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山葉隆久『誰とでもどこででも働ける最強の仕事術』自由国民社

本書は単なるノウハウ本ではない。それは、最初に著者自身の職場がなくなってしまうという体験談から始まっている。

著者は、ヤマハの半導体事業に従事していたが、ロームに買収され、ローム子会社のローム浜松に転籍した。ここでの経験を含めて、6社に在籍した結論は、「できる人」とは、限られた時間で最大の成果を上げられる人だと言う。

そのために個人として取り組むこととして、
1 どうすればできるか考える。どうにもならないことは悩まない。
2 決めつけを排除し、3つの仮説を立てる
3 やることを整理して優先順位を付ける
4 最良だけを前提にせず、最悪も想定する。
5 初日に半分済まし、互いに誤解のないことを確認し、仕上げる
6 午前、午後に報・連・相をする

チームで取り組みことは、
1 面と向かってコミュニケーション
2 背景・目的・目標をまず、口頭で共有する
3 リーダー自ら考えることを怠らない
4 会議では次にすることを決める
5 1年に1度、業務仕分けをし、やらなくて良いことをやめる

以上のことを上げている。管理会計の知識が必要とも言う。

専門スキルについては、差別化できるスキルがあるか、それは、どこの会社でも通じるスキルか、業務の属人化に安住していないか、新しいスキルをすぐ習得しているかの点を上げている。

日々の習慣の見直しで生産性を上げるルールにも言及している。
1 学んだことは仕事で繰り返し使ってみる
2 知らないことは、ごまかさずに調べて理解する
3 自分の実績を形にして、外から見えるようにする
4 目標とする人を真似て、少しでも近づいてみる
5 自分にないものを持つ人の行動、考え方を真似て、自分に足りないものを補充する
6 上司になったつもりで語って、その立場になる自分を訓練する
7 人との出会いに感謝し、いざという時に頼りになる人を増やす

著者は、働けるうちは働くことができるよう準備することも必要とする。中高年の方が、今後を考える場合のヒントがたくさん隠されている。若い人も、必要なスキルを知ることができる。ビジネスマンにお薦めの本と思う。

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