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早崎郁之『営業の神様 ヤマナシさんが教えてくれたこと』SBクリエイティブ

著者が「営業の神様」と呼ばれるすごい人から、3年間弟子入りして教えを学んだことを創作した物語にしたものが、本書だということである。

本書のテーマは、人はなぜモノを買うかである。その商品自体をほしいからではないと言う。商品を通じて「人から愛されたい」「誰かに認められたい」のだと言う。この欲求を「スーパーウォンツ」と言い、これを満たすために、モノやサービスを購入するとする。

著者と同名の主人公である早崎は、不動産会社に転職したものの、お客様に希望に合った物件を提示しても、なかなか購入に結び付かない。

喫茶店で偶然会ったヤマナシさんから、「営業を愛せ」と言われる。お客様の親友になったつもりで、親友の人生を心から良くしたいという気持ちでお客様の話を聞けと言う。

お客様は、自分の価値を認めてくれる人、つまり恋愛感情抜きで自分の心から愛してくれる人から褒められた商品であれば、それを良い商品と感じると言う。

すべてのセールスは愛である。

ヤマナシさんのアドバスを得て、早崎は、やがてトップセールスマンになっていく物語であるが、それは本書を読むことで、深く納得し、また、良い話を聞いたと少し感動する。それを体験してもらいたい。

商品を愛する。
お客様を愛する。
自分を愛する。

愛のセールスをマスターすることが、営業で成功する道であることがわかる。

商品やサービスを売ることを手放し、ひたすらお客様のスーパーウォンツを満たす。お客様の人生がよくなることを、お客様以上に考え、そのためにお手伝いをする。

営業の核心を突いた書である。少しでもセールスに興味がある人であれば、一読の価値はあると思われる。

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