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【倒産後記⑦ 倒産したら地域の反応はどんな感じ?】

倒産した社長が思うこと…。
① 従業員はどうなるのか?
② 取引先はどうなるのか?
③ 地域はどんな反応をするのか?

最終回は③の地域や世間の反応について

細かく言えば「地域」「世間」では反応が異なる。

「世間」とは、ぼんやりした一般論で語ることが多く、攻撃的な反応も珍しくない。倒産経営者やその家族はこの洗礼を受ける。
そこには「誰一人取り残さない」「差別を無くそう」のSDGsの理念は無い

✔︎社員を路頭に迷わせやがって!

✔︎取引先に一生かけて償え!

✔︎死んで詫びろ!(死んだら「死んでお詫びができるか!」と言われる)

※ 債権者じゃない人ばかりなのでスルー

幸い私の場合はSNSでの攻撃も少なかったし、逃げ隠れもしなかったため精神的に追い詰められることもなく、同じ市内の妻の実家で暮らしている。
電話やメールアドレスもそのままだし、怖い思いをしたことはない。

ただ悔しい思いは数え切れない。「味方」ではなく「味方ヅラ」だった人がよく分かる。
その一方で手を差し伸べてくれる人は、身近にいた人ばかりとは限らない。


社長個人への非難は当然としても「地域」の会社に対する反応は全く違ってくる。長年地域で商売させてもらった恩義と同じく、顧客から各店舗に対しての感情がある。

✔︎子供の頃から親しんだ店、思い出が詰まっている

✔︎前のスーパーが閉店した後を引き継いでくれた

✔︎お金が無い時、安い弁当に助けられた

✔︎こんなに地域のために頑張った店を潰すなんて行政の責任だ!

特段のノウハウや接客、立派な店構えでもなかった弊社に対して、お客さんは怒りより同情や寂しさを感じたのだと思う。これは毎日利用するスーパーだからこその反応かも知れない。きっと土建屋さんならこうはいかない。

その後も、従業員の再就職に協力してくれたり、破産費用のカンパまでしてくれた。私が本を出した時、潰れた店先に集まった人たちの数がそれを証明してくれた。


倒産後は弊社のドル箱店舗の争奪戦が始まった!

何の権限もない私に電話して「なんとか◯◯店を譲って欲しい」と頼んでも「裁判所に言ってください」と答えるだけ。私個人の携帯には、こんなハイエナ達からの連絡ばかりだった。
今では店の跡地はドラッグストアや社屋に様変わりし、その売却金も債権者に支払われた。

倒産してそろそら5年も経つのに、まだ地元では復活の声がある。
店の跡地を見るのはまだ辛いものだが、いつまでも思い出に浸るわけにもいかない。地域の思いも、弊社の歴史も、そのうち消えて無くなる。
苦楽を共にした「戦友(従業員)」もそれぞれの人生を歩んでいく。
まさに諸行無常🙏🏻

皆さんがもし同じ目に遭っても、必要以上に恐れることはない。それまでの地域への貢献や顧客との信頼で最悪時の反応が決まる。

世の中は仏ばかりではないが、鬼ばかりでもない。

『世間は精一杯やった人間を絶対に見捨てない!』
ミナミの帝王、萬田銀次郎も言っている。
皆さんもそうであるように!

◉ 破産処理に一年半、コ◯ナ騒動が二年超、無我夢中で身動きが取れないまま「令和」になり、東京オリンピックや北京五輪オリンピックも記憶がない 私。本を2冊書いて、人前で話して早4年…。
そろそろ何か始めなきゃな、就職先もないだろうから💦


※最後までお読み頂きありがとうございます!

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