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実際に使える防災知識とは 3

早くも、第三弾になりました。
出来れば、出来れば前の物からお読みいただけると嬉しいです。

さて、今回は自宅内の危険を考えてみようという回です。
色々な防災士さんや、防災サイトで言い尽くされている問題だと思いますが。実際に、普通に言われている対策がどれだけ役に立ったのかという事を書いてみようかと思います。

まずは、良く売られていジェルタイプの転倒防止タイプの物から。
正直、てこの原理を考えれば分かるとは思いますが・・・。
小さな接点でくっつけた場合・・・例えばパソコンの液晶モニターがあるとします。これ、倒れないと思いますか?

理屈上と言うか、商品販売時は転倒防止とされています。
実際に夫の職場で、業者を入れてジェルタイプの転倒防止を付けて貰いましたが。震度5程度で、綺麗に全てぶっ飛びました。

いや、多分ですよ。
持ちこたえたお宅も有るとは思いますが。
少なくとも、素人普請ではなく。プロに施工して貰った物が全て飛ぶ。
正直、私はこれに関しては信頼していません。
一つだけ、擁護しておくと・・・。
例えば、1m吹っ飛ぶのが20cm程度飛ぶだけで済んで。
人に当たらないで済んだのかも知れません。倒れないという事は無いが。
です。過剰な期待をしない方が良い商品と言えるでしょう。

次に、私の経験上。
我が家にある食器棚で、有効だと思えた物が”タンス等”の足元。
壁と反対側を、少し嵩上げして壁側に重心を持っていくタイプの板を入れるもの。これは、我が家では大変有効でした。

転勤族ですから、当然壁に穴を空けたりして固定することは出来ません。
正直言うと、現状で「家具を固定しろ」といっても賃貸住まいの多い都会ほど固定が出来るご家庭は少ないでしょう。

賃貸住宅に、固定金具を義務化するなど。
国が対策を練ってくれなければ、固定の割合は増えないでしょう。

そんな机上の空論を言うのは、不毛でしか有りませんので考慮せず。
どうしたら安全に過ごせるかを考える方が良いのが現状です。

東日本大震災の時。
我が家の台所には、キッチンラック(上から、トースター、電子レンジ、食品ストック)という180cm程度の高い物。そして、冷蔵庫、食洗機、浄水器、食器棚が置かれていました。

この全てがどうなったかと言えば。
キッチンラックは、倒れてきて焦って押さえました。
結果、支えきれずトースターが落下。辛うじて、倒れずに済みました。
冷蔵庫は、15cmほど台所をウォーキング。
食洗機は、数センチずれた程度。
浄水器は40cm真横に飛び、シンク内に落下。
食器棚のみ、被害無し。

食器棚の足元には、上記の前側に入れる転倒防止板を入れていました。
微妙に斜めになっている上に、食器の下に滑り止めシートを敷いてあった事も幸いしてか?一つも食器が飛び出ず、割れずに済みました。

ただ、悲惨だったのがシンク上の吊り戸棚のドアが揺れで全開になり。
上に入れてあった、土鍋など。結構な重量物が全て落下被害を受けました。
賃貸住宅ですので、対策を取る事は出来ませんでした。
それ以来、吊り戸棚には、できるだけ重量物を入れない。紐で取っ手を物理的に開かないように紐で縛る等。工夫しています。

ご自宅でしたら、耐震ラッチと言う物がありますので(リンク入ってます)こういう物に取り替えるのも一つの手だと思います。
どんなに軽い物でも、天井近くから落下したら危険だということを身を以て感じています。

実際に、これは吊り戸棚だけではなくタンスにも取り付けられます。

危険だなと思う場所が有れば、取り付けておくのも有効です。

ちなみに、東日本大震災の時の我が家のタンスはこんな状態でした。4月1日付けの転勤が決まっており、引越業者の段ボールが写っておりますが。ご愛敬ということで(笑)
ご多分にもれず、タンスの引き出しがバーンしてます。

荷物部屋

台所も、まあまあ悲惨な状態。
ちょうど、当時使っていた生協の荷物が届いた直後で床にあり得ないものが置いて有りますが。ご愛敬ということで(笑)

