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【みんなは知らない、スーパーの内緒話】

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皆さんが知らないスーパーマーケットの「内緒話」を経営者だった私が公開します!
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記事一覧

【ダイエーはなぜ転落したのか?】

☝️あまりにも大きなテーマである。 私もスーパーの経営者だったが、軽々しく分かったようなことを言えば、専門家や評論家に「それはだねぇ君」とか「時代の流れを見誤った結果としてだな」と簡単にあしらわれてしまう。私が心の中で「あんたに何が分かる?当事者でもないのに!」といくら呟いてもだ。 主婦の店ダイエーは『良いものをどんどん安く』のスローガンの下、その低価格を武器に成長していった。今では経営の問題点や事業承継の失敗など、後付けの原因を挙げることは簡単だが、当時はダイエーのこと

【遺跡は県民の財産である!】

来年地元の山梨県南アルプス市に開業する『コストコ』。隣接商店街に留まらず、人口が80万人を切って、知事が「人口減少非常事態宣言」まで出した県内の流通業に、「破壊的影響」を及ぼすことは間違いない。 全国のコストコの中でも、最も商圏人口が少なく、普通なら論外であろう土地への出店(面積も日本最大級)を地元消費者も心待ちにしている。(私もまだスーパーをやっていたら、きっと夜も眠れない恐怖の日々だと思う) 今日は商店街への影響の話ではなく、このコストコの出店用地に『遺跡』が出たのに

【人のふんどしで相撲を取る】の巻

みんな大好き「コストコ」、自宅から行ける距離に店舗がある人は恵まれている。今日現在、コストコが無い県は全国に26県(意外に多い?)、我が山梨県にも来年開店するという。「コストコ誘致」を公約にして、田舎の首長選挙で当選する候補者さえいる(笑)。 テレビ番組やSNSでも頻繁に取り上げられ、「こんなに安い!」「これでどうだ!」と消費者の購買意欲を掻き立てる。年会費3,850円(税込)を支払えば、特別価格で買い放題。量目は多いが仲間でシェアすれば割安になる。 ✅コストコのビジネス

【スーパーが消える〜「買い物弱者825万人」の裏側】

このところ、鳥取県の農業系スーパー「Aコープ」が17店舗一斉に閉店したり、青森の老舗スーパー「さとちょう」が倒産(民事再生)など、地方のNo.1ではないまでも長年親しまれた店が姿を消すニュースを目にする。 ローカル中小チェーンに留まらず、競争に強いとされる個人の繁盛店も、事業承継できずに廃業(吸収されるほどの規模ではない)。そして川上の大手同士は「潰れてはなるものか!」と水面下でM&Aや傘下入りを画策している。 「スーパー4社が共同配送でコストダウンして生き残りを賭ける」

【閉店間近のスーパーの見分け方〜大手企業の支店編】

前回はどちらかというと規模の小さい「危ない」ローカルチェーン店や個人スーパーの「見分け方」を紹介した。現実には当てはまらないことを願うが、お客さんが手持ちのポイントカードや商品券が無効になってしまうので注意が必要である。 さて今回は、皆さんもよく利用する大手スーパーの支店、早い話会社は大丈夫でも、その店を閉店するかどうか?を見分けるポイントをご紹介。(あくまでも私個人の?考えです) ✅パート募集をしなくなる ☝️閉店が決まってからは、当然パートさんは追加募集はしない。閉

【危ないローカルスーパーの見分け方〜自虐編】

この所、人前で前の仕事のことを話したり、スーパー関連のニュースを斜めから見た投稿が多かった。そんな私がいわゆる評論家は言わない『危ない(経営が厳しい)スーパー』の兆候を上げてみたい。ある意味最高の自虐ネタでもある(^^; ✅従業員の制服や白衣が汚れている ☝️食べ物を扱うスーパーの従業員には、パートさんを含めて制服(またはジャンパー)や白衣、キャップ・エプロンが支給される。 経費削減を急ぐスーパーは「もう一人に2枚ずつ渡してあるから、新規の貸与はストップね!洗濯して使っ

「全体の3割のスーパーが赤字」の記事(@_@)

スーパーの経営者だった私は特段驚きもしないが、「赤字は社会の害悪」とか「利益無きところに発展無し」と、立派な格言通りに行かないことはよく知っている。赤字のスーパーは3割どころの話じゃない! 先の投稿で「鳥取県の農協系スーパー(Aコープ)が全店閉店」のニュースを取り上げたが、こと鳥取県のスーパーは「7割が赤字」と、全国でも最も厳しい県だった訳だ。それゆえJAのスーパーがいち早く損切りした理由が分かった。 店を閉めるのにも体力(金)が要る。後始末のための支払いは、閉店の次の日

