家庭運営⑦ごはん

食生活については並々ならぬ思いがある。実家を出た原因の一つであり、最も重要視してきた子育ての要素だ。夫婦で共通認識を練り上げて、子供が将来、健康で活発に過ごせて、不要な病気や出費を負うことが無いよう、親からできる大事な贈り物だというつもりで考えてきた。だから、当然栄養バランスや食事量も推奨されるとおりに極力、考えてやってきた。その甲斐あってか、5歳の長女は味の好き嫌いはあるが、偏食は無いし、お菓子を求めることもない。

ただし、長女は食事時間が長い。1時間というレベルではない。放っておくと何時間でもちびちびと食べるか手が止まっている。原因は次の2点で、おそらく1~2歳にかけての実家の環境ではないかと考えている。
 一.自分で食べる楽しみを感じ始めた真っ盛りに、やたら食べさせてあげようとする
   祖父。
 二.菓子やら、雑誌やら食事に不要なものが4分の1を占拠していた食卓。

そんなわけで、長女の食事時間が異常に長いことに目をつぶりながらも、日々の食事をしっかり出した料理を食べられるように努力してきた。食事時間についても無策だったわけではない。子供が好きな料理を出したり、食べやすいサイズにしたり、ネットで調べれば見つかる対策は一通り試してきた。この中でも食事時間の終わりが近づいてきたらスポーツ風に実況をつけて、口や手を動かすことは一定の効果があった。しかし、俺の精神が持たない。2ヶ月もすると相当のストレスを感じ、お互いに良いものではなくなっていた。次に、試したのは約束システム。食べる時間を長女に宣言させて、それを守らせるというもの。これは、時計の読み方と約束を守る大切さを教えることに役立った。しかし、約束を守れないことで、長女の自尊心が傷つくリスクがあった。以上のことを試した結果、何一つとして、根本的に食事時間の問題解決にはならなかった。

実は、まだ一つだけ試していないことがあった。

「量を減らす」

これを試すにはとても勇気がいることで、小さめに生まれた長女の身体の成長が順調であることや健康状態を考えると、量と質には絶対的に自信を持っており、到底選択肢には入らなかった。

しかし、実家暮らしをやめ、新しい生活を始めた我が家にとっては、長女の食事時間は到底看過できるレベルではなかった。まず、時間がもったいない。食事が30分で終われば、他にいろんなことができるのに!そして、ネットで情報収集していると「長時間の食事は子供にとって苦痛である」という趣旨のアドバイスを見つけた。なるほど、俺は、長女に、毎日、毎食、苦痛を強いてきたのか。だから、食事中あんな表情をしているのかとショックだった。

奥さんと話し合って、身体測定の結果を見ながら、一ヶ月だけ、バランスは変えずに、30分で食べられる量を、試してみようということになった。30分で食べられる量は本当に少なかった。ご飯、味噌汁、おかずは3種類だったが、ご飯は70g、味噌汁はお玉1杯、おかずは一口ずつだ。本当に心配になった。保育園ではお腹を空かせていないだろうか?栄養失調になることはないだろうか?不安の絶えない一ヶ月間だったが、長女が30分で食べ終わると「しっかり食べられた」と認めるようにした。長女も30分で食べ終わることに意欲的になって行くのがわかった。

来たる身体測定では、成長曲線に大きな変化は見られず成長していた。ほっとした。それ以降も30分で食べられる量を少しずつ、時にはこっそりご飯を増やしたり、時にはおかわりをいるか聞きながら丁寧に量を増やしていった。親の気持ちが先走って、増量しすぎた時や子供が30分で食べられなかった時も、量を減らせるという思いが気持ちを軽くさせた。今では、ご飯の量は100g近く、味噌汁、おかずの量は減量前と同量くらいで大体30分で食べ終わっている。4、5歳が食欲の谷というデータもあるので、量についてはそれほど心配しなくなった。成長曲線も変わっていない。

こうして、大人2人、子供2人体制では、安定的に過ごせるようになった。次は、3人目の誕生をどう迎えるか・・・


ちなみに家庭運営⑥で挙げたもう1つの問題点、ピアノの練習時間は、食事時間を短縮することであっさり解決した。今では隙を見つけて自分から練習するようになっている。

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