「young・bio・galapagos」ー過去制作作品解説と反省③

young・bio・galapagos
約11分9秒。

Luatic Corona」「a・amrita」と違い、楽句をどんどん展開していくパターンの楽曲。実音をバキバキ鳴らしていくようなパワー系。

以下、解説及び反省点を述べていく。


「young・bio・galapagos」冒頭

冒頭〜練習番号C:
この楽曲は全体を通して冒頭3小節(楽句Aとする)の楽句を展開している。
冒頭〜練習番号Cまでは、楽句Aの提示とそれに対する応答をパターンを変えて繰り返す。小さい波からだんだん大きい波へ変化していくようなイメージ。

「young・bio・galapagos」練習番号D〜Eにかけて(打楽器、ピアノパート)

練習番号D〜I:
打楽器(ヴィブラフォン、グロッケン)とピアノで第2楽句(楽句Bとする)の提示。
5度を使いまくっている。この楽句は練習番号Gにかけて16回出てくる。
同じことを何回も繰り返してパワーを溜めて、練習番号Hで放出する。
練習番号Iは、その余波。

「young・bio・galapagos」練習番号J〜Kにかけて

練習番号J〜L:
シーンが変わり、今度は音の塊が出ては消え、出ては消え、の繰り返し。ここは今までに制作してきたアンビエントな雰囲気。前作「a・amrita」 のような鬼div.と違い、ある程度弦にまとまりが出るようにしていると思う。その分木管のトレモロを追加し、「オーケストラみ」を追加している。練習番号Lでヴィブラフォンが単体でパッセージを奏でる。
いつも背景を作り込みたがるくせになぜいつも前面に出てくるパッセージがペラッペラなのかという気付き。このパッセージをループさせるにしてもさせないにしても、背景との関連付けはさせないのか?実はビブラフォンの音を誰かが引き継いでいるとか。関連付けをさせないのであればもっと突飛なものでないといけない気がした。

「young・bio・galapagos」練習番号M

練習番号M〜O:
楽句Aを匂わせるピアノソロから、コントラバスソロへ繋ぎ、だんだんと他の楽器が参加しテンションを上げていく。

「young・bio・galapagos」練習番号Q〜Rにかけて

練習番号P〜R:
テンションを上げたまま楽句Bの再現。ただただパワー。
そのまま駆け抜けて練習番号Sへ突っ込む。

「young・bio・galapagos」練習番号S

練習番号S~U:
音域を広げて楽句Aの再現。練習番号Tで一旦出力を下げて(なぜaccell.してないのだ)から練習番号Uに向かい、終結。


正直この作品は明らかに新しい響きを求めるような譜面ではない。コンクール向きでないのは明白である。でもこのような真っ黒の楽譜を書いてみたかったし、もう書けないかもしれない。これまで3作品、自身のオーケストラ楽譜を見返してみて改めて、私がオーケストラを書く意味、オーケストラに固執する意味はなんなんだろうと考える。自分の表現したかったことはなんなのか。それは技術が身につけば再現できるのか。新しい響きとは何なのか。まだ誰も辿り着いていないのかもうとうに通り過ぎてしまったのか。今の私はどんな響きを求めているのか。

次回は「The Birthday」について解説と反省をいたします。

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