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ドナ・サマーのHBO制作ドキュメンタリー映画『Love to Love You: Donna Summer』を見ました

ドナ・サマーのHBO制作ドキュメンタリー映画『Love to Love You: Donna Summer』を見ました。
スーパースターの栄光とその人間像を掘り下げた約1時間50分の作品です。
彼女のヒット曲はふんだんにフィーチュアされているものの、どちらかといえば華々しさよりも人間像にウェイトを置いているため、まったく予備知識ナシでいきなりこちらを見ると「スーパースターの虚像と素の自分とのギャップに悩んで、娘と離ればなれで寂しくて、レコード会社やタコ彼氏と揉めて、ふと自殺も考えたりして、キリスト教に傾倒して不用意にゲイ批判めいたことを発言して自分の支持層だったゲイ層からバッシングされた人」という印象を受けるかも知れないので、ヒット曲のプレイリストぐらいは押さえておいた方が良いです。
彼女の歌っているシーンはたくさんあるし、生前のインタビューや家族や娘たち、エルトン・ジョン、ジョルジオ・モロダーなどの発言も収録されていて面白かったです。
日本公開予定とかは知りません。
予告編。 

それまで「レッツゴーライダーキック」「ゲッターロボ」などTV番組主題歌を聴いて育ち、歌謡曲にほとんど触れることがなかった幼児時代の山﨑は初めて触れた洋楽ポピュラー・ミュージックがベルギーのスーパーで流れる店内放送で、ドナ・サマーの「Love To Love You Baby」があえぎ声入りのドエロ歌謡だったので母親が露骨に嫌な顔をしていたのを覚えています。
それからしばらくすると店内放送では「I Feel Love」と映画『ザ・ディープ』の主題歌「Deep Down Inside」が行くたびに交互に流れていました。
ちなみに彼女はアメリカのボストン出身ですがドイツに活動拠点を移して、デビュー・アルバムはオランダ&ベルギーのみ発売で、後にアメリカに逆輸入の形で再デビューしたので、ベルギーのファンからすると「ドナ・サマーを育てたのは自分たち」という誇りがあったのかも知れません。
ちなみにそのスーパーは当時Sarmaでしたが、その後Nopriになり、現在はCarrefourです
 
当時スーパーの店内放送で聴いた音楽が自分の洋楽体験の原点であることは今でもたまに感じます。あまり貶したくはないけど、いかにも店内放送を意識したような腐れユーロ・ディスコ(Alan Jones & Jussi Kantonen著『Saturday Night Forever: The Story Of Disco』では“ミューザック・ディスコ”と表現されていた)が擦り込まれています。
最近になってそれが誰の何という曲なのか調べたりしているのですが、判らないものもあるし、そもそも曲を忘れていたりします。
 当時特にドナ・サマーが好きだったわけでもなかったけれど、そういうのと較べるとすごくちゃんとした部類であることは何となく判りました。特に「I Feel Love」はSFっぽくてカッコ良いと思っていました。
それが大人になってジョルジオ・モロダーやSPARKSにインタビューするようになるんだから、人生不思議なものですね。
なお彼女の「Hot Stuff」はうちがオランダに引っ越した後にヒットしましたが、オランダの7ZUMA7がカヴァーしていて因縁を感じました。1998年のDynamo Open Airでもやっていました。元々グルーヴ・リフ主体の曲なのでヘヴィ・アレンジがカッコイイです。

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