見出し画像

【「お客様は神様です!」の誤解】

「note」をご覧の若い皆さん、何を隠そうこの神々しいお方こそ『お客様は神様です!』の元祖、国民的歌手の三波春夫氏である。

舞台に登場するや否や、両手を上座から下座に大きく広げ、この言葉と共にちょっとあごを引きながら見栄を切る。待ちに待った客は自分たちを「神様」と持ち上げられ、割れんばかりの声援を氏に返す。「待ってました〜!」と。

その言葉はこれまた昭和のお笑いレジェンド『レッツゴー3匹』に引き継がれ、流行り言葉にもなっていった。

この時点でオリジナルの三波氏の考え方「お客様のことを神様に見立てて心を込めて歌うこと」から、「お客さんは神様なんだから、何をしても我慢して尽くしなさい!」という間違った理解が広まることとなる(ここが「カスハラ」の起点)。

👤「俺を誰だと思ってるんだ、客だぞ!」なんて、ギャグのような言葉もまだ多少の威力を持っていた時代のことである。


それから時を経て、今では「お客さんはありがたい存在であることに間違いはないが、私たちも奴隷ではないので、あまりにもひどい態度を取られたら許しませんよ!」という、いわゆる「カスハラ」の対象にもなるようになった。

まあ時代が違っても、相手への気遣いやリスペクト(感謝の気持ち)があれば、そうそう揉めごとは起きないものだ。しかし世の中には一定数度を越えてしまう人たちが居ることも否定できない。そうなれば身体や精神的に「おもてなし」をする側を保護するために、法律なり条例で制御するしかあるまい。

☝️「お客様は神様です」とは「お客様を大切に思って仕事をしよう!」ということ。それを条例で決めるのは、双方の『礼儀』を重んじる日本人の美德が失われて来た結果かも知れない。

きっと三波春夫先生も今、それを伝えたいはずだ。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?