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移住9日目 引越荷物搬入

 午前10時、気温16度。雪もほとんど解けて搬入日和。引越センターの混載便で送った荷物が届く。
お試し住宅には玄関を入ると広い土間があり、自宅改修が終わるまでの3ヶ月程、荷物をここに置かせていただけることになった。

 搬入のトラックは2トン車ロングがきて、案外大きい。事前に集落の区長さんにご挨拶した際に、駐車場スペースを貸してくださるとのことで、お言葉に甘えさせていただく。
荷物は大きな家具家電は処分してきたが、仕事の資材が嵩張ってしまい思ったよりも多い。
混載便ということで多少不安もあり、無事に届いたかなと確認していたら、エアコン室内機の金属管がぐにゃぐにゃに折り曲げられていた。残念な気持ちになりつつ、搬出をした支店へ連絡をして対応していただくことになった。搬入作業自体は一時間で終わった。

 近くのスーパーへ行き、地元のお母さんが作ったヨモギモチを買って帰る。
ゴボウの味噌汁とヨモギモチでお昼ご飯。ヨモギの薫りが美味しくて気持ちがほぐれていく。
小一時間ほど昼寝をして、気付けにお抹茶を飲んで、荷物の整理をする。
黙々と時間が過ぎて、そういえば今日は空を見ていないと思い立ち、陽が傾き始めた空を見に散歩する。向こうからきれいな毛並みのワンコを連れたお父さんが歩いてきて、挨拶をすると移住者の方だった。移住7年とのことで「まだまだ新米だよ~」と良い笑顔。
家に戻り、左右お隣へ菓子折を持って改めてご挨拶へ伺うと、「猪肉いる??」「うちのお父さんが猟師だから。美味しいよ!」とニコニコしながら差し出され喜んで受けとる。出会う人みんな気持ちの良い方ばかりだなぁ。

 米を炊き(この米も農家さんからの貰いもの)、その間に荷物の整理を進める。動いているとすぐにお腹が減ってくる。
猪肉を解凍して下ごしらえ。米が炊けた良い香りがすると、ぐぅーと腹が鳴る。猪肉は油でこんがりと炒めて、半分はカレーに、半分は淡口醤油を絡める。いい香りがしてきた。
よし、ビールを飲もう。
醤油で味付けしただけの猪肉、一口たべて、なんじゃぁこの旨味は!!おもわず山の神様に手を合わせて感謝する。
〆のカレーは猪肉の優しい旨味が融けてご飯が止まらない。あー、しあわせ。
こんなに美味しいものいただいてしまって、しっかりお礼しなきゃならんな!と夕食を楽しんでいたら、玄関に誰か来たみたいだ。先ほど会った移住者のお父さんで、お赤飯をいただいた。四十九日の法要があり、このあたりではお赤飯を贈るのだそうだ。

 ここ数日は春の陽気で、おだやかな日和。明日も晴れたら窓をおおきくあけて家に風を通そう。