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初北海道4日目 1989年7月27日-④ 初田牛〜愛冠岬

初田牛駅の手前を右折して厚床でR44号線に戻った。そのまま国道を浜中町まで走り、浜中町で今度は道道1020号線に入る。根室本線の踏切を渡り浜中町の市街地を抜けると、海沿いの道「太平洋シーサイドライン」に出た。この道は霧多布湿原の中を抜けて伸びる爽快な走りを楽しめそうな道で、今回走るのを楽しみにしていた道だ。

しかしこの霧多布、その名の通り霧が出ることが多いらしく、岬に訪れたこの日も濃い霧が広がり岬からの展望はないに等しかった。道東の夏は霧が多いということは事前に調べて理解していたけど、実際にその場で霧が広がっていると落胆は大きい。

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そんなすこし凹んだ気持ちで再スタートした僕は、次に寄った琵琶瀬湿原展望台で一気に気持ちを回復することができた。展望台に立った時には湿原は霧の中だったけど、眺めているその内に霧がどんどん薄くなり眼下に広がる広大な琵琶瀬湿原を見ることができたのだ。

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自然からのサプライズプレゼント。これがあるから旅はやめられない。(写真に湿原があまり写っていないのはご愛敬(笑))

琵琶瀬湿原の絶景を思う存分堪能した後、太平洋シーサイドラインに戻り西へ向かう。火散布沼、藻散布沼に寄ろうと考えていたらいつのまにか通過していたらしく、じゃあこのまま厚岸湖まで行こうと思い緑の木々に覆われた道を気持ちよく走る。しばらく走ると右折すると厚岸大橋に行ける交叉点の青看板が見えた。その青看板には左折すると「愛冠岬」というなんとも魅力的な名前が書かれている。ガイドブックでは見落としていた地名だった。

この名前は行くしかないよなあ。

左折しダートの坂道を上がって行くと大きな駐車場が広がっていた。100台は停められそうなその駐車場に停まっている車は2台。そして案内板には愛冠岬まで徒歩12分。

12分かあ。。。。ちょっと遠いなあ。。。。どうしよう。。。でもまあ、せっかく来たんだし行ってみるかあ。

僕のその決断は大正解だった。林の中を10分ほどとぼとぼと歩く。誰にも会わない。風の音と足音だけが聞こえる。林が切れると200Mくらい先の青い空の下に展望台らしき建物が見えた。その周りにも人は誰もいない。駆け足で近づきそのまま階段を駆け上がる。

僕の眼下には今日2回目の言葉を失うほどの絶景が広がっていた。

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自然からのプレゼント。やっぱり旅はやめられない。(写真の写りが悪いのはご愛敬(笑))

しばらくの間、夏の日差しの下に輝く青い海と遠くに見える大黒島の完全貸切景色を思う存分味わったのは言うまでもない。


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