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「言挙げせず」とは


「言挙げせず」の現代的な用法として【神道の理論闘争を避けること】があります。

また古い神道の考え方では、神々の神意のまま、あるがままが善いので、あえて「言挙げ」をして人為を介す必要はないという意味でも解釈されます。

では、この「言挙げ」とは何かといえば、最古の記述である日本武尊の逸話から、一般に「言挙げ」とは”自分の意志をはっきりと声に出して言うこと”を指します。

そして、それが”良からぬ心掛けによるものであったり誤りであった場合、悪い結果がもたらされる”と考えられているのです。

つまり、「悪意を持って発言したり、言葉で他者を騙そうとしたり、よく分からないものを分かっているかのように嘯いたりすると良くない事になるからやめようね」というのが「言挙げせず」の意味になります。

逆に言えば、言挙げしても良い場合もあるという事でもあります。

例えば、真心からの意思表明、偽りのない事実を述べる場合には、言挙げしても良いということです。

古い和歌にも「日本は言挙げせぬ国」とあるように、自分は間違いないと思っていても間違っている場合もあるので、滅多に事挙げしない方が賢明であるといえます。

ですが、それでもなお「言挙げすべき」という場合には、声を上げる事もまた必要なのではないでしょうか。


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