りは、確かにある。
けれども、同じCDが何枚も入ったダンボールを開けもせずにクローゼットにしまっておく時、これは正しいことなのか...?と疑問がわくのだ。

そんな葛藤も手伝い、最近はかなり細々とした応援しかできていない。
推しにそんなことを言えるわけもないけれど、たまにしか特典会に来なくなったオタクでも、推しはいつも優しくかわいく、笑顔で迎えてくれる。
彼女達に成功してほしい、しあわせになってほしいという気持ちはあるのに...。

レコード会社さま、物としてCDを買わなくても、お金を送れるシステムを作ってもらえませんでしょうか。
そうすれば無駄なプラスチックを消費する罪悪感に苛まれず、推しを応援できるので。

ご検討のほど、どうかよろしくお願いいたします。

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