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QuizKnock『君らしく働くミライへ』朝日新聞出版

本書は、「将来の夢について教えてください」と聞かれたけどうまく答えられない人に向けて書かれた本です。「働きながら生きていく」ことについて考え始める本です。そのためには、「どんなふうに生きたいのか」、そして「どんな社会で生きているのか」の二つを知ることが必要になります。

仕事には、3つの目的があります。
1 個性を発揮する(アーティスト、スポーツ選手など)
2 社会的な役割を実現する(教師、保育士、政治家など)
3 経済的な安定や成功(会社員、医師、弁護士など)
「何のために働くのか」を考えることは、人生の中で自分が何を大切にしたいか、どんなふうに生きていきたいのかを知ることです。

以下のような質問に答えると、人生の中で何を大切にしたいかが見えてきます。自分の中に「軸」を持つことが大切になってきます。
・時間を忘れて夢中になれることはありますか。
・ふだん、何をしているときに「楽しい」「嬉しい」と感じますか。
・家族や友達から、よく感謝されたり、褒められたりするのはどんなことですか。
・たくさんの人とにぎやかに過ごすのが好きですか。それとも、ひとりで静かに過ごすほうが落ち着きますか。
・苦手なこと、どうしてもできないことはありますか。

働き方には、さまざまな形があります。
・正規雇用(正社員)
・非正規雇用(パート、アルバイト、派遣社員、契約社員など)
・その他(副業、フリーランス、個人事業主)
テレワークにより、働く場所の制限もなくなってきています。

働き方は時代と共に変化しています。変化が大きい時代、自分に合った働き方を見つけるために大切なのは「未来を見通す力」や「目標を達成するために必要なものを見きわめる力」です。そのためにはおすすめな方法は、歴史を学ぶことです。

好きなことを仕事にしても、それはゴールではありません。最初は自分がやりたいことだけやっていても、いずれはお金を稼ぎ続けるために「やらなければならないこと」を意識するタイミングがやってきます。やりたい気分になれないとき、厳しい現実に直面したときも仕事として続けられるかどうかを、一度冷静に考えてみるといいでしょう。

「未来を見通す力」はさまざまな領域で新しい仕事に結びついています。 SDGsへの関心が高まっていますが、環境問題や貧困など、いろいろな論点の中で自分が関心を持った分野について徹底的に調べていくと、今はまだ知られていない問題や、それを解決するためのビジネスのヒントが見つかるかもしれません。

「もっと人々を楽しめさせるためにはどうしたらいいか」というだけでなく、自分が関心を持っている分野で、「誰かが抱えている困難や課題を解決するにはどうすればいいか」を考えてみましょう。結果として仕事に結びつく可能性もあります。

AI、VR、仮想通貨など、身近なスマホやタブレット、パソコンや家電の中にも、新しいテクノロジーを活用したものが増えています。AI技術がどんどん進化することで、これまで人間がやってきた仕事が自動化され、「なくなる職業」が出てくることを予想する人たちもいます。一方で、AIが進化してもなくなりにくいとされる職業もあります。

・好きな分野、得意なこと、将来仕事にしてみたいことは何ですか。
・その分野で今問題となっていること、これから話題になりそうなことはありますか。
・以上で考えたことに、AIなど最新のテクノロジーを取り入れると、どんなことができそうですか。
長く幸せに働き続けるためには、誰かの役に立つことに加え、自分自身が仕事を好きで、心から楽しむことが欠かせません。

人になんと言われても、自分が興味を持っていることを大切にしましょう。実現するための方法を考え続けることで、世の中を今より面白くできるはずです。みんなが仕事を楽しみながら自分らしく生きていける世界を創っていきましょう!

QuizKnockは、東大クイズ王の伊沢拓司氏を中心に運営する、エンタメと知を融合したメディアで、「楽しいから始まる学び」をコンセプトに、記事や動画を毎日配信しています。全国の小・中学校、自治体での講演活動も積極的に行っています。

自分らしく生きるためにはどうしたよいかという問いに、働くという観点からヒントを与えてくれる本です。マンガがあり、働く人へのインタビューもあります。大学在学中に立ち上げたWebメディアを仕事にしてしまった伊沢氏のインタビューも載せられています。若い人にとって読みやすい本です。




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