【銀座にディスカウントスーパーOKが出店(@_@)】

少し前のポストで【OKお前もか?】と、取引業者に商品の値引きした分を補填させて公取から怒られた、信者とも言えるファンが多いディスカウントスーパーOK(オーケー)。 今度は何やら、日本一高級で外国人観光客も多く訪れるかの銀座に、人気商品「299円弁当」などの激安商品を引っさげ開店したとのニュース。 以前、かの高級商業地『銀座』にユニクロが開店した時も「あの銀座に(安い・庶民の)ユニクロがっ?」と話題になったものだ。今ではダイソーやワークマンも店舗を構えている。 記事では顧

【松茸が不作〜何もねえ!】

秋の味覚『松茸』、この字を見ただけで芳(かぐわ)しい香りが脳裏を走る。 ・「茶瓶蒸し」だか「土瓶蒸し」が最高! ・包丁で切るより手で割いた方が美味しい! ・国産の方が香りが良い! とか、 私も分かったようなことを言うが、売る側からすれば、実際の所「あんまり儲からないキノコのひとつ」でしかない。 それが今年の秋はまったく収穫できないと悲鳴が上がっている(><)。高級料理店では「初モノのマツタケです!」というだけで料金が盛れるのも事実。サンマも初モノは鯛にも勝る(^^;

【鳥取県の農協系スーパーが全店閉店の衝撃!】

皆さんの地域にもあるかも知れない農協系のスーパー。「Aコープ」などの名称で、日本中に中規模店舗を展開している。 名称のAはもちろん「アグリ(農業)」を意味し、スーパーと隣接して園芸や肥料、作物の直売所が併設されている店舗も多い。 いくら農協がオーナーだと言っても、店舗単独での赤字の垂れ流しは許されない。建設資金も農協系の金融機関(県信連)等から出ているため、組合員の出資金を無駄にする訳にはいかない。 農協系のスーパーを支えるのは主に農業家庭である。普段お世話になっている

【よそ者はゴミを捨てるな!】

私は長年地域でスーパーを経営していた。最後は105年目に私の努力不足で倒産したのだが、「地域のためなら!」と要らぬ正義感から様々なことをしてきた。 その中の一つに『家庭生ゴミを回収〜堆肥化〜野菜作り〜店で販売』のビジネスモデルがあり、総務省からも地域発の循環型モデルとして表彰された。 そんな自慢話はともかく、観光地に店を構える自社店舗には、このニュースにもある地元自治会に加入しない「別荘族」「週末移住者」「Uターンの若夫婦」「リタイヤした高所得層」などが多く来店する。

【㊙ 個人商店経営者の役得】

☝️テレビニュースで今、中国杭州で「アジア大会」が開催されているのを観た。 ん、昔行ったことあったなぁ…。そう言えば20年ほど前、大塚製薬(ポカリ)の招待で韓国釜山のアジア大会に行ったことを思い出す。公式スポンサーとはいえ、ウチくらいの規模のスーパーまで無料で(妻と2人)連れて行ってくれるなんて驚いたものだった。 開会式セレモニーと陸上競技を観たが、記憶にあるのは、国際競技場の一画をカラフルな民族衣装で詰め尽くした北の「喜び組?」のお姉さんたちの一糸乱れぬ応援。スタジアム

【さあ、下半期のスタートです!】

インボイス制度や値上げラッシュ、J'sやらビッグモーター、何かと騒々しい昨今、今年度も下半期のスタートです。 スーパー経営者の現役時代は決算が6月だったし、個人事業主となった今は会計年度は1月始まり。分かったようなことを言いつつ、今年も10月がスタートしました。 ☝️しかし民間企業や行政はやはり10月が下半期に向けてのスタートとなる。上半期の成績を見ながら後半の予定を盛り直したり、個人の営業ノルマの進捗にムチを入れ、営業所単位の成績も遅れを取っては肩身が狭い…。 私はス

創作小説『こうして店は消えていく』 (4/4)

会社の資金繰りが不安だった社長は、銀行への対応を顧問税理士と話し合った。 👤「社長、まずは銀行の元本返済を止めてもらいましょう。これ(リスケ)を頼むにはしっかりした『経営改善計画』が必要です。策定に金が掛かるけど補助金も出る。経営が回復したらまた少しずつ返済を再開すればいいんだから!」 借り入れの大きい「スーパーとまと」は月々の返済が減れば資金繰りは相当楽になる。「そんな簡単にいくのか?」不安に満ちた社長も藁にもすがる思いで『経営改善計画』策定に取りかかった。 全取引銀