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【論説】安倍晋三、ゴルバチョフ――国内外で評価が逆転する政治家

【論説】安倍晋三、ゴルバチョフ――国内外で評価が逆転する政治家

海外では高く評価されるものの、国内では厳しい批判を受ける――今年に入ってからの安倍首相は、やること為すこと裏目に出て支持率を失っていった。逆に、昨年までの「地球儀を俯瞰する外交」は、精力的な外遊でフットワークの軽さをアピールするとともに、国際政治の常連顔として発言力あるリーダー像の構築に成功してきた。

海外から見た安倍首相は、政治下手な日本人にあって傑出したタフ・ネゴシエーター(手強い交渉相手)であり、日本のポテンシャルを最大限に高めた実力者だった。そういった評価は国内では必ずしも注目されず、むしろトランプ米大統領とゴルフを楽しむオトモダチ外交や、何度会っても譲歩を勝ち取れないプーチン露大統領との縮まらない北方領土交渉など、むしろ否定的な評価をする者も少なくない。

日本人と外国人、内政と外交でこれほど評価が分かれる人物は、ソ連邦を解体に導いたミハイル・ゴルバチョフ元大統領に重なるところがある。ペレストロイカ(改革)とグラスノスチ(情報公開)を進め、社会に自由をもたらし、必然的に民主主義の力でソ連共産党の統治能力を削いでいくことに成功したが、晩年は部下らのクーデターに遭い、権威を失墜して、そのままロシア共和国大統領だったエリツィン氏に権力を奪われて一線を退くこととなった。未だにゴルバチョフ氏のロシア国内での評価は海外ほど高くはない。むしろ政治や経済を混乱に陥れ、ロシアの国際的地位を貶めた西側の代理人という位置づけである。

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