台所

玄関も、見ての通り。

玄関

これを見て、言えるのは・・・。
写真程度の物の散らかり方なら、室内移動は可能ですが。これ以上の物が散乱していたら、ドアが開かなくなる。玄関から出られなくなるという心配があるということです。

例えば、ドアが空かなくなって部屋に閉じ込められた場合。

万が一、近くで火災が発生した。
または、津波が来る地域である場合。
逃げ遅れて命を落とす可能性も大きいということです。

決して、家庭内の安全対策を怠らない方が良いと思うのです。

家が倒壊しなくても、安全ではない!を、念頭に置いてほしいのです。

我が家は、東日本大震災の前にも地震に遭遇しており。最初に大地震に遭遇した、2001年芸予地震の際。

本棚が倒れて、避難経路を塞ぐ。
包丁が飛んで、床に突き刺さるという状況が発生しました。

それ以来、家具の固定が出来ない物は、一部屋潰して全てそこにタンスや荷物を突っ込む。生活スペースには、下敷きになる重量物は置かない。をモットーにしていました。

そして、1番危険だった包丁。
新婚当時、私はシンク下の扉についている包丁立てがとても不潔に思えたのです。中側は見えませんし、拭く事もできなくて。
「こんな所に入れた包丁でお料理をしたくない!」
そう思って、シンク上に置く小洒落た木製の包丁立てを買いました。それが、危険だと知ったのは、芸予地震の時でした。

揺れと共に、包丁立てが倒れ。
その衝撃で、包丁が真横に飛び。
なぜか台所を出て、玄関まで飛び出し。
綺麗に立った状態で床に突き刺さるという恐ろしい状態になったのです。

万が一、私や家族が玄関に居たら・・・と思うとゾッとせざる得ませんでした。それ以来、包丁はシンク下の扉に備え付けの包丁立てにINです。そして、使う時に洗うを心がけています。

余談ですが、ご自宅で既に家具の固定をされている方向け情報ですが。とある、業者さん曰く。

壁の金具と、家具の金具を繋いでいる紐。

どんなに丈夫な物を使っていても、ピーンとテンションをかけて固定すると…地震の際にモロに地震の力が掛かり紐が切れるか、金具が抜けるそうです。

多少の遊びを持たせることで、大きな揺れが起きた際。遊びが揺れを吸収し、固定した物が外れずに済むとか。

また、完全に転倒防止をしたい場合。壁の下地を確認し。壁板の後ろに柱などがあるか確認しないとならない上。
紐も、特殊な構造の物で無ければ防ぎ切れないとのこと。飽くまでも、安全な場所に身を隠すまでの時間稼ぎと考え。
家具は固定してあったとしても、安全確保は必須と心得て欲しいとのことでした。
ご参考程度にどうぞ。

他にお勧めしたいのが、実際に使う事になる確率も低く。かつ、イザ使う状況に陥った際に手元に有るかどうか謎ではあるのですが。

バック、スマホなどに付けられる「非常時用ホイッスル」を持つ様にしています。

色々なタイプの物があります。これは、実際に被災し、閉じ込められた時に声を出して助けを求めると体力を奪われます。そんな時に使う物です。

ため息を付く程度の息の強さで、強い音が出るホイッスルもあり。個人的には、備えておきたい物の一つになっています。

最後に、設置出来る方は少ないとは思いますが。
意外と、台風被害の大きい地方で見かけるのが天水槽です。雨樋から雨水を貯めておく、水槽を置いて置く物です。

普段は、それを庭の水やり等に使い。
非常時は雑用水として使用。
場合によっては、災害用の浄水器を使えば最悪飲み水にも出来るという意外なシステムだったりします。最近は、自宅の庭に非常用の井戸を掘る方もいらっしゃいますが・・・手押し式のポンプを設置するのもお金が掛かりますし。メンテナンスも必要でしょうし。
天水水槽くらいが、現実的なのかなとは思っています。

それ以外の非常時に欲しい、逸品は次回ご紹介したいと思っています。
懐中電灯や、非常食、水の備蓄。
トイレや、水道のことなど。

また、次回の更新をお楽しみにしてくださいませ。
今回はこの辺で終了いたします。
お付き合いありがとうございました。

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