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伸びる企業は、自らがユーザーである仕組みを持っている

「商品のヘビーユーザーは自社」の企業は伸びる

例えばSlackを販売しているSlack Technologies, Incの社内チャットは、当然Slackに決まっている。Google Inc.の社内メールはGmailだろうし、salesforce.com Co.,Ltd.の営業管理ツールはSalesForceだろう。

なぜ伸びるか

そもそも伸びやすい仕組みが出来上がっている点にある。いくつかあげると、

・低コスト、高レベルな商品に対するフィードバック
社員がユーザーであることから、フィードバックの質と量が自然と高い状態にある。また、ユーザーインタビューやアンケートなどでフィードバックを得るコストが低いことも挙げられる。
Yahoo株式会社であれば社内で「Yahoo!検索」や「Yahoo!ニュース」を、LINE株式会社であれば「LINE」を利用している社員をそれぞれ捕まえやすい。(インフラ企業が強くさらに勝つ理由でもあるかも)

・利用者目線のマーケティング
問い合わせを受けた時やセールスを行う時に提供者と利用者に分かれず、利用者同士の会話になる。そこではユーザー同士の共感が働きやすい。提供者は課題の先回りが可能であるし、利用者は商品に対する信頼を高めることができる。
株式会社ユーザベースが提供するABM(アカウントベースマーケティング)サービスの「FORCAS」は自社の活用事例や成功事例をセミナーで提供している。どのように活用すれば成功するのかレクチャーしてくれるので信頼が高まる。

・顕在化したニーズのある市場ターゲティング
商品を起点とした機能拡張やオプション追加、ラインナップの拡大が既に社内にユーザーがいる状態で行える。よってマーケットインとプロダクトアウトが同時に可能である。
例えば人気のスマホケースである「iFace」を販売しているHamee株式会社は、ネットショップ一元管理ツールの「Next Engine」を使って各ECサイトで販売している。どちらかが起点となって事業拡大を決断できたと考えられる。

・組織全体がユーザーニーズを考えるチーム
セールス、マーケティング、開発、CSなどで役割を分けた際に起こりがちなユーザー目線からの乖離が予防されている。ユーザー目線からの乖離=自己ニーズの無視であり、自分が欲しくないもの・欲しいものが個人レベルで定義されている事から役割による分断がそもそも起こらない。

まとめ

商品を提供している人がそもそもユーザーである事は理想的ではあるが、実現の難しさを感じていた。実際当てはまる企業は多くないだろう。
インターネット企業に偏りがちだが、それは利用頻度が高いこと、改善のコストが低く、早く容易に行える事で文化が醸成されやすいからではないだろうか。
理想的な状態を目指す際に、その達成方法を仕組みとして持つ事は重要である。仕組みとは誰でも小さい努力で高い平均点が取れる事であると思う。ユーザーに対してその仕組みを持つ事は、企業が伸びる大きな要因であると考える。

Twitter:https://twitter.com/yamatomokkunn

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