接客ができなければ棚なんて絶対に作れない

お店、接客業をやっていいる一人として、とてもぐっとくるインタビューでした。

商店街、人、お客さんとの関係、マニュアルがないところ。本当にお店としてのあり方として理想的だなと。

僕らのお店ってマニュアルがないんです。スタッフには「自分がされて気持ちいいと思うことをやってください」と伝えています。

PADDLERS COFFEE代表・松島大介さんに聞いた「街に居場所を作る」より

ここは何度も頷いてしまいました。接客業はやってはいけなかったり、それは間違いみたいなものは基本であっても、絶対的な正解の型はありません。あるお客さんにとっては気持ちがよくても、別のお客さんにとって気持ちよくないかもしれない。明らかに急いでいそうな場合は応対もなるべく簡素にスピーディーに。逆に、こちらがせかせかして雑になっている場合は気持ちゆったりと。こちらとコミュニケーションを取りたいかもしれないし、スピードより丁寧さを求められているかもしれない。スピードひとつとっても、お客さんやシチュエーションで、動きは変わってくるはずです。レジが長い行列になっている時と全然並んでいない時とでは、全く動きが異なっているべきだと考えています。(不思議と暇でゆったりしている時の方が、お金の違算などの大きいミスが起きがちです。)レジの接客に限らず、単純な作業もそうですが、どんな場合でも一律に、ゆっくりとやることが必ずしも丁寧ではないと思うので、もっと当店でも浸透できたらなと思います。小売でも、ご飯屋さんでも、色々な種類のお店に行って接客を受けて、気持ちいい接客は取り入れればいいし、こういうポイントはイラッとするんだなとか、ここはこうすればもっといいのに、日々の生活から活かせることはたくさんあります。接客ができなかったら、絶対にお店にとっていい棚は作れません。人の気持ちを察したり、考えられない人によって作られた棚は、独りよがりの押し付けの棚でしかないからです。(※棚作りの詳細については過去の投稿を参照して頂けたら嬉しいです。)当店に入ったスタッフ全員がまず接客から始めるのはそういう理由です。前回からの繰り返しですが、書店での全ての業務は繋がっているし、循環していることをもっと伝えていきたいです。

8月の気になる、推したいタイトルは2つ、

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